アメリカのドナルド・トランプ大統領が27日午後、第二次政権発足後初めて日本を訪れる。2019年以来、約6年ぶりの来日となり、天皇陛下との会見や高市早苗首相との初の首脳会談に臨む予定だ。日本側は公式実務訪問賓客として国を挙げて迎え入れ、両国の経済・安全保障関係の強化を図る。
皇居で天皇陛下と会見、高市首相とは28日に会談
トランプ大統領は、アジア歴訪の最初の訪問地マレーシアを出発し、27日夕に羽田空港に到着後、皇居で天皇陛下と会見する。翌28日午前には東京・元赤坂の迎賓館で高市早苗首相と会談し、昼食を共にする予定だ。会談の主要議題は、日本の防衛費増額、対米投資、通商協定の履行確認とされる。
高市首相は就任後初の首脳外交に臨むことになり、トランプ氏との個人的信頼関係の構築が焦点となる。首相は27日朝にマレーシアから帰国し、「大切な同盟国との関係を一層強化していきたい」と述べた。政府関係者によれば、高市首相は会談で防衛費をGDP比2%まで前倒しで引き上げる方針を説明する見通しで、トランプ政権との安全保障連携の深化を図る意向だ。
日米同盟の象徴・横須賀基地を訪問
両首脳は会談後、大統領専用ヘリ「マリーンワン」で神奈川県横須賀市の米海軍基地に移動し、原子力空母「ジョージ・ワシントン」を視察する予定。自衛隊艦船も近くに並べられ、強固な日米同盟を内外にアピールする。夕刻には都内で財界関係者を招いた夕食会が開かれ、トヨタ自動車の豊田章男会長らも出席予定。約80兆円規模の対米投資計画の進捗確認と、民間協力強化の方針が示される見込みだ。
トランプ大統領は来日前、自身のSNSで「今から日本だ」と投稿し、外交日程に意欲を見せていた。前日には自身の仲介によりタイとカンボジアの和平合意が成立したことも強調している。
東京は過去最大級の警備態勢 1万8000人を動員
一方、首都圏ではトランプ大統領の来日に合わせ、警視庁が過去最大規模となる約1万8000人態勢の特別警備を実施している。テロや不審物への警戒を強化するため、JR品川駅など主要駅では警察犬を動員。港区のアメリカ大使館周辺では車両検問や監視を徹底している。
首都高速道路や都心部の一般道では一時的な交通規制が行われ、電光掲示板には「要人来日 都内規制有」との警告が表示されている。
警察関係者によると、今回の警備は「過去最高レベル」であり、ローンオフェンダー(単独犯)によるテロへの対策としてSNS上の危険投稿も監視対象に含まれる。ドローン攻撃を想定した電波妨害(ジャミング)装置を備える部隊も配置され、万が一に備えて「緊急時対応部隊(ERT)」が待機する。
警視庁は「異常を感じた場合は迷わず通報してほしい」と市民に協力を呼びかけている。
「多層的な日米関係の再構築」に期待
今回の訪日は、トランプ政権2期目のアジア政策を占う試金石とされる。日本政府は、米中対立が続く中での「経済安全保障同盟」の深化を重視しており、半導体、レアアースなど重要物資の供給網強化や、自由で開かれたインド太平洋構想(FOIP)の推進を共に確認する方針だ。
アナリストは、「トランプ氏の再登板によって日米関係は再び実利主義の段階に入る」と指摘しつつ、「今回の会談で防衛・通商・投資の三本柱が再構築されるかが焦点」と分析している。
編集:梅木奈実 (関連記事: トランプが過去最大に台湾に近づく瞬間!アジア歴訪を徹底解剖:ホワイトハウス復帰後初の東アジア訪問で、どの国を訪れるのか、各国の期待とは? | 関連記事をもっと読む )
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