台北メトロには多くの路線が存在するが、その中でも最も利用者に馴染み深いブルーライン(板南線)に、「伝説のルート」と呼ばれる極めて珍しい列車が存在する。長年の乗客でもなかなか遭遇できないこの「昆陽区間車」が、どのような条件で走行し、どこへ向かうのか。台北メトロ(台北捷運)の公式Facebookがその詳細を明かし、通勤客の間で「まさか自分が乗っていたとは!」と驚きの声が相次いでいる。
一日10本未満の超レア列車 終点は「昆陽駅」ではない?
台北メトロの公式Facebook「台北捷運 Metro Taipei」は最近の投稿で、「ご存じですか?よく見かける“亞東医院”“北投”“台電大楼”行きの区間車以外に、実はブルーラインには“昆陽区間車”という伝説級の珍しい路線があるんです」と紹介した。

投稿によると、この「昆陽区間車」は“運が良ければ出会える”存在であり、1日の運行本数は10本に満たない。ほとんどは朝のラッシュ時に限定運行され、通勤混雑の緩和や線路配置上の制約に対応するための特別ダイヤとして設定されているという。
さらに注目すべきは、その終点の扱いだ。一般の区間車と異なり、昆陽駅に到着してもすぐには折り返さず、車掌の指示で全乗客が下車した後、列車は“謎の場所”とされてきた「南港機廠」(南港基地)へと回送される。
台北メトロの説明によると、この列車は任務を終えた後、南港基地に入庫し、次の出庫時刻まで待機するという。
通勤客の間で「乗れたらラッキー!」と話題沸騰
投稿が公開されると、すぐにSNS上で大きな反響を呼んだ。多くの通勤者がコメントを残し、「朝この列車を見たら笑えない、多くの人がいるって意味だ」、「初めて乗った時は気づかず、昆陽駅の放送で降りるって言われてびっくりした」、「この列車が現れるのは通常、列車が車庫に戻るっていう時」などと述べている。
この投稿が公開されると、SNS上では瞬く間に話題となった。通勤客からは次々と体験談が寄せられ、「朝これに当たると笑えない。混みすぎのサインだよ」「初めて乗ったとき、昆陽駅で“全員下車”のアナウンスを聞いて本気で驚いた」「この列車は車庫に戻る合図だと思ってた」といったコメントが相次いだ。
一方で、“レア列車”を乗りこなす熟練通勤者も登場。「いや、2日に1回は乗ってるよ。だいたい忠孝新生駅で8時37分か8時47分に来る」と、時刻まで正確に報告する声も見られた。
また、古くから台北を知る利用者からは懐かしむ声も。「南港駅がまだ開通してなかった頃は、昆陽が終点だった。今ではラッシュ時か回送列車でしか見られないね」とのコメントには、北捷公式アカウントも「その通り!詳しいですね」と返信し、共感を示していた。
編集/佐野華美 (関連記事: 日本家屋を活かして再生 台湾・桃園文学館オープン 旧市街を歩き、百年の文学時空をめぐる | 関連記事をもっと読む )
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