小泉進次郎vs高市早苗 最年少首相と女性首相誕生の可能性、自民党再生を懸けた総裁選の行方

2025-09-30 11:10
2025年9月24日、自民党が総裁選の討論会を開催した。(写真/AP通信提供)
2025年9月24日、自民党が総裁選の討論会を開催した。(写真/AP通信提供)
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自民党は10月4日に総裁選挙を実施し、勝者が次期首相に就任する見通しだ。小泉進次郎農林水産大臣(44)が勝利すれば戦後最年少首相の記録を更新し、ベテランの高市早苗氏(64)が当選すれば日本初の女性首相となる。

英紙《ガーディアン》は、この総裁選は世代交代やジェンダーの突破口であると同時に、連続選挙敗北や金権政治スキャンダルに揺れる自民党が立て直しを図れるかどうかの重要な分岐点だと指摘した。《日本経済新聞》は候補者の出自や理念を分析し、小泉は清新なイメージや超党派協力、日米同盟の重視、産業回帰を訴える一方、高市は強硬な右派色で知られ、故安倍晋三の後継者と目され「強く繁栄する日本」を掲げていると報じた。

小泉進次郎:清新なイメージで「戦後最年少首相」に期待

小泉進次郎氏(44)は元首相・小泉純一郎の次男で、2009年に父の神奈川選挙区から衆議院に初当選した。今年5月に農林水産大臣に就任し、米価高騰時に備蓄米を放出して市場を安定させたことで高い評価を得た。環境大臣時代には「気候危機への挑戦はセクシーで楽しい」との発言が話題を呼び、SNS上で「進次郎構文」として揶揄されることもあった。

2025年9月22日、小泉進次郎が自民党総裁選の始動式典で演説。(AP)
2025年9月22日、自民党総裁選の出陣式で演説する小泉進次郎氏。(AP通信)

米国留学経験を持つ小泉はサーフィンを趣味とする「海帰派」で、元アナウンサーで仏日ハーフの瀧川クリステルさんと結婚。瀧川さんは2013年IOC総会で「おもてなし」を英語とフランス語で発表し、東京五輪招致成功の立役者となったとされる。小泉には2人の子供がいて、環境相時代には育休を取得したことも注目された。

清新で開かれたイメージは従来の自民党政治家と一線を画し、党再生を託す候補者として注目されている。父・純一郎の「古い自民党を壊す」精神を継ぎ、保守派改革を推進することが期待される。小泉が首相に就任すれば安倍晋三より若く、初代首相・伊藤博文の就任時とほぼ同じ年齢となる。

支援には財務大臣の加藤勝信氏(69)が選挙対策本部長として加わり、前首相の菅義偉氏も地元・神奈川の盟友として支える。ただし東京国学院大学の山本健太郎准教授は「党内の長老に迎合しすぎれば独自性を失う危険がある」と指摘する。

小泉氏「在野党との対話、アベノミクス継承、日米同盟強化」

小泉は2024年の総裁選では初戦で3位に終わり決選進出を逃した。その反省から今回は「政策に精通し、務実で安定感ある」姿を前面に押し出している。

9月20日の立候補会見では、物価高対策と生活改善を訴え、所得税控除の調整や1974年以来の暫定ガソリン税廃止を公約に掲げた。これらは在野党の主張と重なり、小泉は「与野党の対話は不可欠だ」と強調した。

2025年9月22日、自民党的総裁選の始動式典。(AP)
2025年9月22日、自民党総裁選の出陣式が行われた。(AP通信)

また「産業回帰と国内製造力強化」を訴え、「中国やアジアの供給網依存は産業空洞化を招く」と警告。財政保守とみなされないようアベノミクスの継承を明言し、政府と日銀の協調で物価安定と経済成長を両立させるとした。 (関連記事: 自民党総裁選2025、最新世論調査で高市早苗氏が28%で首位 小泉進次郎氏が追随、林芳正氏は急伸の可能性 関連記事をもっと読む

外交では日米同盟を軸に、韓国、インド、オーストラリアといった「同志国」との協力を強化し、中国、ロシア、北朝鮮への対抗を打ち出した。米コロンビア大学留学やワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)での経験もあり、「親米派」としての評価が定着している。

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