「トランプの宿敵」ボルトン前補佐官を起訴 機密「日記ゲート」で最長10年刑の可能性

2025-10-17 13:45
ボルトン氏(右)とトランプ氏(左)。(写真/AP通信提供)
ボルトン氏(右)とトランプ氏(左)。(写真/AP通信提供)
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強硬な外交スタンスで知られ、台湾にも友好的な立場を取ってきたトランプ前政権の国家安全保障担当大統領補佐官(国家安全保障顧問)ジョン・R・ボルトン氏が、国家機密情報の不適切な取り扱いにより、米メリーランド州の連邦大陪審により16日付で18件の罪に問われた。ホワイトハウスの中枢を担った元高官が、今や最長10年の懲役刑に直面している。このニュースは『ニューヨーク・タイムズ』や『ワシントン・ポスト』など主要メディアのトップニュースとして報じられた。

「日記ゲート」の内幕 個人メールと暗号通信で家族に機密情報を送信

26ページに及ぶ起訴状によると、ボルトン氏は2018年から2019年にかけて国家安全保障顧問を務めていた当時、AOLやGoogleの個人メールアカウント、さらには暗号化通信アプリを使用し、安全保障上の認可を持たない家族2人に対し、ホワイトハウスでの日常を克明に記した「日記」1,000ページ以上を送信していたという。その日記には、単なる業務記録を超え、「トップシークレット(最高機密)」に分類される国防関連の情報が含まれていた。

この件が報じられた後、ボルトン氏の元上司であるドナルド・トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に対し、「彼は悪い奴だ(He’s a bad guy)。それだけだ」と冷ややかに言い放った。

暗号通信アプリに残された「スパイ映画のような会話」

起訴状の中で最も注目を集めたのは、ボルトン氏と家族の間で交わされた暗号通信アプリ上の会話だ。検察によると、ボルトン氏がホワイトハウス入りした翌日の2018年4月から、3人は暗号化されたメッセージアプリを使用し始めた。家族の一人が「なぜ今これを使うの?暗号化だから?」と尋ねると、もう一人が「そうだ」と答え、ボルトン氏は「将来の日記のためだ!!!!(For Diary in the future!!!!)」と興奮気味に送信していたという。

この多重の感嘆符だらけのメッセージは、後のトラブルを暗示していた。その後、ボルトン氏は20〜50ページに及ぶ複数の文書を家族に送信。国家安全保障顧問としての体験をまとめた24ページの文書を送った際には、「これらのことは何も話してないよ!!!(None of which we talked about!!!)」とメッセージを添え、受信者の家族は「シーッ(Shhhhh)」と返信したという。

これらのやりとりは一見冗談めかしているが、検察側は「機密情報を出版目的で私的に流用する明確な意図の証拠」と主張。ボルトン氏ら3人が違法性を十分理解しながら行為に及んだとみている。 (関連記事: トランプ氏、米中首脳会談で「台湾取引」か 米専門家が警鐘「習近平の思惑通りに」 関連記事をもっと読む

イランのハッカーが挑発「共和党版ヒラリー・メール事件だ」

起訴状はさらに、ボルトン氏が日記を送信するために使用していた個人メールアカウントが、イラン政府系のハッカーに侵入されていた事実も明らかにした。ハッカーは2021年7月25日にボルトン氏宛てに挑発的なメールを送り付けたという。

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