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【寄稿】5カ国11隻の対中連携に中国軍18隻が対抗 台湾・南シナ海・西南諸島で圧力拡大 中国人民解放軍の052C型駆逐艦(ルーヤンII型)。写真は西安艦。(写真/ウィキペディア提供)
4月27日深夜、台湾 国防部が中国軍艦艇の写真を2枚公開した。メディアによれば、ルーヤンII型(052C型) 駆逐艦とジャンカイII型(054A型) フリゲートの編隊が澎湖諸島南西海域に進入し、活動したという。筆者は、22日に5隻だった台湾周辺の中国軍艦艇が、その後7隻、そして26日には9隻にまで増加したことに着目している。その間、南西空域では艦載ヘリコプターの活動も確認された。多国間による「バリカタン」合同演習の期間中である25日に、中国軍が台湾周辺海空域で「合同戦備パトロール」任務を実施したことは、極めて異例の事態と言える。
史上最大規模の「バリカタン 2026」、5ヵ国11艦が南シナ海へ集結 2026年の米比合同演習「バリカタン」は4月20日から5月8日まで実施されている。今回の動員規模は史上最大とされ、1万7千人以上の兵力が南シナ海とルソン島に集結した。特筆すべきは、米・比・日・豪・加の5ヵ国が計11隻の艦艇を派遣し、海上合同演習を実施している点だ。訓練科目には上陸阻止、対潜、対艦ミサイル発射などが含まれており、南シナ海における「航行の自由」の維持と、同盟軍が結束して外部の脅威に対抗する強硬な姿勢を中国側に示す狙いがある。
中国軍の即応、空母「遼寧」と新型076型が南シナ海へ展開 演習前夜、日本は3隻の艦艇をフィリピンでの訓練に派遣したが、そのうちの1隻である護衛艦「いかずち(雷)」は4月17日に台湾海峡を南下した。これに呼応するように、中国軍は空母「遼寧」編隊と新型の076型強襲揚陸艦「四川」を20日に南シナ海へ送り出した。
米比同盟による演習開始を受け、中国海軍は即座に南シナ海での東西封鎖、東シナ海での中露合同訓練、黄海での中露交流、さらに日本海での中露合同訓練などを展開。指揮系統のレベルは中央軍事委員会まで引き上げられ、南部戦区は実戦態勢に入った。これに対し、筆者は以下の視点から観察と分析を行う。
1. 米比同盟11隻 vs 中国軍主力艦18隻 南シナ海で対峙する両陣営の戦力 米海軍・沿岸警備隊: 第7艦隊旗艦「ブルー・リッジ」(LCC-19)、ホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦「アシュランド」(LSD-48)、レジェンド級巡視船「ミジェット」(WMSL-757)。 海上自衛隊: ひゅうが型ヘリコプター搭載護衛艦「いせ」(DDH-182)、むらさめ型護衛艦「いかずち」(DD-107)、おおすみ型輸送艦「しもきた」(LST-4002)。 フィリピン海軍: 戦略輸送艦「タラック」(LD-601)、マルバール級フリゲート「マルバール」(FF-06)、ホセ・リサール級フリゲート「アントニオ・ルナ」(FF-151)。 豪・加海軍: 豪フリゲート「トゥーンバ」(FFH-156)、加フリゲート「シャーロットタウン」(FFH-339)。 対する中国軍は、4月23日に公開された衛星写真によれば、海南省楡林海軍基地の南東沖に、空母「遼寧」を中心とする14隻の艦隊を集結させている。内訳は、055型駆逐艦1隻、052D型駆逐艦2隻、054A型フリゲート4隻、054B型フリゲート1隻、071型ドック型輸送揚陸艦1隻、075型強襲揚陸艦1隻、072III型大型揚陸艦1隻、原子力潜水艦1隻、および不明な艦艇2隻。さらにフィリピン東方にも4隻が展開しており、総排水量は推計19万トンに達する。
「遼寧」編隊の異例の南下と、対日威嚇を目的としたミサイル試射 北部戦区海軍の「遼寧」編隊は今回、山東省青島から宮古海峡やバス海峡を迂回せず、台湾海峡を直線的に急行して南シナ海へ入った。これは、南部戦区の艦艇および両用戦部隊と迅速に合流し、即座に統合作戦体系を構築するためと考えられる。25日には、西沙諸島の永興島(ウッディー島)東方290キロの海域で、「遼寧」がS字型の戦術運動を行い、編隊の防御縦深を拡大させている様子が確認された。
筆者はこの動きについて、今回の演習で日本側が初めて実施した「88式地対艦誘導弾(SSM-1)」による退役艦艇への打撃訓練(フィリピン・ルソン島北部沖)を想定したものと推測する。
また、25日付の軍事サイト『Defence Security Asia』は、フィリピン近海で訓練中の055型駆逐艦が、極超音速対艦ミサイル「鷹撃-21(YJ-21)」を試射したと報じた。同ミサイルは射程1000キロを超え、巡航速度マッハ6、最終突入速度はマッハ12に達するとされる。こうした中国軍の挙動は、明らかに日本を強く意識したものだ。
2. 107編隊がフィリピン東方に展開、空母「遼寧」との包囲網を形成か 中国人民解放軍南部戦区は4月24日、SNSの微博(ウェイボー)にて、「南部戦区の107編隊がフィリピン・ルソン島東方の海域で演習を実施した」と発表した。演習では実弾射撃、海空協同、急速機動、航行補給などが重点的に行われ、一体化された統合作戦能力の検証が図られたという。
筆者の分析によれば、今回の107編隊はすべて南部戦区海軍の艦艇で構成されている。その内訳は、海南省三亜・亜龍湾を拠点とする第9駆逐艦支隊所属の055型駆逐艦「遵義」(107)と052D型駆逐艦「合肥」(174)に加え、広東省湛江の第2駆逐艦支隊所属の054A型フリゲート「咸寧」(500)、および第3作戦支援艦支隊の903A型総合補給艦「駱馬湖」(907)の計4隻と推測される。
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2025年の遠海訓練との類似性と連続性 過去を振り返ると、2025年11月27日、南部戦区海軍は075型強襲揚陸艦「海南(31)」を旗艦とする4隻の編隊(055型駆逐艦「延安/106」、054A型フリゲート「通遼/554」、総合補給艦「駱馬湖/964」)を組織している。この際も、三亜および湛江を出港後、29日にバシー海峡付近を経て西太平洋に入り、12月1日にルソン島東方海域で遠海訓練を実施した経緯がある。
南部戦区が今年4月24日に「近日」として言及した107編隊のルソン島東方での活動は、4月20日から開始された米比日合同演習「バリカタン 2026」に呼応するものだ。台湾国防部が発表した「中国軍の台湾周辺海・空域動態」によれば、18日の艦艇数は6隻だったが、19日には11隻へと5隻増加している。筆者は、この増加した艦艇のうち4隻が、南海からバシー海峡付近を経て西太平洋へ入った南部戦区の「107編隊」であると見ている。
昨年の南部戦区「海南」艦隊(075型強襲揚陸艦)の航跡を振り返ると、当時の106艦(延安)と今回の107艦(遵義)は、いずれも海南省三亜・亜龍湾を拠点とする第9駆逐艦支隊の所属である。また、今回の107編隊に随伴する総合補給艦も、昨年の「海南」艦隊と同様、広東省湛江の第3作戦支援艦支隊に所属する903A型「駱馬湖(らまこ)」(艦番号907)が務めている。
昨年の遠海訓練ルートを熟知している補給艦「駱馬湖」が同行している点から見て、今回の107編隊がフィリピン・ルソン島東方海域で実弾射撃演習を行っているという南部戦区の主張は、妥当なものと推測される。
「バリカタン」への対抗措置と冷静な分析 台湾国防部の発表によれば、4月22日の09:15から19:05にかけて、中国軍の主・補助戦機およびヘリコプター計14機が、台湾の防空識別圏(ADIZ)南西から南南西の境界付近で活動した。その一部(Y-8対潜哨戒機と推測)は、防空識別圏の南を通り、蘭嶼(らんしょ)の南東まで進出した後に引き返している。
こうした海空一体の訓練は、米比日による「バリカタン 2026」合同演習への明確な対抗措置と言える。今後、台湾南西の遠方海空域で中国軍の活動が確認されたとしても、その多くは多国間演習に連動したものと考えられ、過度に懸念する必要はないだろう。
無人機活用による周辺監視と射撃準備 公開された107編隊の映像では、作戦艦の艦尾から無人機(ドローン)が発進する様子も確認された。無人機の特性から、周辺海空域の目標監視、および実弾射撃に際して周辺に他の船舶がいないかを確認する任務を担っていると考えられる。洋上での射撃訓練に先立ち、防空および対水上レーダーを稼働させ、周辺海域の安全を確保する「クリアリング(掃海・排除)」作業を徹底している実態がうかがえる。
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3. 076型強襲揚陸艦「四川」、空母に続き南下し試験航海を実施 中国海軍の公式SNS「人民海軍」は4月21日夜、以下の通り発表した。「新型の076型強襲揚陸艦『四川』が先日、上海を出航し南シナ海の関連海域へ向かった。科学研究試験および訓練任務を実施し、艦艇の各システムプラットフォームの運用状況をテストする。四川は進水以来、数回の試験航海を順調に完了しており、今回の地域をまたぐ試験訓練は装備全体の建造計画に基づいた通常のものであり、特定の目標を対象としたものではない」。
筆者は、上海海事局が4月19日8時57分に発表した航行警報「滬航警281/26」に着目した。これによれば、4月20日10時、全長260メートル、最大幅53.5メートルの「大型公務船」が滬東中華造船所を離れ、長江口の北槽航路から出港するとして、付近の船舶に注意を呼びかけていた。
076型強襲揚陸艦「四川」の諸元(満載排水量:約4万トン、全長:260メートル、最大幅:53.5メートル)は、この航行警報の内容とほぼ一致する。このことから、「四川」は20日に長江口を出て南下したと推測される。中国の軍事ファンの情報によれば、4月23日の「中国海軍節」には、広東省の湛江(たんこう)港で「四川」の姿が目撃されている。
「四川」が第3次試験航海の寄港地として、空母「福建」が第9次試験航海で利用した海南省三亜ではなく、湛江を選んだ理由は、同艦が強襲揚陸艦であるためだ。南部戦区海軍の揚陸艦支隊の拠点である湛江に停泊することは合理的であり、揚陸作戦に関連する科学研究試験や訓練要員、連携する装備の多くがこのエリアに集結している。同艦は短期間の補給を行った後、27日前後には再び出港した可能性がある。
電磁カタパルト搭載、異例のスピードで年内就役か これまでの中国軍における新型揚陸艦の訓練プロセスや、電磁カタパルトを備えた空母「福建」の試験航海(無人機の射出試験や揚陸・反揚陸プロセスの検証など)の経緯を鑑みると、同様に電磁カタパルトを搭載する「四川」は、既存の試験データを活用することで試験期間を大幅に短縮できる。筆者は、076型強襲揚陸艦「四川」は今年中にも就役する可能性が高いと見ている。
5カ国の艦船11隻が「バリカタン」演習で対中牽制。(写真/筆者提供)
4. 中露艦隊の協同、日本防衛ラインに対する多層的な軍事威圧 ロシア太平洋艦隊のステレグシチー級フリゲート(20380型)「ソベルメンヌイ」(333)、「グロームキー」(334)、および中型油槽船「ペチェンガ」の3隻が、4月15日午前に中国軍南部戦区の広東省湛江港に到着し、5日間にわたる友好訪問を行った。同日午前、習近平国家主席は北京の人民大会堂でロシアのラブロフ外相と会談し、「国際情勢が混迷を極める中、中露は戦略的協力をさらに緊密化させ、両国の正当な利益を断固として守るべきだ」と述べた。ロシア艦隊は4月19日に訪問を終え、湛江を出港した。
これらの艦艇が日本海へ入った後、奇しくも27日、日本側は中国海軍の駆逐艦(120)と903型補給艦が日本海から対馬海峡を経て黄海へ入ったと発表した。これに関連し、3月30日(月)から31日(火)にかけて、日本側は中国海軍の作戦艦(119、102)および補給艦(903)が対馬海峡を北東へ航行するのを確認していたが、駆逐艦(120)がそれに続いた形となる。この空白期間、中露艦隊が日本海で合同演習を実施し、その後、中国艦艇が順次拠点へ帰還・整備に入った可能性がある。
西太平洋での不穏な動向と中露の連動 ロシアの作戦艦2隻とタンカー が与那国島から対馬海峡に到達するには約1日の航程を要する。同様に、広東省湛江からバシー海峡を経て西太平洋に入るまで約1日、バシー海峡から与那国島までも約1日を要する。4月19日に湛江を出港し、20日にバシー海峡を通過したこの編隊は、21日に西太平洋で何をしていたのか。筆者は、中国軍東部戦区の作戦艦(133、577)と西太平洋で合同演習を行っていた可能性を強く疑っている。
また、この期間中の4月21日(火)昼前後、日本側は与那国島の南約50キロの海域で別のロシア海軍艦艇3隻(ステレグシチー級フリゲート/335、キロ級潜水艦、および遠洋えい航船)を確認した。これらの艦艇は北東へ航行した後、与那国島と西表島の間を通り東シナ海方面へ向かった。24日までにロシアの作戦艦(333、334)とタンカー は対馬海峡を抜けて日本海側の拠点へ帰還したが、キロ級潜水艦を含む編隊の動向については依然として発表されていない。
中露の軍事連携緊密化、日本西南諸島への南北「挟撃」態勢と高まる緊張 中国の董軍国防相とロシアのベロウソフ国防相は4月24日、モスクワで会談を行った。両者は今年が「中露戦略的協力パートナーシップ」構築30周年であり、「中露善隣友好協力条約」署名25周年であることに触れ、変遷する軍事・政治情勢において「両国の軍事協力は極めて緊迫している」との認識で一致した。こうした背景から、ロシア艦隊が東シナ海を航行中に中国東部戦区海軍と合同演習を実施した可能性は極めて高い。その後、ロシア太平洋艦隊の報道官は27日、同艦隊の艦艇編隊が中国・青島港に到着したことを明らかにした。
中国東部戦区海軍の緊急出撃と航跡の分析 日本側の発表によると、浙江省舟山の第3駆逐艦支隊に所属する052D型駆逐艦「包頭」(133)と、第6駆逐艦支隊の054A型フリゲート「黄岡」(577)の2隻が、4月19日(日)午前11時頃、鹿児島県の横当島南西約60キロの海域に出現した。これらの艦艇は奄美大島と横当島の間を抜け、北東へ進んで太平洋に入ったことが確認されている。
その後、22日(水)午前3時頃には、沖縄県波照間島の南約80キロの海域を北西に航行。さらに与那国島と西表島の間を通過して北東に進み、東シナ海方面へと向かった。
「南北挟撃」による対日軍事威圧、日本の防衛政策転換への反応 近年、日本は西南諸島における防空、対艦ミサイル、および早期警戒システムの構築を急いでいる。昨年11月初旬、高市早苗首相が国会で「台湾有事は日本有事」と言及したことに加え、憲法改正への強い意欲や、防衛力の抜本的強化、さらには4月21日の「防衛装備移転三原則」の改定による殺傷能力を持つ武器の輸出容認など、一連の動きは中露双方の強い警戒を招いている。
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今回の動きは、中国海軍が日本艦艇の帰航を想定した海上邀撃(ようげき)シミュレーションを行うのと同期し、ロシア海軍編隊(水上艦、潜水艦、補給艦など計6隻)が同じ水道を南から北へと突破する形となった。北から南へ突き抜ける中国軍と、南から北へ進むロシア軍が交差することで「南北からの挟撃態勢」が形成されており、与那国島や西表島を含む西南諸島に対し、強力な軍事威圧を加えている。
自衛隊による警戒監視と「第一列島線」の緊迫 中露艦隊による西南諸島の相次ぐ通過を受け、中国のシンクタンク「南シナ海戦略態勢感知(SCSPI)」は4月21日、「日本自衛隊の軍用機が第一列島線付近で高強度の活動を行っている」と指摘した。
実際に同日、浜松基地から発進した航空自衛隊の早期警戒管制機(AWACS)E-767が宮古島北方で偵察任務を実施したほか、嘉手納基地からは陸上自衛隊の連絡偵察機LR-2が離陸し、沖縄東方海域で活動していることが確認されている。
5. 米日比同盟への反撃と、台湾外相のエスワティニ訪問に合わせた軍事的圧力 メディアの報道によると、頼清徳総統は当初、エスワティニへの訪問を予定していたが、中国側からの圧力により断念。代わりに特使として外交部長(外相)の林佳龍氏が派遣され、4月25日午前に現地へ到着した。これに対し、台湾国防部は25日13時55分より、中国軍のJ-10(殲-10)、J-16(殲-16)、KJ-500(空警-500)など各型主・補助戦機および無人機計21機が飛来したと発表。そのうち13機が中間線とその延長線を越え、台湾北部・中部・南西の空域に進入し、中国艦艇と連携して「合同戦備パトロール」を実施した。台湾周辺で活動した17機もの航空機は、明らかに林佳龍氏の訪問を標的にしたものだ。
また、台湾の元首による外遊の前後、あるいは帰国後に中国軍が台湾周辺海空域で合同戦備パトロールを行うのは過去の慣例となっている。このため、林佳龍氏の帰国後にも中国軍が再び任務を遂行する可能性が高い。ただし、南シナ海情勢が緊迫化した場合、中国軍は米比日などの軍事同盟に対応するため、台湾南西海域に重点を置く可能性もある。
一方、国防部は4月27日深夜、澎湖諸島南西海域で活動する中国軍のルーヤンII型駆逐艦およびジャンカイII型フリゲートの監視映像2点を公開した。メディアによれば、顧立雄(ウェリントン・クー)国防部長は27日午後、ここ数日間にわたり複数の中国軍艦艇が澎湖南西海域で航空兵力と連携した演習を行っていると言及した。国防部が22日に確認した台湾周辺の中国軍艦艇は5隻だったが、その後27日にかけて7隻、8隻、そして9隻へと順次増加している実態がある。
林外相帰国に合わせた軍事的威圧と、日本を標的とした空域活動 台湾国防部の発表(28日午前9時11分)によると、27日午前6時から28日午前6時までの間に、中国軍機22機(うち20機が中間線を越え、台湾北部および南西空域に進入)と中国軍艦9隻が台湾周辺で活動した。
また、同日8時20分から21時55分にかけて、主力戦闘機および無人機計11機が、東引島(とういんとう)北東から金門島南方の台湾海峡西側空域で活動。このうち9機が中間線を越えて活動した。これらは、エスワティニ王国への訪問を終え、28日早朝6時過ぎに桃園国際空港に到着した林佳龍氏 を牽制する狙いがあると見られる。
さらに、6時00分から19時25分にかけては、補助戦機、無人機、および艦載ヘリ計5機が、広東省南澳の南東から台湾南西空域で活動した。この海域には、少なくとも排水量4000トン以上の中国軍艦艇1隻が展開している。
駆逐艦「052C型」の南下、多国間演習への即応体制 台湾国防部が「ルーヤンII型」と呼称する艦艇は、中国側の「052C型駆逐艦」を指し、「ジャンカイII型」は「054A型フリゲート」を指す。公開された監視写真では、フリゲートの舷番号が「534」と読み取れる。これが事実であれば、同艦は三都澳(さんとおう)の第15護衛艦大隊に所属する艦艇である。
一方、052C型駆逐艦については、対峙する三都澳や厦門(アモイ)には配備されていない。最も近い拠点は、浙江省舟山を拠点とする東部戦区海軍の第6駆逐艦支隊(長春/150、鄭州/151、済南/152、西安/153)である。
この052C型が北から台湾南西海域へと南下した動きは、林外相の帰国に合わせた圧力であるとともに、フィリピン西側から北側にかけて実施されている多国間合同演習「バリカタン」に対し、北・南部戦区の海軍兵力がいつでも支援・対応できる統合作戦体制を整える狙いがあると推測される。
*筆者である陸文浩氏は中華戦略学会(台湾)の研究員。
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フランス人識者が読み解く「高市現象」と日本の転換 自立的整合性と台湾有事への危機感 フランス戦略研究財団(FRS)のヴァレリー・ニケ氏(インド太平洋研究コンソーシアムディレクター)は2026年4月17日、日本記者クラブで「高市現象と日本の政治」をテーマに講演した。ニケ氏は、日本を取り巻く戦略環境の激変と、それに対応する高市政権の政策について、地政学的な視点から多角的な分析を示した。中国の地政学を専門とするニケ氏は、日本が直面する課題は単なる......
台湾・頼総統の弾劾公聴会でエネルギー政策に批判 TSMCに27回の電力制限要請も 台湾の立法院(国会)で27日、頼清徳総統に対する弾劾案の公聴会が開催された。出席した市民団体「気候先鋒者同盟」の楊家法(ヤン・ジアファー)発起人は、頼政権発足後のわずか7カ月間で気候・エネルギー政策が「二転三転している」と厳しく指摘。「誤ったエネルギー政策は、汚職よりも恐ろしい」と断じた。楊氏は、頼総統の過去の言及を振り返り、エネルギー問題に対する認識の欠如......
移民・難民問題の最前線から見えた世界情勢 村山祐介氏が日本記者クラブで講演 2026年4月17日、元朝日新聞記者で現在はドバイを拠点に活動するフリージャーナリストの村山祐介氏が、日本記者クラブにおいて「移民・難民から見た世界情勢」と題した講演を行った。村山氏は「クロスボーダー(国境を越える動き)」をメインテーマに掲げ、ウクライナ、地中海、中南米など世界各地の過酷な現場における取材報告を通じ、激動する世界情勢と日本が直面する課題につい......
【張鈞凱コラム】中台「現状維持」の現状は、もはや維持されていないのか? 財団法人「民主文教基金会」が先ごろ発表した一連の世論調査結果は、台湾社会が心の奥底で理解しながらも、直視することを避けてきた懸念を浮き彫りにした。最も衝撃的だったのは、回答者の55.2%が「台湾が『現状維持』を続けることは、もはや困難である」と同意した点だ。この前提に基づき、67.4%の回答者が「国号や名称の変更」よりも、「現在の生活様式と権利を失うこと」を......
袴田ひで子さんらが会見、再審法改正案の「証拠目的外使用禁止」に猛反発 「冤罪救済の壁になる」 2026年4月23日、日本記者クラブにおいて、再審無罪が確定した袴田巖さんの姉・ひで子さん、弁護団事務局長の小川秀世弁護士、司法情報公開研究会共同代表の江川紹子氏、および福島至氏(龍谷大学名誉教授)が記者会見を行った。会見では、政府が検討している刑事訴訟法改正案に盛り込まれた、開示証拠の「目的外使用禁止」規定について、冤罪救済や真実究明を著しく阻害するもので......
小笠原村長、南鳥島での「核のごみ」文献調査受け入れを表明 国主導の申し入れ受けは全国初 東京都小笠原村の渋谷正昭村長は2026年4月24日、日本記者クラブで記者会見を開き、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地選定に向けた第1段階となる「文献調査」について、同村の南鳥島での実施を受け入れる方針を明らかにした。文献調査の実施は、北海道の寿都町と神恵内村、佐賀県の玄海町に続いて全国で4例目となる。先行する3自治体はいずれも地元側からの応募や議......
【大相撲】台湾にルーツを持つ十両・東白龍の「台湾後援会」が東京で発足 矢板明夫氏がリポート ジャーナリストの矢板明夫氏は25日、自身のSNS「矢板明夫倶楽部」を更新。台湾にルーツを持つ大相撲力士・東白龍の台湾後援会が東京で発足したことを伝えた。両国で設立式典、高雄出身の母と感謝を伝える矢板氏の投稿によると、4月25日、東京・両国国技館に隣接する居酒屋「花の舞」において、東白龍の台湾後援会設立式典が開催された。東白龍は1996年生まれ、東京都墨田区出......
「台湾は国家か」国会で直球質問 石平氏の質疑に矢板明夫氏が注目 ジャーナリストの矢板明夫氏は22日、自身のSNSを更新し、同日の日本国会において日台関係の核心に迫る重要な質疑が行われたとの分析を公表した。矢板氏によると、質疑に立ったのは日本維新の会の石平(せき・へい)参議院議員。石氏は茂木敏充外務大臣に対し、台湾が2300万人の人口、公選による総統、独自の軍隊や通貨を備えている事実を列挙した上で、「日本政府は台湾を国家と......
【独占インタビュー】習氏が「統一」を語らなかった理由 張五岳氏が読む頼政権と中台関係の行方 台湾最大野党・国民党の鄭麗文(てい・れいもん)主席と中国共産党の習近平国家主席による会談において、習氏は「統一」という言葉をほとんど使わず、「一国二制度」についても口を閉ざした。淡江大学両岸関係研究センターの張五岳(ちょう・ごがく)主任は台湾メディア『風傳媒(Storm Media)』の取材に対し、中国側が「鄭・習会談」を通じて「柔軟な姿勢」を示したのは確か......
【舞台裏】台湾・国民党の鄭麗文主席の軍購案に米側が難色 それでも訪米に強気の理由 台湾の行政院が提出した、総額1兆2500億台湾ドル(約6兆円前後)に上る「強化防衛靭性及び非対称戦力計画調達特別条例」草案(軍事調達特別条例)が、現在立法院で野党・国民党および民衆党の対案と共に審議されている。韓国瑜(かん・こくゆ)立法院長が招集した朝野協議は、軍購入予算額などの重要条文を巡って合意に至らず難航。4月27日の再協議でも進展はなく、5月6日に延......
UNDPドゥ=クロー総裁が記者会見「開発は安全保障の最前線」と強調 日本の長年の貢献に謝意 2025年12月に国連開発計画(UNDP)の第10代総裁に就任したアレクサンダー・ドゥ=クロー氏は2026年4月21日、日本記者クラブで記者会見を行った。ドゥ=クロー氏は2020年から2025年までベルギー首相を務めた経歴を持ち、国連事務総長の指名を受けて現職に就いた。会見は共同通信の杉田弘毅氏の司会で進行し、UNDPの現状や使命、そして日本への期待について......
中道改革連合・小川淳也代表がFCCJで会見 人口減少対策と「北欧型社会投資」の必要性を強調 中道改革連合の小川淳也代表は22日、日本外国特派員協会(FCCJ)で記者会見を行い、党の政策ビジョンおよび直面する政治的課題について見解を述べた。小川氏は、先月スペインで開催された中道リベラル政党の国際会議に出席したことに触れ、世界的な右派政党の台頭や自国第一主義の広がりに強い危機感を表明。その背景にはグローバル化による格差拡大と貧困があり、将来への展望を持......
「台湾は中国ではない!」教科書検定の是正求める日台請願運動集会、文京区で26日開催 学校教科書「台湾表記」改善促進協議会は26日、東京都文京区の文京区民センターにて、日本の教科書における台湾の表記是正を求める「日台請願運動集会」を開催する。「中国領」としての記載を問題視 検定制度の改善訴える本集会は、日本の小中高校で使用される社会科や地理の教科書、および地図帳において、台湾が中国の領土として記載されている現状を問題視。文部科学省に対し、検定......
人口減少社会における民放ローカル局の再編と地域メディアの多角的役割 東京財団政策研究所の村上圭子上席フェローは、人口減少社会における地域メディアの現状を分析する論考を公開し、経営環境が深刻化する民放ローカル局の再編と統合をめぐる政策動向を明らかにした。国内の民放ローカルテレビ局122局の売上は過去20年間で減少傾向にあり、2024年度には約半数の局の売上が50億円以下にまで落ち込んでいる。特にキー局の系列に属する109局は、......
ロン・ミュエク展、2026年4月より森美術館で開催決定 日本初公開作品を含む大規模個展 森美術館とカルティエ現代美術財団は、2026年4月29日から9月23日まで、森美術館(東京都港区、六本木ヒルズ森タワー53階)にて現代美術作家ロン・ミュエク(Ron Mueck)の個展を開催する。オーストラリア出身で英国を拠点に活動するミュエクは、革新的な素材や技法を用いて具象彫刻の可能性を押し広げてきた作家だ。人間を綿密に観察し、孤独、脆さ、不安、回復力と......
4月24日から機内のバッテリー規制が大幅強化、容量制限に加え機内での充電・給電も一律禁止へ 国土交通省は、機内におけるモバイルバッテリーを原因とした発煙・発火トラブルの急増を受け、2026年4月24日よりバッテリーの機内持ち込みおよび使用に関する規制を大幅に強化した。今回の改正は、国際民間航空機関(ICAO)が同年3月27日に承認した国際基準の緊急改訂に準拠したものであり、渡航者にはこれまで以上に厳格なルールの遵守が求められる。新ルールにおける主な......
トランプ氏暗殺未遂、容疑者は名門大出身 自身をリンカーンになぞらえた発言に波紋 4月25日夜、ワシントンのヒルトン・ホテル。本来であればトランプ大統領とホワイトハウス記者会がリラックスした時間を過ごすはずだった「ホワイトハウス記者夕食会」は、一転して戦慄の現場へと化した。華府の政要、ハリウッドスター、報道関係者が集う中、銃を携えて侵入を試みた「招かれざる客」により、トランプ氏は再び暗殺の危機に直面した。ロサンゼルス・タイムズ(Los A......