香港『香港01』は「米中首脳会談」後に評論記事を発表、この会談は米中貿易戦争に一時的な休戦符を打ち込んだものの、米国による包囲圧力に直面する中国にとって最も理性的な選択は、可能な限り米国との関係を「闘いながら破られず」の状態に維持し、相対的に平和で安定した外部環境を争取し、時間を以て空間を換えることで、平和的発展を通じて米国の包囲を解くことだと指摘している。
記事はまず、「米中首脳会談貿易戦停火一年の背後:中国は時間を以て空間を換えている」と題し、中国の国家主席習近平と米国大統領ドナルド・トランプが10月30日、韓国・釜山で会談し、長らく続いてきた米中貿易戦争に一時的な休戦符を打ったことを紹介した。
米中の経貿チームが合意し公開したコンセンサスによると、長期間の貿易戦を経て、米中双方ともそれぞれの短板(欠点)と賭け金を持っており、現実的な配慮から緩和措置を取ったという。第三者の視点では、複数回の綱引きを経て、トランプ政権が中国との休戦を1年受け入れたことは、トランプ政権の戦略意図が一時的に行き詰まったこと、そして中国の実力と粘り強さを浮き彫りにしたものだとも評されている。
記事によれば、世界第1位の経済体・金融強国・技術大国である米国と、世界第2位の経済体・「第1大工業国」とされる中国は、既に複雑に絡み合った利益関係を有し、莫大な共通利益と広大な協力空間を持つ一方で、それぞれに欠点と賭け金を抱えており、短期間で相手を圧倒することはできないため、長期的には「闘えども破られず」という状態が続くと見られるとしている。
記事は、長期的には貿易戦争は「歴史の長い流れの中の一幕」にすぎず、米中競争のカギは総合実力と人心の向きにあると分析。改革開放以来「平和発展の道」を繰り返し宣言してきた中国にとって、「自らのことをきちんとやり、経済と技術を発展させ、短板を補い、国家ガバナンスの民主・法治・公平・開放の水準を高める」ことが根本なのだと論じている。
さらに、記事はこれが意味するところとして、中国は可能な限り「比較的に平和で安定した外部環境」を維持・争取すべきであり、そうすることで「時間を以て空間を換える」ことができ、実力を蓄え、ガバナンスを改善し続けるべきだと述べた。
記事はまた、「第15次五カ年計画」計画の目標や2035年までに「社会主義現代化を基本実現」する目標に比して、現在の中国に最も必要なのは「平和発展の時間」であり、改革開放以来の現代化事業を延長していくことだと強調している。
そして記事は率直に、中国には多くの急務で補うべき欠点があるとして、国家ガバナンスにおける民主・法治・公平・開放の水準に明確な不足があり、ソフトパワーと世界第2位の経済体という地位、改革開放以来の中国人の増大する新たな要求との間に「深刻なミスマッチ」が存在すると伝えている。また「6億人が毎月1000元人民幣(約2万円)しか収入がない」という現実も指摘され、核心技術が人の手に制約されている状況も根本的に変わっていないとも述べた。
記事は、改革開放以来の中国経済社会の巨大な発展成果は明らかだが、中国が必要としているのは「平和発展の時間」「継続的な努力」「時間を以て空間を換えること」であると締めくくった。
最後に、この記事は、現在の米国からの包囲と抑制の圧力に直面する中国にとって最理性的な選択は、可能な限り米国との「闘えど破られず」の状態を維持し、自ら強化とガバナンス改善を続けることだとし、中国が2035年目標、さらには2049年の「社会主義現代化強国目標」をスムーズに実現できれば、平和発展を通じて米国の包囲圧力を解き、世界の百年に一度の大変局を乗り切ることができると結んでいる。
編集:柄澤南 (関連記事: 21年ぶりの対話なるか 高市首相、北朝鮮に「日朝首脳会談」呼びかけ トランプ大統領も全面支持 | 関連記事をもっと読む )
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