デンソーとテュフ ラインランド ジャパンが包括提携　「デジタルプロダクトパスポート」でサステナブル製造を加速

デンソー（本社：愛知県刈谷市、社長：林新之助）とテュフ ラインランド ジャパン（本社：神奈川県横浜市、社長：岡本邦宏）は29日、産業製品や電池を含む持続可能な製造の実現と「デジタルプロダクトパスポート（DPP）」の推進を目的に、包括的な戦略パートナーシップを結ぶ覚書を締結したと発表した。

欧州では2024年7月に「エコデザイン規則」が施行され、製品設計段階から環境配慮を義務付ける新たな枠組みが導入された。また2027年2月からは、自動車用・産業用電池を対象とする「バッテリーパスポート」の義務化が予定されている。DPPは製品の製造者、使用素材、CO₂排出量、リサイクル可能性などを電子的に記録する仕組みで、トレーサビリティと資源循環を支える基盤となる。

デンソーはこれに対応するため、バッテリーパスポート用アプリを開発し、2025年2月には日本企業として初めてCatena-Xからエコパスポート認証を取得した。一方、テュフ ラインランド ジャパンは製品安全や品質に関する試験・認証を行う第三者機関であり、幅広い産業分野で最新の評価サービスを提供している。

両社は今後、バッテリーパスポートを含むDPP関連事業の開発、規制対応支援、第三者認証、技術文書作成などで協力し、持続可能な社会の実現に貢献するとしている。

デンソー ソーシャルイノベーション事業開発部門 シニアディレクターの加藤充氏は、「デンソーの製造技術とトレーサビリティ技術に、テュフ ラインランド ジャパンの認証・評価力を組み合わせることで、より信頼性の高い製品を世界のステークホルダーに届けたい」とコメントした。

また、テュフ ラインランド ジャパンの岡本邦宏社長は、「自動車分野で先進的技術を持つデンソーとの新たな協業が、両社の成長と持続可能な社会の実現につながることを期待する」と述べた。

編集：梅木奈実 （関連記事： デンソー、自社株買い4,000億円超に到達　TOBは2026年3月以降へ延期見通し ｜ 関連記事をもっと読む ）

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