ガラスの天井を打ち破った高市早苗氏、日本初の女性首相に 「鉄の女」が直面する経済と外交の試練

2025-10-22 15:25
2025年10月21日、高市早苗氏が日本の首相に選出された。(写真/AP通信提供)
2025年10月21日、高市早苗氏が日本の首相に選出された。(写真/AP通信提供)
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10月21日、参議院と衆議院で首相指名選挙が行われ、自民党の新総裁である高市早苗氏(64)が第104代内閣総理大臣に正式に選出された。日本が1885年に内閣制度を導入して以来、憲政史上初めて女性が国家のリーダーに就任した。長年、男性が支配してきた政界においてガラスの天井を打ち破る歴史的な出来事となり、多くの国民が「日本の新時代」の幕開けを期待している。

高市氏は、故・安倍晋三元首相の最も忠実な継承者として知られ、強硬かつ率直な姿勢、そして明確なナショナリズム志向の政治スタイルで注目されてきた。英誌『エコノミスト(The Economist)』は、「高市氏の台頭は、インフレ圧力、外交環境の変化、そしてポピュリズムの台頭という複合的な難題に直面する日本に大きな衝撃を与える」と評している。

かつてヘビーメタルバンドのドラマーとして活動していた異色の経歴を持つ高市氏は、首相就任直後から組閣作業に着手。夜には首相官邸で記者会見を開き、新政権の基本方針と政策ビジョンを説明する予定だ。世界の注目が集まるなか、「日本の鉄の女」と呼ばれる高市氏がどのように舵を取るのか。日本が新たな未知の航路へと踏み出す瞬間を迎えている。

新内閣始動:維新との「閣外協力」で政治実験スタート

短命に終わった石破茂政権を経て、日本の政界は10月21日、歴史的な転換点を迎えた。自民党新総裁の高市早苗氏(64)が国会での指名投票を経て、第104代内閣総理大臣に正式就任。日本憲政史上初の女性首相が誕生した。長年、女性の政治参加を阻んできた「ガラスの天井」はついに打ち破られた形だ。

高市氏の誕生を受け、市場は「高市トレード」とも呼ばれる高揚感に包まれた。日経平均株価は一時、史上初となる5万ポイント目前まで上昇し、資本市場が掲げる「サナエノミクス」への期待の高さを如実に示した。

同日午前、任期386日で幕を閉じた石破茂内閣は、臨時閣議で総辞職を決定。戦後24番目の短命政権としてその歴史に名を残した。石破氏は午前9時、首相官邸での退任会見で次のように語った。「少数与党という厳しい状況の中でも、真摯かつ慎重に各党と対話を重ね、主権者である国民に誠実に向き合ってきたつもりです。」

正午すぎ、官邸を離れる際には職員約100人の拍手に見送られ、花束を受け取った石破氏は次のように述べた。「法案、条約、予算のいずれも滞りなく成立し、国会は一度も空転しなかった。内政・外交ともに、進むべき道筋を築けたのは、関係者の尽力のおかげです。」

石破氏は新政権への期待も語り、「分断ではなく連帯を、対立ではなく寛容を重んじる政権であってほしい」と述べ、「国民一人ひとりに謙虚で誠実に対話する政治を目指してほしい」と強調した。笑顔を見せつつも、「石破カラー」を十分に発揮できなかった無念さがにじんだ。国民民主党の玉木雄一郎代表も「石破首相の個性に対する期待は大きかったが、それを発揮しきれなかった点は残念だ」とコメントした。

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