シンガポール発のフードテック企業ImpacFat(インパクファット)は10月1日、幹細胞由来のオメガ3魚脂の技術を基盤とした「細胞性栄養食品」の研究開発を日本で本格的に展開すると発表した。JR東日本と契約を締結し、高輪ゲートウェイシティ「Link Scholar’s Hub(LiSH)」にオフィス兼ラボを開設する。

同社は日本市場を重要な拠点と位置づけ、食品、サプリメント、化粧品向けの新製品開発を加速させる考えだ。世界のオメガ3原料市場は2030年までに80億ドル規模に達すると予測されており、健康志向の高い日本の消費者が市場拡大を牽引すると見込まれている。
今回の進出にあたり、ImpacFatは東洋製罐グループ、144 Ventures(リバネスグループ)、さらにEsco Aster社のリン・シャン・リャン氏から戦略的投資を受けた。これにより資金面のみならず、産業知見や商業化ネットワークの強化を実現し、製品化や量産化を推進する。
高輪ゲートウェイに新拠点設立、日系大手と提携し研究開発を加速
CEO兼共同創業者のマンディ・ホン氏は、「日本は食品栄養イノベーションのリーダーであり、持続可能な細胞性食品のエコシステムを構築できることを光栄に思う」とコメント。東洋製罐グループの中村琢司社長は「ImpacFatの魚脂細胞由来原料は食糧安全保障や健康的な食のニーズに応えられる」と述べ、リバネスの丸幸弘CEOは「LiSHを拠点にバイオ関連ベンチャーの成長を後押しする」と語った。
発表は高輪ゲートウェイシティで行われた記者会見で明らかにされたもので、JETROや東京都、シンガポール企業庁なども出席した。
編集:柄澤南 (関連記事: 親子にも、健康志向の女性にも人気!牛乳の3倍カルシウム「キリ&スティック」がスナックタイムに革命 | 関連記事をもっと読む )
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