トップ ニュース 英マンチェスターでテロ、2人死亡 容疑者はシリア系男性 『ガーディアン』「近代で最も致命的な反ユダヤ襲撃」――英国は分断か包摂か
英マンチェスターでテロ、2人死亡 容疑者はシリア系男性 『ガーディアン』「近代で最も致命的な反ユダヤ襲撃」――英国は分断か包摂か 贖罪日当日、英マンチェスターのシナゴーグで車両突入と刃物による襲撃が発生。(AP通信)
英国時間10月2日早朝、ちょうどユダヤ教の最も神聖な祭日ヨム・キプル当日に、マンチェスターのシナゴーグでテロが発生した。シリア系英国人の男が車で敷地に突入し、信者を刃物で襲撃。2人が死亡し、3人が重傷を負い、さらなる惨事になりかねない状況だった。事件は英国全土に衝撃を与え、ユダヤ系コミュニティが長年抱えてきた不安を改めて浮き彫りにした。政治・国際の反応も相次ぎ、首相スケールは急きょ帰国して会議を主宰、イスラエルのネタニヤフ首相も公然と非難した。英紙『ガーディアン』は、これは近代英国で最も深刻な反ユダヤ主義によるテロだと指摘し、以前から懸念されてきた悲劇が現実化したとして、英国がより深い分断へ向かうのか、それとも包容へ舵を切るのかを問う警鐘だと論じた。
贖罪日に発生、2人死亡・3人重傷 英国時間10月2日早朝、ユダヤ教の贖罪日(ヨム・キプル)に、マンチェスターのヒートン・パーク・シナゴーグでテロが起きた。男は車で施設内に突入し、その後刃物で会衆を襲撃。わずか6分の間に2人が死亡し、3人が重傷を負った。
『ガーディアン』によれば、事件は午前9時31分に発生し、群衆に車が突っ込み続いて刃物による攻撃があったとの通報が警察に入った。ほどなく警備員への襲撃報も伝えられ、3分後には武装部隊が現場に到着。警察は9時37分に重大テロ事案として「Plato」対応計画を発令した。
容疑者が爆発物を身につけている可能性があったため、武装警官は9時38分に発砲し、後に装置は模造品だったと確認された。通報から重大テロ宣言まで初動対応は10分と迅速で、9時41分には救急隊が現場に到着している。
マンチェスター警察の発表では、容疑者はジハード・アルシャミ(Jihad Al-Shamie)。正式な身元確認は継続中だが、35歳のシリア系英国人と暫定確認された。過激主義対策の「予防戦略(Prevent)」に記録された人物ではないという。
英国は2000年代初頭に「予防戦略(Prevent)」を導入し、過激思想の影響を受ける恐れがある人を早期に把握してテロ行為への移行を防ぐことを狙う。手法の一つが学校現場からの着手で、特定のテーマについて生徒に意見を述べさせ、態度や傾向を観察する。異常が認められた場合は当局が介入調査を行い、未然防止に努める。
贖罪日当日、英マンチェスターのシナゴーグで車両突入と刃物による襲撃が発生。(AP通信)
現場で信者たちは恐攻にどう対処したか? 英紙『ガーディアン』の現地取材によれば、シナゴーグ内では贖罪日の礼拝が進行中で、銃声が響いた瞬間、多くの信者は耳を疑った。ユダヤ・ムスリム関係を研究する45歳の講師ロブ・カンター(Rob Kanter)氏は、最初の破裂音に戸惑い、アドレナリンの作用で「本当に聞いたのか」と自問したという。同時に脳裏をよぎったのは「自分と周囲をどう守るか」だった。外では攻撃が続いていたが、内部の空気は「比較的落ち着いていた」と証言する。
カンター氏によれば、反応は人それぞれで、黙って様子を見る人、会話を続ける人、ユーモアで緊張を和らげようとする人もいた。警察の誘導で避難が完了した後も、ラビ(Rabbi)は贖罪日の礼拝をやり遂げるべく最善を尽くした。
シナゴーグの外には、安否を案じる親族や友人が集まった。ある女性は、夫と連絡がつかないままパジャマ姿で飛び出してきたと語る。近隣住民の一人は、ヘリコプターの音に気づいて駆け付けたといい、家族や友人がそのシナゴーグにいるためだと説明した。
オリヴィア・ゴールド(Olivia Gold)氏は、「この日はユダヤ教の最も神聖な日で、本来なら礼拝所は信者で満席のはずだった。しかし今、そこは血と恐怖に覆われ、深い打撃を受けている」と述べた。
贖罪日当日、英マンチェスターのシナゴーグで車両突入と刃物による襲撃が発生。(AP通信)
長年懸念されてきた襲撃 『ガーディアン』によれば、事件は政界に強い波紋を広げた。労働党党首で英国首相のキア・スターマー(Keir Starmer)氏は犯行を「卑劣な悪しき行為」と厳しく非難し、「ユダヤ人への憎悪ゆえに彼らを狙い、われわれの価値観を憎むがゆえに英国を攻撃した」と強調した。政敵である保守党のケミ・バーデノック(Kemi Badenoch)党首、改革党のナイジェル・ファラージ(Nigel Farage)党首も、ユダヤ系コミュニティへの連帯を表明した。
事件当時、スターマー首相はデンマークでの欧州首脳会議に出席していたが、報を受けて直ちに帰国し、非常閣僚会議「コブラ(Cobra)」を招集。ダウニング街から全国向けに演説を行った。
ユダヤ系団体は、かねてよりこうした襲撃を想定して備えを進めてきた。英国ユダヤ代表委員会とユダヤ指導者会議の共同声明は、「起こり得ると懸念してきた事態だ」とし、影響力を持つ関係者に反ユダヤ憎悪への具体的対策を求めたうえで、今後数日で安全検査を強化し、コミュニティ保護の追加措置を進める考えを示した。
英国首席ラビのエフライム・ミルビス(Ephraim Mirvis)氏は、「望まないが、いつか起こり得ると内心理解していた日だ」とし、「これはユダヤ・コミュニティだけでなく、人間の基本的価値――共感・尊厳・敬意――に対する攻撃だ」と痛切に語った。
イスラエルのネタニヤフ首相も、「イスラエルは英国のユダヤ・コミュニティとともに、マンチェスターでの野蛮なテロの犠牲者を悼む」と表明。テロに対する弱腰はさらなる襲撃を招くだけであり、力と結束こそが克服の道だと強調した。
英国の選択――分断か包摂か 同紙は、差し迫った課題として、国内のユダヤ・コミュニティが最大限の保護を受けられる体制を確認する必要があると強調。これは治安機関や警察のみならず、国家とすべての市民の責務でもある。首相が外遊を中断し緊急会議を開いたのは当然で、コミュニティと家族の安全確保は国家の本質的義務だと位置づけた。
この襲撃は、ハマスによる2023年10月7日のイスラエル奇襲から2年の節目を目前にして発生した。調査では、この間に英国のユダヤ人の安全感が急速に低下。襲撃前は不安を感じる人が9%だったのに対し、現在は35%へ上昇し、3分の1を超えた。
ハマスの襲撃以降、英国での反ユダヤ事案は急増し、1年間で5,583件の通報に達した。侮辱、脅迫、暴行、破壊・冒涜を含み、前年比は204%増 に及ぶ。『ガーディアン』は、中東情勢の負の影響が世界に波及し、傷は癒えるどころか深まっていると指摘。信仰の別や無宗教を問わず、人々は憤りや無力感、恐怖を抱えているが、そうした感情がシナゴーグ外での暴力を正当化することは決してないとした。
贖罪日テロの48時間前、スケール首相は労働党大会で、英国が岐路に立っており「分断か包摂か」の選択が迫られていると警告していた。『ガーディアン』は、政治演説は往々にして空疎だと批判されがちだが、今回ばかりは首相の言葉以上に現実味を帯びていると評し、分断への道は目前である一方、包摂こそ英国が断固として選ぶべき進路だと結んだ。
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