内幕》台湾・台南も悲鳴!頼総統の本拠地で反発続出 光電が山林を破壊、民進党の基盤動揺

2025-10-13 17:20
民進党政府が推進するエネルギー転換、南部で広がる光電プロジェクトが2026年の地方選挙の課題となる可能性がある。(写真/呂紹煒撮影)
民進党政府が推進するエネルギー転換、南部で広がる光電プロジェクトが2026年の地方選挙の課題となる可能性がある。(写真/呂紹煒撮影)
目次

南台湾では、台風や豪雨の季節になると、太陽光発電設備が損傷し、漂流したり堆積する光景がしばしば見られる。例えば、台風4号(ダナス)が接近した際、屏東の佳冬では沖合の浮体式太陽光発電設備が強風で吹き飛ばされ、黒い構造体が海流に乗って高雄林園まで漂流した。また、嘉義の義竹では新庄滯洪池の堤防道路が破損した太陽光パネルで埋まり、数週間にわたる清掃作業が遅れたままだ。さらに、高雄の大樹では山全体が平らにされて太陽光発電が設置され、住民は土砂崩れの恐れに不安を感じている。台南では、烏山頭水庫の水面に浮かぶ太陽光パネルが「ダムで太陽光発電をすることができるのか?」という疑問を引き起こしている。

これらの光景は、地域の環境問題にとどまらず、次第に政治的な敏感な神経に触れるようになった。市民にとって、エネルギー転換はもはや単なる温室効果ガス削減や国際的な約束の問題ではなく、目の前の水源、海、山林が太陽光発電設備によって脅かされるかもしれないという現実に直面している。そして、民進党にとって、これらの疑念の声は、2026年の選挙前に政権の重荷となる可能性が高い。

20250708-太陽光電專題,屏東佳冬外海離岸太陽光電浮台測試案場。(顏麟宇攝)
2025年、地震や台風などの天災の影響を受け、台湾ではさまざまな「太陽光発電の残骸」が国民の目の前に現れ、国民は再生可能エネルギーが環境を破壊するのではないかという疑問を抱き始めた。(写真/顏麟宇撮影)

烏山頭水庫での発電に地元から反発 民進党議員が問題の深刻さを認識

最近、烏山頭水庫で発生した太陽光発電設置に関する議論を例に挙げると、烏山頭水庫は1930年の完成以来、嘉南平原の命脈として「嘉南の心臓」とも称されてきた。2022年に水利署が推進した水面型浮動太陽光発電は正式に稼働し、設置容量は約13MW、面積は13ヘクタールで、年間発電量は1700万kWh、削減される二酸化炭素量は約8900トンと予測されている。しかし、この計画は強い反発を呼び起こした。中央政府は国際的な事例や検証データを強調し、水質に問題はないと繰り返し説明しているが、疑念の声は収まらず、地元住民が参加する過程が欠けていたことや、長期間の公開監視が不足していたことが原因で、住民は依然として不安を感じている。さらに地元の人々を不満にさせたのは、設備が設置されるまで、多くの人が「ダムに電気を作っていることに気づかなかった」という点である。市民にとって、これは単なる技術的な問題ではなく、政府の意思決定過程における情報の不透明さやコミュニケーション不足を意味している。

賴清徳総統の地元でも不満の声が高まり、民進党の立法委員たちは問題の深刻さに次第に気づき始めた。民進党の立法委員である黄秀芳氏は、主管機関が追跡メカニズムを構築し、水質と環境への影響に関する検査結果を定期的に公開すべきだと述べ、情報の公開と透明性を確保することで社会的な疑念を減らすべきだと指摘している。同じく自らの選挙区にあたる立法委員である郭国文氏は、技術的な議論だけでは信頼を築けないことを認識し、住民参加の感覚とフィードバック機能を通じて支持を得るべきだと強調した。そのため、彼は記者会見を開き、中央機関と事業者に対して、もっと説明会を開催し、民間とのコミュニケーションを強化するよう求め、争議の拡大を避けるために、2026年の選挙に向けた基盤の動員に影響を及ぼさないようにするべきだと訴えている。

最新ニュース
【特集記事】日本橋一丁目中地区第一種市街地、再開発事業 アジア初「ウォルドーフ・アストリア・レジデンス東京日本橋」も誕生へ
台湾の通商「オリーブ枝」はなぜ既読スルーに 日経が検証――トランプ回帰と中国圧力のはさみ撃ち、外交の現実とジレンマ
陸文浩の視点:台湾・賴清徳総統の国慶演説と同時に、中国が広東・汕尾での軍事訓練を通告
杜宗熹コラム:歌や批判にとどまらず――韓国瑜立法院長は今回も核心を突いた
大谷翔平から子どもたちへーー手紙とおむすびの贈り物 ファミマ「スマイルおむすびプロジェクト」で笑顔広がる
高市早苗氏の首相就任に「大きな危機」 公明党が相次いで不支持を表明、自民の「黒いカネ」対応の曖昧さに不満
出生率1.2の危機 東京都、無痛分娩に最大10万円補助へ 「痛みを耐えてこそ母」神話に挑む静かな革命
舞台裏》「台湾の盾」とは何か 頼清徳氏が描く台湾版「アイアンドーム」 米側秘匿装備は契約済みとの見方
筒香嘉智が2発!DeNAが巨人を撃破しファイナル進出へ 横浜スタジアムが歓喜の渦に
季凡の視点:高市政権の誕生で日本経済はどう動く?「緩和延長・財政拡張」シナリオに投資家の視線集中
「TSMCが米国の『半導体5対5提案』を拒否」はデマ 台湾のファクトチェック機関がAI生成動画を否定
トランプ氏、中国に100%の追加関税を発表 「習主席と会う必要ない」発言で波紋 レアアース規制がAPEC「習トランプ会談」に影響も?
成田空港に「Another Side of Japan」登場 TYOが訪日客に日本各地の魅力を映像発信
トランプの圧力下で進展する「ガザ和平」、パレスチナ科学者はイスラエルの協定遵守に懸念表明
「映像で地方創生」 TYOとソニーが連携、シネマカメラ「BURANO」×クラウドで描く日本の新しい風景
TYO × JR西日本「せとうちパレットプロジェクト」 倉敷・児島を舞台に「デニムの町」の魅力を世界へ発信
第62回金馬奨、台北文創劇作賞出身作『深度安靜』『失明』が計8部門ノミネート 林依晨が22年ぶりに主演女優賞候補に
台湾先物は下げ幅1000ポイント未満にとどまる 米株先物・暗号資産が反発
「速さ」に疲れたあなたへ 台湾・台東が提案する「スロートラベル」3つの癒しの処方箋
BSSTO×キネマ旬報シアターが初コラボ 世界のショートフィルム傑作選を2週間限定上映へ
かつての青春の象徴、ユースホステルが激減 若者が選ばなくなった「3つの理由」とは
現場》台湾・花蓮光復の救援活動を支えるボランティア 被災を経験した子どもが成長して活動に参加 種族・国籍を越え島の復興を支える記録
黒沢清も絶賛 リム・カーワイ監督の幻のデビュー作『アフター・オール・ディーズ・イヤーズ』、15年ぶりにスクリーン復活
台湾出身、知床で唯一の中国語ガイド──Lanさんが語る道東での生活と暮らしの魅力
北朝鮮の外交戦略に迫る ジェニー・タウン氏がFCCJで最新分析を披露
「字幕の女王」戸田奈津子氏、FCCJで半生と翻訳の舞台裏を語る
侍ジャパン、2026年3月WBC開幕前に強化試合 京セラでオリックス・阪神と 台湾代表は宮崎で対戦
2025台東フリンジフェス、10月18日開幕! 12公演と6つの「アート×旅」ルートで“旅しながら観る演劇”を体験
「エヴァンゲリオン」30周年記念展「ALL OF EVANGELION」、11月14日から六本木で開催
震災から始まった、いわきFCとの10年 ── TYOプロデューサー・面川正雄氏が語る、心を動かす映像制作の情熱
富士山麓で本格着物体験を──台湾出身のめぐさんが語る「KIMONO MEGU」の魅力と未来
日本のスキャンダル文化を考察 フジテレビとサントリー事例でプルシャ博士が分析
奈良美智氏の台湾巡回展、12月に嘉義で開催 金瓜石会場は8万人が来場
ちいかわ×85℃ 限定のケーキ&カップが10月16日から台湾限定発売
台湾・宜蘭県の人気観光ランキング発表:清水温泉や太平山を抑え、92万人を魅了した注目スポットとは
インスタント麺年間81億食!日本・韓国・中国を超えた“世界一の国”とは?
東京・大阪で開催 外国人留学生のためのキャリアフェア2025
第26回東京フィルメックス、オープニング&クロージング作品を発表
OIMACHI TRACKS、2026年3月28日にまちびらき 広域品川圏の共創まちづくりが本格始動
100体以上の等身大ドラえもんが東京に集結 史上最大級の展覧会「100%ドラえもん&フレンズ」日本初開催
台湾有事の際、日米はどう対応するか?識者が警鐘:トランプ政権下での台湾支援に不確実性
論評:台湾・国民党は再建不能なのか? 誰が率いても立ち上がれない現状
鴻海、約1,000億円での日産追浜工場買収が破談 上層部の「外部救済拒否」が決定打に
2025年ノーベル文学賞》村上春樹氏はまたも受賞逃す、ハンガリーの小説家ラースロー・クラスナホルカイ氏が栄冠に 反ユートピアと憂鬱な世界
2025年ノーベル平和賞》トランプ氏とは無関係、ベネズエラの民主化守護者マリア・マチャド氏が受賞
高市早苗氏、就任前から難路 公明との溝と追加予算の壁、アメリカ学者が悲観的見解
中国商務部が「史上最厳しいレアアース禁令」を発表、米日台の供給網直撃!NVIDIAとAppleに深刻な影響