陸文浩の観点:トランプ・習近平会談前に示威、共機の演習で警告迫る

2025-11-05 17:54
米中首脳会談前、中国軍が「H-6Kの台湾周辺飛行」をうたう模擬対抗映像を公開。(資料写真/AP通信)
米中首脳会談前、中国軍が「H-6Kの台湾周辺飛行」をうたう模擬対抗映像を公開。(資料写真/AP通信)

米大統領ドナルド・トランプ氏と中国国家主席習近平氏は10月30日午前10時、韓国釜山で開かれたAPEC首脳会議の会期中に米中首脳会談を行った。これに先立ち、中国軍(中国人民解放軍)東部戦区は10月27日から11月2日にかけて、福建・平潭、浙江・温州の東方や南東の海域で実弾射撃や各種軍事任務・訓練を実施した。報道によれば、温州の東側約6,463平方キロメートルの海域で軍事活動が行われる可能性があるという。

同時期、中国軍は艦艇6隻と電子偵察艦1隻を含む編隊を日本の南西諸島周辺海域で運用しており、日米豪加仏などの海軍も年次演習を実施している。台湾の陸軍・空軍も10月25日と27日以降、「陸勝一号」実兵対抗演習や「天龍操演」を月末にかけて展開している。

まず、『中時電子報』の報道によると、米中首脳会談を前に中国軍が「H-6Kによる台湾周辺模擬対抗映像」を公開し、対米・対台に向けた警告色を強めた。中国中央テレビ(CCTV)は10月26日夜、多数のH-6K戦略爆撃機が台湾周辺空域に飛来し「対抗訓練」を実施したと伝えた。ただし、中国側が今回の軍事演習の詳細を公表していないこと、また10月18日以降の中国機・艦艇による「例行的」な擾乱行動でもH-6Kの台海上空での確認例は少ないことから、訓練の時期や正確な実施場所は明らかになっていない。国防部もこの件に関してコメントしていない。

筆者が確認したところ、CCTVの軍事チャンネルは10月26日12時55分付で「高価値目標の空防網を築く」などと題した東部戦区空軍の実戦化飛行訓練を報じている。映像は中国機と台湾周辺空域の遠望を交えており、取材に応じた東部戦区航空兵の姚密靈氏は、過去に中国外交部が公表した「中国国旗と解放軍旗が台湾中央山脈と同一画面に収まった写真」を同旅の飛行士が撮影したと述べている。

報道の前段は、東部戦区の複数部隊が実戦化訓練を展開し、「多機協同防空」体制を通じて部隊の偵察・警戒、空中封鎖、精密打撃能力を検証していると説明する。ある東部戦区の空軍基地ではJ-10戦闘機が相次いで発進し、戦術編隊を組んで目標空域に到達。今回の訓練は高価値目標の空防任務に重点を置き、敵空中勢力による奇襲を想定した「多重の迎撃線」を構築する立体的な封控を練る内容だった。これらはJ-10Cとされ、福州基地および広東汕頭市外砂(ワイシャ)飛行場に所属する部隊が担当している。

後段では、いわゆる戦神と呼ばれるH-6K戦略爆撃機について、東部戦区のある団が華東地域を守り戦略打撃任務を担っていると紹介。近ごろ同団は実戦化訓練を主導し、台湾島周辺の海空域で「模擬対抗訓練」を展開、遠海・遠洋での打撃能力を重ねて鍛えているという。報道によれば、H-6Kは出撃後、殲撃機による掩護と早期警戒機の即時情報伝達を得て定められた編隊を維持し、「複雑な電磁環境下での対地突撃」「遠距離打撃」など精密科目の検証と、多機種協同の効果検証を行ったとしている。

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