MLBワールドシリーズMVPは山本由伸! 鬼神のごとき防御率1.02、3勝を挙げる大活躍 最終戦では34球で完全封鎖

2025-11-03 12:15
ロサンゼルス・ドジャースの日本人エース、山本由伸がワールドシリーズ第7戦で試合を決定づけ、チームを連覇に導いた(写真/AP通信提供)
ロサンゼルス・ドジャースの日本人エース、山本由伸がワールドシリーズ第7戦で試合を決定づけ、チームを連覇に導いた(写真/AP通信提供)
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2025年11月2日、トロントのロジャース・センター球場は、まるで時間が凍りついたかのような緊張感に包まれていた。観客4万7,000人の息づかいと心拍が、まるでこの壮絶な決戦のBGMのように響く。ホームのトロント・ブルージェイズと、連覇を狙うロサンゼルス・ドジャースによるワールドシリーズ第7戦。試合は延長戦にもつれ込み、ついに、誰も予想しなかった男がブルペンから歩み出た。

その男こそ、178センチとMLBでは小柄ながらも比類なき闘志を持つ山本由伸だった。前日、第6戦で96球を投げ抜き、チームを救ったばかりの右腕が、中0日という異例の登板間隔で再びマウンドに立つ。ファンの間では「MLBなのに甲子園のようだ」と冗談交じりの声も上がった。極限の疲労状態で、果たして山本はトロントの強力打線を抑えられるのか――。

山本が放った34球は、ドジャースをワールドシリーズ2連覇へ導くだけでなく、チームメートの大谷翔平に「彼こそ投手の世界一」と言わしめるほどの圧巻の投球だった。

ロサンゼルスドジャースの日系エース山本由伸がワールドシリーズ第7戦で試合を制し、チームを二連覇へと導いた。(AP通信)
ロサンゼルスドジャースの日系エース山本由伸がワールドシリーズ第7戦で試合を制し、チームを二連覇へと導いた。(写真/AP通信提供)

修羅場の涙:動じぬ投手から感情溢れる瞬間まで

最後のアウトをショートのミゲル・ロハスがダブルプレーで締めくくると、山本の体から一気に緊張が抜け落ちた。彼はガッツポーズをするでもなく、歓喜に沸く仲間たちに囲まれながら、その場に立ち尽くした。捕手ウィル・スミスが彼を抱き上げ、まさに「胴上げ投手」として称えられる。シャンパンの泡が舞い、歓声が轟く中、山本はデーブ・ロバーツ監督と抱き合い、ついに涙が溢れた。

「涙が出ましたね。本当に、久しぶりでした。」

試合後、声を震わせながら話した山本の目には、勝者の安堵と重責から解放された静かな感情が滲んでいた。

山本由伸がワールドシリーズで神懸ったパフォーマンスを見せ、ロサンゼルスドジャースを二連覇に導いた。(AP通信)
山本由伸がワールドシリーズで神懸ったパフォーマンスを見せ、ロサンゼルスドジャースを二連覇に導いた。(写真/AP通信提供)

山本由伸にとってこの涙は、過去のどんな栄光よりも重い意味を持っていた。日本一、東京五輪の金メダル、WBC優勝、そして前年のワールドシリーズ制覇――数々の頂点を経験してきた彼だが、第7戦という極限の修羅場で背負った重圧は次元が違った。背番号18の剛腕は、自らの限界を超え、ほとんど不可能とされた救援登板をやり遂げたのだ。

「まだ投げられる」――山本とロバーツ監督の賭け

時間は第6戦終了後の夜に遡る。先発としての任務を終えた山本由伸に、ドジャースの意思決定層(野球運営社長のアンドリュー・フリードマンを含む)は「中0日で山本由伸がクローザーを務める」という現実的な選択肢を想定していなかった。

時を少し戻すと、第6戦終了直後、ドジャース首脳陣は「中0日登板」は現実的ではないと考えていた。野球運営部門代表アンドリュー・フリードマンは、試合後の会見でこう明かす。 (関連記事: MLBの世界観を日常に ライトオン×ファナティクスの新コレクション「HOME & VISITOR」全国発売 関連記事をもっと読む

「昨晩、Yoshi(山本の愛称)が治療を受けていると聞いた。明日の準備をしているらしいと。しかし正直、登板の可能性は低いと思っていた。ところが彼は再び治療を終えると、こう言ったんだ――『体調はいい。少なくとも1イニングは投げられる。あとはボールがどれだけ持つか次第だ』と。」

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