トランプ氏、裁判所命令を無視 州兵を動員しポートランド夜襲 激怒の民主党州知事らが提訴へ

2025-10-07 11:50
2025年10月4日、シカゴのブライトンパーク地区で抗議活動が発生。米国境巡視隊が同日朝にシカゴ南西部で女性を銃撃したことが原因で、連邦法執行官とデモ参加者が対峙している。(写真/AP通信提供)
2025年10月4日、シカゴのブライトンパーク地区で抗議活動が発生。米国境巡視隊が同日朝にシカゴ南西部で女性を銃撃したことが原因で、連邦法執行官とデモ参加者が対峙している。(写真/AP通信提供)
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米連邦裁判所がオレゴン州州兵の動員を明確に禁じたにもかかわらず、ドナルド・トランプ米大統領は再び連邦政府と地方政府の対立に火をつけた。トランプ氏は5日深夜、数百人規模のカリフォルニア州兵を派遣し、州境を越えてオレゴン州ポートランド市に進入させるよう命じたのである。この行動は裁判所の判断を公然と無視するものであり、カリフォルニア州とオレゴン州の両州知事が激しく反発した。両知事はいずれも民主党所属で、トランプ氏を「軍を政治的道具として乱用している」と非難し、州の権限と憲法の精神を守る決意を示した。

この一連の騒動の発端は、移民・税関執行局(ICE)庁舎前で続く抗議活動への対応を名目に、トランプ政権がオレゴン州州兵の動員を企図したことにある。だが、オレゴン州連邦地方裁判所のカリン・イマガット判事は直前に、暫定的な差止命令を出してこの派遣を阻止していた。イマガット判事は決定文の中で、ポートランドの抗議活動はおおむね小規模であり、「重大な暴力や破壊行為は発生していない」と指摘。そのうえで、大統領の行動はすでに合衆国憲法の権限を逸脱している可能性があると明言した。

2025年10月4日,芝加哥布萊頓公園社區發生抗議活動,因為美國邊境巡邏隊當日上午在芝加哥西南區開槍擊中一名女性,芝加哥警方(前)聯邦執法人員與示威群眾對峙。(美聯社)
2025年10月4日、シカゴ市南西部のブライトン・パーク地区で抗議デモが発生した。これは同日午前、米国境警備隊が同地区で女性一人に発砲し負傷させたことを受けたものである。シカゴ警察や元連邦法執行官らが現場でデモ参加者とにらみ合う緊迫した場面となった。(写真/AP通信提供)
2025年10月4日,美國奧勒岡州波特蘭市,美國國土安全部的執法人員在美國移民及海關執法局外與示威者對峙,警方釋放催淚瓦斯試圖驅散群眾。(美聯社)
2025年10月4日、米オレゴン州ポートランドで、米国土安全保障省の法執行官が移民・税関執行局(ICE)庁舎前で抗議者らと対峙した。警察は群衆を解散させようと催涙ガスを使用した。(写真/AP通信提供)

イマガット判事の決定が下されてから、わずか五時間半後、トランプ政権は迅速に「プランB」を実行に移した。オレゴン州司法長官ダン・レイフィールド氏によると、すでに連邦政府の指揮下にあるカリフォルニア州兵101人が、その夜のうちに空輸でオレゴン州へ送り込まれたという。オレゴン州のティナ・コテック知事は「州政府は連邦政府から事前に一切の通知を受けていない」と強く反発した。

コテック知事は「事実は変わらない。オレゴン州に軍事介入は不要であり、ポートランドで反乱は起きておらず、国家安全保障も脅かされていない」と断言。「彼(トランプ氏)がどこから情報を得ているのか、もはや関心はない。なぜなら彼は現場の実情を意図的に無視しているからだ」と語った。さらにポートランドのキース・ウィルソン市長は「今回の派遣は常識を大きく逸脱している」と批判し、連邦当局が抗議の規模を誇張し、「本来は平和的だった状況を煽動しようとしている」と非難した。

両州知事が声をそろえて非難:「これは軽率かつ権威的な行為だ」

カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、トランプ政権が同州の州兵を動員したことに対し、強い怒りを表明した。ニューサム氏は声明で「統合軍最高司令官が、米国民に対して軍を政治的武器として用いている」と非難し、「われわれはこの闘いを法廷へ持ち込む。しかし、米国大統領によるこのような軽率かつ権威主義的な行為に、国民は沈黙してはならない」と訴えた。

これに対し、ホワイトハウスは大統領の行動は合法だと主張している。報道官のアビゲイル・ジャクソン氏は、「ポートランドで発生した暴力的な騒乱や法執行官への攻撃を受け、連邦の資産と職員を守るために大統領は正当な権限を行使した」と説明した。さらにジャクソン氏はニューサム知事を侮蔑的なあだ名で呼び、「法を守る市民の側に立つべきだ」と挑発した。

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