プロ野球のドラフト会議が10月23日、東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪・国際館パミールで行われ、各球団が1位指名を発表した。福岡ソフトバンクホークスは米スタンフォード大学の内野手・佐々木麟太郎(20)を、阪神タイガースは創価大学の内野手・立石正広を、読売ジャイアンツは鷺宮製作所の投手・竹丸和幸を指名した。

ソフトバンクは横浜DeNAベイスターズとの2球団競合の末、抽選で交渉権を獲得。くじを引き当てたのは、球団CBO(チーフ・ベースボール・オフィサー)の城島健司氏(49)だった。くじを開けた瞬間、城島氏は王貞治球団会長のテーブルを振り返り、力強くガッツポーズを見せた。
城島氏は「(王)会長のプレッシャーが半端なかったので良かったです。彼の場合は特殊で来季の頭からすぐとはいかないけど、そのリスクを背負ってでも魅力のある選手。日本とアメリカとどちらを選ぶかは尊重しています」とコメント。
さらに「ぜひ縁があれば、九州の豪快な野球にあなたの力が必要です。一緒にやりましょう!」と熱く呼びかけた。城島氏にとって今回が初のドラフト会議参加となった。

阪神:藤川監督「立石は昨年から決めていた」
阪神は創価大の立石正広を1位指名し、広島東洋カープ、日本ハムファイターズとの3球団競合を制して交渉権を獲得した。藤川球児監督(45)は「本当に喜んでいます」と語り、「昨年のドラフトのときから、今年はもう立石くんで、というのはほとんど決めていた状態でしたから、本当に実現しました」と明かした。
さらに「全国のタイガースファンと野球少年たちの夢になる選手ですから、ホッとしています」と語り、能力を高く評価した。
「今年のドラフトでは間違いなくナンバーワンのスイングスピード、それから自分たちのチームにとってのスイングの軌道、これも完璧。それから走力、ベースランニング、それから守備での肩。野球技術がすべて含めて素晴らしく、それから、ご両親のもともと持って生まれた、たぐいまれなエキスですね、それにも非常に期待する部分が多くて、私たちにとっては一番の選手でしたから、すべてがきょうこの時点では完璧な選手です」と絶賛した。
また、若手選手たちに言及しながら「たくさん、同世代にいま、タイガースにも若い芽が出てきています。必ず持っている能力を私が開花させますから、安心してきてもらえれば大丈夫です」と力を込めた。
「立石選手、本当にご縁があったと思います。野球の聖地である甲子園球場、あなたのそのプレーのレベルを引き上げていく。どれだけ高い目標を持ってもかまいません。私もたくさんの違う世界に挑戦しましたから、夢は広がるばかりですから、努力を惜しまずやっていけば必ずやっていけると思います。きょうから努力を始めましょう、またね」とエールを送った。

巨人:阿部監督「抽選しなくてよかった」
巨人は鷺宮製作所の左腕投手・竹丸和幸(179センチ、73キロ)を単独指名。最速152キロの直球を武器に、スライダー、カーブ、カットボール、チェンジアップを自在に操る。
阿部慎之助監督は「抽選しなくてよかったです」と胸をなでおろし、「先発が課題でしたし、何とかローテーションに入ってほしい、即戦力という位置づけで、僕たちも見ていました。本当に早く(チームに)入って、ドームで活躍してくれるのを心待ちにしています」とコメントした。
また、「全てのボールがいいですし、右(打者)に投げるチェンジアップだったりストレートの質も素晴らしい。プロに入っていろんなことを磨いて、球界を代表するピッチャーを目指してほしいですね。ローテーションに入って欲しいと思って、獲得に動きましたので、そのつもりで頑張って欲しいですね」と期待を寄せた。
編集:梅木奈実 (関連記事: プロ野球ドラフト会議2025 ソフトバンクが佐々木麟太郎の交渉権獲得 DeNAとの競合制す 創価大・立石正広は3球団争いで阪神へ | 関連記事をもっと読む )
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