一本の電話で政局が動いた 高市早苗×吉村洋文 「自維連立」誕生の舞台裏

2025-10-21 12:45
2025年10月4日、高市早苗氏が自民党総裁選挙に勝利し初の記者会見を行う。(写真/AP通信提供)
2025年10月4日、高市早苗氏が自民党総裁選挙に勝利し初の記者会見を行う。(写真/AP通信提供)
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日本の与党・自由民主党と野党第2勢力である日本維新の会は、数日にわたる水面下での集中的な協議を経て、20日、実質的な合意に達し、連立政権を樹立する方針を正式に固めた。

この政治的提携は、高市早苗氏を日本の憲政史上初となる女性首相の座に押し上げる可能性を極めて高めたばかりでなく、保守勢力のかつてない規模での結集という歴史的な転換点を示している。

「共に日本を前へ」一本の電話で決まった政治的提携

日本維新の会の共同代表であり大阪府知事でもある吉村洋文氏は、20日午前に大阪市で開かれた記者会見で次のように語った。「昨日の常任役員会で一任を受け、熟慮の末、今朝、高市総裁に直接電話をかけました。『我々は連携に同意します。共に日本を前進させましょう』と伝えました。」吉村氏のこの電話が、日本の今後の政治の行方を左右する「自維連立」への決定打となった。

両党首が国会で正式署名、日本初の女性首相誕生へ 「自維連立」で政局に新局面

両党が発表した日程によると、自民党総裁の高市早苗氏と日本維新の会代表の吉村洋文氏は、20日午後6時に国会内で党首会談を行い、連立政権の合意文書に正式に署名する予定だ。この文書には、両党が今後進めていく政治協力の具体的な方針や約束が盛り込まれる見通しである。

また、日本維新の会は同日午後、両院議員総会を開催。共同代表の藤田文武氏は「本日、自民党との政策協議がすべて合意に達しました。日本の政治を変え、国民生活を改善し、『日本再興』を実現するため、結束して連立政権を樹立します」と表明した。さらに、21日に召集される臨時国会で行われる首相指名選挙において、全議員が自民党総裁・高市早苗氏に投票することを全会一致で決定した。

自民党が衆議院で多数を占め、さらに維新の会の議席を加えたことで、高市早苗氏の首相就任は事実上、確定的となった。この結果、日本はついに憲政史上初となる女性首相を迎えることになる。

維新の「絶対条件」に潜む思惑とは? 高市政権が直面する改革の代償

日本維新の会と自民党の電撃的な連立合意の背後には、維新が国会で握る「キャスティングボート」を最大限に活かした、いわば「絶対条件」ともいえる政策取引が存在する。藤田文武共同代表が記者会見で明らかにした合意の主要項目は、同時に高市政権の改革方向をも示している。

議員定数の削減 吉村洋文氏が譲らなかった「最重要条件」

まず第一に掲げられたのが、衆議院議員定数の削減である。吉村洋文氏が最も強く主張したこの条件について、双方は「本臨時国会中に関連法改正を進め、衆議院議員定数を1割削減する」ことで正式に合意した。 (関連記事: 歴史的瞬間 日本初の女性首相・高市早苗氏が第104代首相に就任 自民・維新連立で新政権発足 関連記事をもっと読む

吉村氏は記者会見で、「かつて旧民主党は国民に対し、大幅な定数削減を約束したが、結果的に実行しなかった。私はそうした政治を最も嫌う」と強調した。もっとも、法改正には他党の賛同が不可欠であり、立憲民主党など野党勢力に対する圧力の意味合いも含まれているとみられる。

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