高市早苗首相、APECで“超積極外交”を展開 各国首脳に積極接触 ネットでは賛否両論も

日本の新首相・高市早苗氏がAPEC会議で、チリのガブリエル・ボリッチ大統領と笑顔で言葉を交わす様子が撮影された。(写真/AP Newsroom)
日本の新首相・高市早苗氏がAPEC会議で、チリのガブリエル・ボリッチ大統領と笑顔で言葉を交わす様子が撮影された。(写真/AP Newsroom)
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韓国・慶州で10月31日から11月1日にかけて開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、日本の新首相・高市早苗が異例の存在感を放った。彼女の高い社交性と現場での即時的なコミュニケーションが注目を集め、カメラの焦点となったのである。

10月31日の会議では、隣席のインドネシア大統領プラボウォ・スビアント(Prabowo Subianto)に“椅子を滑らせて”近づき、笑顔で会話を始める様子が映像に捉えられた。翌11月1日には、チリのガブリエル・ボリッチ(Gabriel Boric)大統領と親しげに肩を叩きながら言葉を交わす姿が報じられた。この“超積極的”とも言われる現場対応がSNSで瞬く間に拡散し、ネット上では「ナンパ首相」といった冗談交じりのコメントから、外交マナーに関する真面目な議論まで巻き起こっている。

「椅子スライド外交」注目を浴びた高市首相

10月31日の会議では、高市がプラボウォ大統領の隣に着席。映像では、プラボウォ氏が資料を読んでいる間に高市氏が相手に視線を向け、椅子をわずかに押して近づき、笑顔で話しかける様子が確認できる。プラボウォが気づいて手を合わせて示し、すぐに二人は会話を始めた。

日本の報道によれば、両者の間には言語の壁があった可能性があるものの、高市氏は手振りを交えながら積極的に説明を試み、相手の資料を一緒に確認するなど、会話のリズムを維持したという。

翌日の11月1日には、チリのボリッチ大統領と再び談笑する姿が報じられた。映像では、高市氏がボリッチ氏の肩や腕に手を置きながら近距離で話す様子が映し出され、前日の“現場エネルギー”をそのまま持ち込んだような印象を与えた。

ネットの反応 「社交テロリスト」「関西のオバチャン外交」

この高市氏の行動に対し、日本のメディアやSNS上では賛否両論が広がった。一方では「形式ばった官僚的挨拶から脱却した勇気ある試み」と評価する声があり、「石破茂元首相にはできなかった“ナンパ外交”だ」と皮肉を込めたコメントも寄せられた。一方で、「外交の場での接近はマナー違反では」「過度な積極性は軽率に見える」といった慎重派の意見も目立った。

また、高市氏がアメリカ大統領ドナルド・トランプと接触した際にも、親しげなボディタッチが「馴れ馴れしい」と議論を呼んだ経緯があり、今回の“積極外交”も賛否を含めて注目を集めている。

台湾のSNSでは、「超社交的なE型性格のテロリスト」「会社に一人はいる“お節介なお姉さん”タイプ」「まるで雑談に滑り込むような自然さ」といったユーモラスな反応が相次ぎ、日本のネット上でも「完全に関西のおばちゃん級の社交力」「インドネシア大統領の方が照れてた」といったコメントが拡散された。

関西出身ゆえの「親和力外交」

​一部のネットユーザーは、この行動を「地域文化の違い」として分析している。「関東の人は控えめで、相手の私的な話題を避ける傾向があるが、関西の人は積極的に相手に関心を示す文化がある」との指摘も多く、高市氏の“前のめり”なコミュニケーションは、彼女の生まれ育った関西の社交文化を反映した自然な振る舞いだと見る意見もある。

高市外交の意味:非公式の場で存在感を示す戦略

多国間首脳会議では、リーダー同士の“実質的な接点”が、座席配置やコーヒーブレイク、記念撮影の合間など非公式な場で生まれることが多い。今回、高市氏が自ら近づき、ボディランゲージを交えて対話の壁を下げた行動は、「即行動するリーダー」という印象を与える効果的な演出でもある。

また、インドネシアやチリといった新興経済国の首脳と短時間でも個人的な関係を築く機会を逃さなかった点は、公式会談の時間を確保しづらい中での巧妙な外交戦略とも言える。

ただし、肩に触れるなどの非言語的な接触は、国や文化によって受け止め方が大きく異なるため、注意を要する行為でもある。支持者からは「率直で親しみやすい」と評価される一方で、慎重派からは「不適切」との批判が出る可能性もある。

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