中国商務部が「史上最厳しいレアアース禁令」を発表、米日台の供給網直撃!NVIDIAとAppleに深刻な影響

2025-10-10 09:00
中国内モンゴル自治区のレアアース鉱山(写真/AP通信提供)
中国内モンゴル自治区のレアアース鉱山(写真/AP通信提供)
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中国商務部のウェブサイトは9日、「2025年第61号および第62号」と題する二つの告示をひっそりと掲示した。「国家の安全と利益の維持」を名目に、中国は再び世界のサプライチェーンに対する最も強力な威嚇手段であるレアアースを持ち出したのである。今回は中国本土からのレアアース原料の輸出を管制するにとどまらず、管制範囲を前例なく世界規模へ拡大し、「中国の成分」を含むあらゆるレアアース関連品目や、「中国の技術」を用いて製造されたレアアース製品を、輸出管理の対象に組み込むと宣言した。ニューヨーク・タイムズによれば、軍事用途向けの輸出は原則として不許可となるほか、NVIDIAやAppleの製品サプライチェーンも「個別審査」により影響を受ける見通しである。とりわけ米中のはざまにあるNVIDIAは、今後はワシントンと北京の双方の承認を取り付けなければ、事業の継続が難しくなる恐れがある。

過去に中国のレアアース管制が議論される際は、国内採掘と輸出枠に焦点が当たるのが通例であった。ところが10月9日に公表された二つの公告は、その前提を根本から覆す内容である。手元のiPhoneからF-35を動かす先進エンジン、さらには台湾が誇る半導体サプライチェーンに至るまで、ほぼ例外はない。北京が仕掛けた「レアアース戦争」は、米日などの対中テクノロジー包囲網への強烈な反撃であるのみならず、世界の産業秩序を組み替えようとする権力宣言でもある。施行は2025年12月1日で、世界の供給網に与えられた猶予は2カ月に満たず、サプライチェーンの再編とコンプライアンス点検の嵐は既に現実味を帯びている。主な内容は以下の通りである。

テリトリアル管制の強化:今回の公告は、「中国原産」のレアアース関連品目の輸出に許可証を義務づけ、公告日から直ちに適用すると定めた。既存の管制を強化・明確化したものである。

成分ベースの「長腕」管制:第61号公告の要は、「域外で製造された製品に、中国原産のレアアース品目が含有・統合・混入され、その中国由来成分の価値比率が0.1%以上である場合、当該製造業者は第三国へ輸出する前に中国商務部の許可を得なければならない」と規定した点にある。これは、中国産レアアース原料を用いて加工した下流製品の大半――日本で製造される精密モーター、ドイツで生産される風力発電機、ベトナムで組み立てられる民生用電子機器など――が、中国の管制範囲に入ることを意味する。

技術起源に基づく管制:第61号および第62号公告は、レアアースの採掘、精錬・分離、金属冶金、磁性材料の製造、二次資源リサイクル等に関する「中国原産の技術」を用いて域外で生産されたレアアース関連品目についても、同様に中国当局の輸出許可を要すると明記した。

関連サービス・データの包括的管理:第62号公告はさらに踏み込み、設計図、プロセスパラメータ、シミュレーションデータといった技術そのものとその媒体、ならびに生産ラインの組立、試運転、保守などのサービスを、許可なき輸出禁止の管制対象に加えた。中国の個人・法人が、許可なく域外のレアアース関連活動に対し「実質的な支援・協力」を提供することも禁じられる。中国を迂回して海外で独立したレアアース供給網を築こうとする国家や企業であっても、技術の源流が中国に関わる限り、「土台を抜かれる」リスクに直面することになる、という構図である。

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