第38回東京国際映画祭が10月27日(月)、東京・日比谷で開幕した。今年も日本国内の映画人をはじめ、海外から多くのゲストを迎え、世界的な映画交流の舞台として華やかなスタートを切った。東京ミッドタウン日比谷のステップ広場から日比谷仲通りに敷かれた全長162メートルのレッドカーペットには、国内外から計263人のゲストが登場し、集まった観客915名と報道陣207名から大きな歓声を浴びた。
オープニング作品『てっぺんの向こうにあなたがいる』からは、トップバッターとして吉永小百合、のん、阪本順治監督が姿を現し、華やかな雰囲気の中で映画祭の幕開けを飾った。続いて、今年のフェスティバル・ナビゲーターを務める瀧内公美がブラックドレスで登場。そのほか、『ナイトフラワー』の北川景子と森田望智、『君の顔では泣けない』の芳根京子と髙橋海人、『兄を持ち運べるサイズに』の柴咲コウと満島ひかり、『佐藤さんと佐藤さん』の岸井ゆきのと宮沢氷魚、『ダブル・ハピネス』の吉岡里帆、『トリツカレ男』の佐野晶哉と柿澤勇人など、次々に話題作の出演者が登場した。
また、『迷宮のしおり』のSUZUKA(新しい学校のリーダーズ)、伊東蒼、齋藤潤や、『スキャンダルイブ』の柴咲コウと川口春奈、『GENERATIONS:The Documentary』よりGENERATIONSメンバーもレッドカーペットに姿を見せた。さらに、エシカル・フィルム賞審査委員長の池田エライザをはじめ、海外からは『母なる大地』のファン・ビンビン、『イン・アイ・イン・モーション』のジュリエット・ビノシュ監督、コンペティション部門審査委員としてグイ・ルンメイなどが参加し、多彩な顔ぶれが会場を盛り上げた。
レッドカーペット終了後、東京宝塚劇場に会場を移してオープニングセレモニーが実施された。ステージには瀧内公美が登壇し、「デビュー当時から足繁く通ったこの映画祭のナビゲーターができて光栄です。今日から10日間、映画をお楽しみください」と挨拶。今年新設された「アジア学生映画コンファレンス」にも期待を寄せ、「皆様と映画の魅力を分かち合えますと幸いです」と語った。
クロストークに登場したジュリエット・ビノシュ監督は、「Go For It. 精一杯突っ走ってください。自分自身の独立した考えを持ち、情熱を持って芸術に勤しむことが大切です」と来場者へエールを送った。続いて、井野俊郎・経済産業省経済産業副大臣による祝辞が述べられた後、コンペティション部門国際審査委員が紹介された。
審査委員長のカルロ・シャトリアンは、「映画を愛する誰しもにとって大事な国である日本に来られて嬉しいです。それぞれ違うバックグラウンドを持つ審査委員が集まり、会期中にお互いや世界を深く知ることができる豊かさを映画祭がもたらしてくれるでしょう」と意気込みを語った。
オープニング作品『てっぺんの向こうにあなたがいる』の阪本順治監督は、「オープニングに選ばれるのは初めてでありがたいです。本作は山の映画であり家族の映画であり人生の映画です。先入観なく観ていただきたい」と語り、吉永小百合は「特別功労賞をいただき、ありがとうございます。これからも一歩一歩映画の道を歩いていけたらと思います」と感謝の意を表した。共演ののんは、「この場にお二人と立てることが嬉しいです。皆さんにじっくりご覧いただきたい」と語った。
最後に安藤裕康チェアマンが「約270名の方がカーペットを歩き、去年より3割増です。映画祭のチケットの売れ行きも順調です。第38回東京国際映画祭、開幕でございます」と力強く宣言し、会場は大きな拍手に包まれた。
映画祭は11月5日(水)までの10日間、日比谷、有楽町、丸の内、銀座エリアを舞台に184本の作品を上映予定。映画人と観客が交わる場として、今年も多くの感動と議論が生まれることが期待されている。
編集:柄澤南 (関連記事: 第38回東京国際映画祭が10月27日に開幕 特集「台湾映画ルネッサンス」に4作品選出 台湾の新鋭監督が来日へ | 関連記事をもっと読む )
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