トランプ氏が親中転向?黄仁勳氏発言でMAGA陣営に内紛拡大

2025-10-07 10:43
アメリカ大統領トランプ。(写真/AP通信提供)
アメリカ大統領トランプ。(写真/AP通信提供)
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「アメリカを再び偉大に」の声がまだ耳に残る中、ワシントンの反中・対中強硬の風向きが静かに変わりつつある。ドナルド・トランプ米大統領は前任期中、数十年にわたる外交の慣例を覆し、米中関係の構図を一変させた人物である。しかし、貿易戦争を仕掛けたこの「ドラゴン退治派」の旗手は、いまや心境の変化を見せているようだ。ブルームバーグ通信が6日に報じたところによれば、トランプ氏が中国との新たな貿易協定の締結を模索する中、ワシントンの対中強硬派はかつてない冷たい空気を感じ取っているという。彼らは自らが政権内で周縁化されつつあることを懸念しており、一方でトランプ氏の「大取引」への執念とともに、テクノロジー大手の影響力が日に日に増している。

トランプ氏が今後数週間以内に中国の習近平国家主席と会談するとの報道が流れると、ワシントンの対中強硬派の懸念はいっそう強まった。これに先立ち、北京側はアメリカの数十年にわたる対中政策を覆しかねない一連の「取引条件」を提示していた。内容には、中国への投資規制の緩和と引き換えに米国市場への資金流入を拡大させる提案や、さらには台湾政策への介入とも取れる要求――トランプ氏に対し「台湾独立に反対」と明言するよう求める姿勢――も含まれている。強硬派にとって、こうした条件の受け入れは「虎と取引する」も同然であり、彼らをさらに不安にさせているのは、トランプ氏が再び警告を無視する構えを見せていることである。

「北京は今が絶好の機会」

当年、「弾が飛ぶまで待て」と強硬路線を貫いた対中タカ派の戦略家たちの間では、いま最も大きな驚きと不安を呼んでいるのは「トランプは変わってしまった」という現実である。TikTokの米国事業存続を容認する取引から、AI半導体大手NVIDIAに中国市場での営業継続を認める判断まで、トランプ氏の一連の決定は、まるでタカ派の傷口に塩を擦り込むようなものだ。さらに同氏は、国家安全保障会議(NSC)で対中強硬論を唱えていた多くの顧問を大胆に更迭し、その権限と役割をかつてないほど弱体化させた。

安全保障やテクノロジーの専門家らは深刻な懸念を示している。現在のトランプ政権の中枢には、北京との経済的な関係強化を推し進める「パンダ抱擁派」に異を唱える人物が、もはやほとんどいないという。トランプ政権の第1期で国家安全保障会議の副顧問を務め、対中政策を主導したマット・ポッティンジャー(中国名・博明)氏はブルームバーグの取材に対し、沈痛な口調で次のように述べた。「いまの北京は、まさに“理想的な甘いスポット(sweet spot)”にいる。ホワイトハウスは、TikTok政策や半導体輸出規制の緩和が、中国共産党にとってどれほど大きな譲歩であるかに気づいていない」。

ブルームバーグは、トランプ氏のこうした姿勢の変化は、ある意味では意外ではないと指摘する。彼はかねてより、国際社会で孤立する指導者――ロシアのウラジーミル・プーチン氏や北朝鮮の金正恩氏――との「取引」を誇りとしてきたからだ。しかし、米中関係のリスクはロシアや北朝鮮とは比較にならない。世界最大級の経済圏である両国の関係は密接に絡み合い、さらに人工知能(AI)や半導体、ネット技術などの分野で中国が米国の覇権に挑戦していることから、トランプ氏の一挙手一投足が世界経済に波及しかねない。

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