アメリカのドナルド・トランプ大統領が最近アジアを歴訪し、日本と韓国という2つの主要同盟国が、それぞれ最高レベルの礼遇と外交的誠意を示すため、独自の「国賓外交」を展開した。高市早苗首相は「安倍カード」を切り、ゴルフ愛好家のトランプ氏に合わせて特製ゴルフ用品を贈呈。一方、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は、最高位の勲章「無窮花大勲章」と古代金冠の模型を贈り、文化的自信と歴史的誇りをアピールした。
日韓両国がそれぞれ選んだ「贈り物」の背後には、異なる外交戦略と文化的メッセージが込められている。
韓国が示した「最高の敬意」 無窮花大勲章の意味とは?
韓国のKBSニュース(29日報道)によると、李在明大統領とトランプ大統領の首脳会談は慶州国立博物館で開催された。韓国側は最大限の誠意と敬意を表すため、盛大な歓迎式典と記念行事を用意。その場で授与されたのが「無窮花大勲章(ムグンファ大勲章)」である。
これは韓国における最高位の国家勲章で、外国要人に対して授与される最上級の栄誉を意味する。なお、台湾の蒋介石元総統と宋美齢夫人も、1966年に同勲章を受章している。
特製金冠モデルが象徴する「韓国の文化的自信」
さらに韓国側は、特製の金冠模型を外交贈答品として準備した。これは古代三国時代の「新羅王朝」の金冠を原型としたもので、精巧な金工技術で知られる新羅文化の栄光を象徴している。
金冠は韓国史において王権と威厳の象徴であり、この模型は、外賓への敬意と文化交流への誠意を込めたものだという。王冠の頂部には「出字形」と「鹿角形」の装飾があり、これは天と地の調和を意味する。また、垂れ下がる金鎖や勾玉は、王権と神聖性を表している。
日本は「安倍カード」とゴルフ外交でトランプ氏をもてなす
28日、日本の高市早苗首相は東京都港区の迎賓館でトランプ大統領を出迎え、笑顔で英語で語りかけた。「ミスター・プレジデント、日本へようこそ」。高市首相が贈ったのは、故・安倍晋三元首相の愛用パターと、日本のゴルフ界を代表する松山英樹選手のサイン入りキャディバッグだった。
安倍氏とトランプ氏の親交は深く、トランプ氏はかつて「彼は私の親友の一人」と語っている。高市首相のこの「安倍牌」は、トランプ氏の心をつかむ“象徴的ジェスチャー”となった。また、高市首相は来年のアメリカ建国250周年を記念し、日本からワシントンD.C.に250本の桜を寄贈し、さらに秋田県の花火をアメリカ独立記念日に打ち上げる計画を発表した。日米の絆を象徴する文化交流イベントとして注目されている。
贈り物の裏に潜む政治・経済メッセージ
単なる友好の証にとどまらず、今回の贈答には政治的・経済的意味も込められている。高市首相とトランプ氏は、黒地に金文字で「Japan Is Back(日本は戻ってきた)」と刺繍された野球帽にそれぞれサインを入れた。このフレーズは、トランプ氏のスローガン「America Is Back(アメリカは戻ってきた)」を意識したものだ。
また、28日夜には、トヨタ自動車、三菱商事など数十社の日本企業の経営幹部がトランプ氏と面会。対米投資拡大の姿勢を示し、トランプ氏が重視する「ディール(取引)外交」への積極的な支持を打ち出した。
編集:梅木奈実 (関連記事: トランプ氏、高市首相と空母ジョージ・ワシントンに登艦 空母で「トヨタを買おう!」と呼びかけ 日米同盟「新たな黄金時代」に突入へ | 関連記事をもっと読む )
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