舞台裏》高市早苗は古屋圭司、小泉進次郎は「秘蔵の子」 総裁選の対台人脈と戦略を徹底分析

日本自民党総裁選が間もなく実施される中、高市早苗氏(右)と小泉進次郎氏(左)の間の競争に焦点が当たっている。(写真/AP通信提供)
日本自民党総裁選が間もなく実施される中、高市早苗氏(右)と小泉進次郎氏(左)の間の競争に焦点が当たっている。(写真/AP通信提供)
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首相の石破茂氏が党総裁を辞任したことを受け、自民党総裁選は白熱の様相を呈している。党内の5人が正式に名乗りを上げ、勝者が首相職を継承する見通しである。投票は10月4日に実施され、焦点は前経済安全保障担当相の高市早苗氏と農林水産相の小泉進次郎氏の一騎打ちに集まっている。高市氏は鮮明な保守路線と党員支持の厚さで注目され、直近の世論調査でも党内基盤で先行を維持している。ただし、国会議員票が勝敗を左右するため、1回目の投票で過半に届かなければ決選にもつれ込み、他候補の票が勝敗を覆す要因になり得る。

小泉氏は若さと改革の象徴として支持を集める一方、公開討論で英語による政策表明を避けたことへの批判もあり、支持基盤の盤石さには課題が残る。選挙戦では、各候補が経済・社会・安全保障政策を掲げるなか、外国人の厳格管理に踏み込む主張などもあり、社会的議論を呼んでいる。自民党は現在、国会の衆参両院で過半数を失っており、新総裁は党内派閥の均衡と野党との調整の両立を迫られる情勢である。誰が最終的に勝ち抜くかはなお不透明だ。台湾にとって重要なのは、次期日本の首相と台湾との関係、そして円滑な交流ルートが維持されるかどうかである。

2025年9月22日、小泉進次郎が自民党総裁選挙の始動式で演説を行った。(美聯社)
日本自民党総裁選で、小泉進次郎(写真)が若さと改革を象徴するイメージで注目を集めた。(写真/AP通信提供)

台湾のチャンネル 高市早苗は古屋圭司、小泉の背後には「秘蔵の子」

台日間の実務的な交流は、非政府機関である日本台湾交流協会が担っており、現代表の片山和之氏は穏健派と位置づけられている。高市早苗氏、小泉進次郎氏の双方にも対台関係に通じた重要な仲介者が存在する。高市氏については、推薦人の筆頭に名を連ねる衆院議員で日華議員懇談会会長の古屋圭司氏が長年の親台派として知られ、度重なる訪台に加え、新型コロナ禍では台湾のワクチン確保を支援した中心人物の一人である。古屋氏は高市氏を支える要の存在であり、日華議員懇談会を通じて築いた台湾政界の人的ネットワークは群を抜く。2025年7月の林佳龍外交部長(外相)の訪日時に、日華議員懇談会への表敬と高市氏との会談が実現したのも、古屋氏の斡旋によるものとされる。高市氏は2025年4月に訪台し、以前には蔡英文前総統とオンラインで意見交換するなど、台湾情勢への理解を深めている。

東京大学東洋文化研究所の特任研究員である林泉忠氏の分析によれば、小泉氏は2013年に青年局長として訪台して以降、直接的な交流はみられず、中国訪問の経歴もなく国際案件への関与は限定的であるが、対台姿勢を過度に懸念する必要はないという。小泉氏が就任した場合、対台政策は菅義偉前首相および同氏の側近である高羽陽氏に依拠する公算が大きい。高羽氏は中国専門ではなく中国語にも通じないが、外務省出身で安全保障に通暁し、菅氏との近接性が高い。菅氏はこれまでの総裁選で一貫して小泉氏を支援しており、このため、小泉政権が成立した場合、現在日本台湾交流協会副代表の高羽氏が、対台政策形成におけるキーフィギュアとなる見込みである。

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