トップ ニュース トランプ氏、空軍一号で「レアアース警報解除」を宣言 米中は「歴史的合意」と主張するも台湾には触れず
トランプ氏、空軍一号で「レアアース警報解除」を宣言 米中は「歴史的合意」と主張するも台湾には触れず 2025年10月30日、米国大統領トランプ氏と中国国家主席習近平氏が韓国・釜山で会談した。(美聯社)
世界の注目を集めた釜山でのトランプ・習会談は、約100分の非公開協議で幕を閉じた。米中は共同声明を出さず、トランプ氏が帰国途上のエアフォースワン上で一方的に「歴史的合意に達した」と発表した。
会談終了時のライブ映像では、トランプ氏と習近平氏が笑顔で会場を後にし、最後の握手の際にトランプ氏が耳元で何事かをささやく様子が映った。公式コメントは出されないまま、同氏は厳重な警備に囲まれてエアフォースワンに搭乗し、ホワイトハウスのハロウィン行事へ。ホワイトハウスも直ちには声明を出さなかった。
各国メディアやアナリストが「曖昧な合意」に留まるとの見立てを示す中、トランプ氏は機内で同行メディアに向けて非公式に「合意」を表明。自らニュースの議題設定を行う、同氏らしい手法が際立った。
2025年10月30日、米国大統領トランプ氏がアジア訪問を終え、韓国からエアフォースワンで米国に帰国。(AP通信)
トランプ氏は「素晴らしい会談だった。合意に達した」と述べ、米中間で1年期限の貿易協定が成立し、延長も可能だと説明。米国は中国製品への懲罰的関税を57%から47%へ引き下げる方針とし、来年4月に自身が訪中、その後に習氏の訪米も見込まれるとした。さらに、北京が“切り札”とみられてきたレアアース輸出管理について「解決した」と強調した。
同氏は、中国が大豆など農産物の大口購入を開始した点を挙げ、「善意の強い表れだ」と評価。加えて、習氏がフェンタニルの対米流入を厳格に抑制すると約束したとして、フェンタニル関税を20%から10%へ引き下げ、即時適用すると発表した。
最も注目度の高い台湾については「会談で取り上げられなかった(Taiwan never came up)」と述べるにとどめ、一方でウクライナ問題の解決に向け習氏と連携すると強調。中国の新華社や中央テレビは、トランプ氏の主張を裏付ける報道を出していないが、同氏が列挙した「重大な前進」は、会談前の慎重・悲観的な予想との落差を生んだ。
市場の反応は限定的 ロイターによれば、トランプ氏の「重大な合意に達した」との発言は、緊張緩和を見込む金融市場に一時的なインパクトを与えたものの、ワシントンと北京を追ってきた関係者には不快な“既視感”を呼び起こしたという。ロイターのコラムニスト、ジェイミー・マクギーファー氏は、市場に対し「合意」への過度な楽観を戒め、歴史が繰り返されている可能性に言及した。実際、今年6月11日にもトランプ氏は「中国との合意は成立し、習近平国家主席の最終承認待ちだ」と投稿し、「二国間関係は非常に良好だ」と強調していた。
しかし、米中貿易戦のその後の推移は、同氏の言う「合意」が実体を伴わなかったことを示し、「非常に良好」とされた関係も、ほどなく追加関税や制裁に置き換えられた。こうした経緯は、今回の釜山での発言を評価する上での重要な視点となる。トランプ氏が意図したか否かにかかわらず、交渉の部分的進展を最終合意のように見せることで、国内支持の引き上げや市場心理の安定を狙った可能性は否定できない。中国側の公式見解が示されるまで、断定は難しい。
2025年10月30日、米国大統領トランプ氏と中国国家主席習近平氏が韓国釜山で「トランプ・習会談」を開催した。(AP通信)
台湾問題が釜山の「トランプ・習会談」で取り上げられなかった点について、海外メディアは三つの解釈を示す。第一に、通商面で望む合意を優先するため、敏感な台湾問題を意図的に避け、北京からの譲歩を引き出した可能性。第二に、実際には台湾を協議したものの、政治的配慮からトランプ氏が否定した可能性。第三に、台湾をめぐる非公式の了解が存在し、その内容が外部に明かされていない可能性である。
もっとも、トランプ氏の“単独宣言”は北京側の確認がないまま市場に波紋を広げた。交換条件の一つとされた米国産大豆の先物は上昇せず、むしろ軟化。アジア主要指数から欧州先物まで値動きは神経質で、「合意」の真偽や持続性に投資家の疑念がにじむ。中国経済の晴雨表とされる上海総合指数(.SSEC)も、「良いニュース」の直後に10年ぶりの高水準から反落し、中国投資家の受け止めが限定的であることが浮き彫りになった。
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