トランプ・習近平会談直前の林岱樺氏支援が波紋 「非典型の外相」林佳龍氏に再び注目

2025-11-03 15:11
トランプ・習会直前に、林佳龍外相が民進党内派閥「正常国家促進会」のリーダーとして立場を切り替え、立法委員の林岱樺氏を公然と支持したことが波紋を呼んだ。(写真/顏麟宇撮影)
トランプ・習会直前に、林佳龍外相が民進党内派閥「正常国家促進会」のリーダーとして立場を切り替え、立法委員の林岱樺氏を公然と支持したことが波紋を呼んだ。(写真/顏麟宇撮影)
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アメリカのドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席は、10月30日に韓国・釜山で6年ぶりに会談した。会談に先立ち、習主席がトランプ氏に「台湾独立に反対」との明確な表明を迫る可能性が取り沙汰され、米主要メディアは社説で相次いで牽制。台湾政府も緊張感を高めていた。こうした中、台湾の林佳龍外相は前夜、民進党内派閥「正常国家促進会」のリーダーとして、詐取疑惑で起訴されながら高雄市長選出馬に意欲を示す林岱樺氏の支援をSNSで打ち出し、党内外に波紋が広がった。

11月1日に高雄・岡山で行われた集会では、民進党上層部の対応や支持者の反発を受け、党スポークスパーソンの卓冠廷・新北市議や王義川・比例代表議員は登壇を見送った。林外相も別公務のため当初から不参加だった。それでも、会談直前の“支持表明”は、混迷する民進党の高雄市長予備選に火種を投じ、林外相には「派閥優先で国政を顧みない」との批判が噴出。「非典型の外相」とされる就任後のスタイルにも改めて視線が集まった。

川普與習近平在韓國會晤,全程歷時約100分鐘。(取自美國白宮官網)
ドナルド・トランプ氏(左)と習近平国家主席(右)は10月30日、韓国・釜山で会談した。(写真/米ホワイトハウス提供)

会談直前に3度の説明 それでも「外交軽視」批判へと拡大

2026年の統一地方選(九合一選挙)は中央選挙委員会の決定で11月28日に実施される。投開票まで一年以上ある段階から、民進党は前倒しで公認作業を進めてきた。与党が死守を掲げる台南・高雄の「南二都」では立候補の意向者が多く、予備選は2026年1月中旬に行われる予定だ。なかでも4人が名乗りを上げた高雄市長の予備選は、構図が最も複雑とされる。林佳龍氏は10月29日午後9時ごろ、派閥「正常国家促進会」の当夜の会合での合意に沿い、「立ち上がろう、林岱樺を支持する」との投稿を行った。

もっとも、与党寄りの意見リーダー(KOL)やコメンテーターからも、トランプ・習近平会談の前夜に支持を打ち出すのは不適切だとの批判が相次いだ。林氏が派閥運営を優先し、会談や外交案件を軽視しているのではないかという指摘である。これに対し、林氏は同29日も外務省内で公務に追われており、ベリーズの卓巴奈(Louis Zabaneh)憲政・宗教・原住民・交通相、薛霸(Michel Chebat)公共事業・エネルギー・後方支援相との昼食会、在米台湾系の「全米台湾人基督長老教会連合会」宣教団の表敬対応など、予定を消化していた。

関係者によれば、林氏側は投稿が波紋を広げること自体は織り込み済みだったものの、議論が“滑り台”のように加速し、「外交軽視」「会談を顧みない」といった批判にまで拡大することは想定外だったという。関係者は「タイミングは議論の余地があるが、外交は日々回り続ける仕事。林岱樺氏に関する一投稿=会談への無関心という論理は飛躍がある」と指摘。実際、会談前に林氏は少なくとも3度、公の場で「米側と緊密に意思疎通している」「省内でシミュレーションを重ね、米側とも意見交換を行っている」と説明していた。

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