高市早苗氏、首相挑戦に暗雲、邱毅氏が指摘した3つの致命的問題とは

日本自民党総裁の高市早苗氏、首相の座への挑戦に不確定要素。(写真/AP通信提供)
日本自民党総裁の高市早苗氏、首相の座への挑戦に不確定要素。(写真/AP通信提供)

公明党が連立政権を離脱し、日本の政治地図に変動が生じる中、自民党の新総裁・高市早苗氏が首相挑戦を目指す計画に変数が生じた。台湾の前立法院議員の邱毅氏は、高市早苗氏が前首相の麻生太郎氏の支援を受けて自民党総裁に選ばれたものの、麻生氏の操り人形となり、黒金問題を振り払えず、評価が大きく落ち込んだと指摘している。その結果、野党側では、国民民主党の玉木雄一郎党首を首相挑戦の有力候補として推す動きが出てきている。

邱毅氏はFacebookにて、高市早苗氏が自民党総裁に選ばれた時には笑顔を見せていたが、現在は頭を抱えているとし、その理由を三つ挙げた。まず第一に、高市氏が麻生氏の支配下にあり、改革はおろか、黒金の問題から逃れられないことが挙げられる。邱氏は、高市氏が総裁に選ばれたにも関わらず、麻生氏の影響を受け、麻生氏の弟婿である鈴木俊一氏が幹事長に任命されたことを指摘。このような状況では、高市氏は麻生氏の操り人形となる可能性が高い。

次に、高市氏の極右的な立場も問題だと邱毅氏は指摘している。台湾支持、対中反対の立場が明確な高市氏だが、総裁に選ばれても中国からの祝電を待ち続けた結果、疑念を招き、公明党の連立離脱を招いた。これにより、政権運営に大きな影響が出る可能性が高まった。

三つ目の理由は、公明党の連立離脱が高市氏の首相挑戦に影響を及ぼし、残り191席の自民党ではもはや「首相保証」がなくなったことだ。もし野党が麻生太郎氏の再登板を防ぎ、高市氏の首相就任を阻止するために団結すれば、野党は215席を占め、明確な優位に立つだろう。

邱毅氏は「成也麻生、敗也麻生」と言い、麻生太郎氏が自民党総裁選の結果を左右し、高市氏を党首に押し上げた経緯を振り返りながら、高市氏が首相挑戦に失敗すれば、麻生氏により「自民党総裁辞任」を強いられ、退場させられる可能性があると警告している。

邱毅氏の分析は議論を呼ぶ中、野党から推される玉木雄一郎氏がどのような人物かについても関心が高まっている。玉木雄一郎氏は、2025年2月に日本の衆議院を代表して台湾を訪問し、総統の賴清德氏と会談した。台湾支持の立場が非常に明確で、今後も台湾と連携して「非レッド・サプライチェーン」を構築する意向を示しており、台湾海峡情勢にも高い関心を示している。過去には中国の内政に関する発言はなく、政治立場は実務的かつ温和である。

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