トップ ニュース 台湾エバー航空で勤務中のCAが帰国後に死亡 社内体質への批判広がる「休めない文化が命を奪った」
台湾エバー航空で勤務中のCAが帰国後に死亡 社内体質への批判広がる「休めない文化が命を奪った」 最近、エバー航空の客室乗務員が便の乗務中に体調不良を訴え、その後、帰台してから入院するも亡くなった。(写真/王仁邑提供)
台湾のエバー航空で、勤務中に体調不良を訴えた女性客室乗務員が帰国後に死亡するという痛ましい事件が起きた。
複数の関係者によると、この乗務員はフライト中に何度も体調不良を訴えていたが、当番の客室乗務長は機上衛星医療システム(Medlink)を即時に利用せず、車椅子や救急支援の手配も行わなかったという。台湾に帰国後、病院に搬送されたが容体は悪化し、10月11日に亡くなった。
エバー航空は13日、「同僚の死に深い哀悼と無念の意を表します。会社はご遺族と継続的に連絡を取りながら、事実関係を早急に明確にし、今後の支援に全力を尽くす」との声明を発表した。
内部告発が明かす、フライト中の衝撃的な対応 同僚の客室乗務員がSNS「Threads」に投稿し、流出したグループチャットのスクリーンショットに基づいて、当時の機内の様子を告発した。 投稿によると、亡くなった乗務員はミラノ出発時点から体調不良を訴えており、客室乗務長や管理職にも報告していたが、医療的な支援は受けられなかった。 目的地到着後も症状は悪化し、復路では一時的に歩けなくなるほどだったが、それでも食事の配膳を続けるよう指示されたという。
投稿者は、「乗務員たちは何度も車椅子や救急支援を要請したが、客室乗務長は様々な理由をつけて対応を遅らせた。震えて毛布をかけている状態でも、上司が対応を妨げた」と明かす。
台湾到着時、亡くなった先輩乗務員は苦しそうに歩き、最後の乗客の後を追うようにゆっくり降機していた。投稿者が「車椅子を使って休みませんか」と声をかけたが、先輩は弱々しく「CP(客室乗務長)は呼ばないと言った」と答えたという。別の乗務員が支援しようとした際、客室乗務長は冷たく「毛布、まだかけているの?」と声をかけたとされる。
投稿者によれば、先輩は「もう降機するから大丈夫」と痛みをこらえながら答えたが、階段を降りるたびに苦痛で震え、声を上げていたという。 投稿者は地上スタッフに救急車の手配を頼んだところ、「すぐ呼べば大丈夫」と言われた。しかし客室乗務長がそれを聞くと、「呼べるけど、救急車が自費だと彼女は知ってる?確認した?」と発言。 先輩が「保険に入っています」と答えると、乗務長は「それでも自費ですよ」と繰り返したという。
「休めない文化」が悲劇を生む 投稿者は、「この悲劇は一度きりの偶発的な事故ではなく、会社が長年にわたり従業員の健康を軽視してきた結果だ」と強調した。
さらに、「この管理文化が従業員を病気や休暇を恐れるようにしている。それは名誉ではなく、プレッシャーだ」と訴えた。「会社の制度は合法だが、合理的ではない。非人間的だ」とも述べ、航空会社に対し「真の“Skytraxベスト航空”とは人間を大切にすることだ」と呼びかけた。
労組が調査・改革を要求 桃園市客室乗務員職業組合の周聖凱事務局長(エバー航空企業工会顧問)は、亡くなった乗務員が9月末のミラノ便勤務中から体調を崩し、帰国後すぐ入院、国慶節連休中に亡くなったと明らかにした。 「もし客室乗務長の対応が遅れたことが事実なら、職場いじめや職務怠慢にあたる」と述べた。
周氏は、「客室乗務員は高圧的な勤務環境と不規則なシフトにさらされ、高高度・時差・紫外線の影響で免疫力低下を起こしやすい」と指摘。「本当に『ベスト航空』を目指すなら、労働環境の改善から始めるべきだ。従業員が安心して休暇を取り、助けを求められるようにすることが、命への最低限の尊重だ」と語った。
労組はエバー航空に対し、懲罰的な勤務評価制度を改め、出勤を「奨励型評価」に転換するよう求めている。
エバー航空の公式コメント エバー航空は、「同僚の死に深い哀悼と無念の意を表します。入院中も家族と密に連絡を取り、会社として最大限の支援を行ってきました」と述べた。
また、「現在、社内調査を進めており、事実関係を速やかに明らかにする」と説明。「今後、遺族が必要な手続きを円滑に進められるよう、会社として全面的に支援していく」との立場を示した。
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