第38回東京国際映画祭(TIFF、10月27日~11月5日)に併設されるアジア有数のコンテンツマーケット「TIFFCOM 2025」が、10月29日から31日までの3日間、東京都立産業貿易センター浜松町館で開催される。映画、テレビ、アニメなど多様なコンテンツホルダーと、世界各国から集まる有力バイヤー、プロデューサーら業界関係者が一堂に会し、最新の業界動向を共有するとともに、国際共同製作や新たなビジネス機会を創出する場となる。

『ONE PIECE』実写版プロデューサー藤村哲也氏が基調講演 日本IPの国際展開に注目
今回の注目プログラムとして、Netflixの世界的大ヒット作『ONE PIECE』実写シリーズのエグゼクティブ・プロデューサーを務めた藤村哲也氏(フィロソフィア株式会社代表取締役)が登壇し、「グローバル映像化で注目される日本IPの未来」をテーマに基調講演を行う。藤村氏は、ハリウッド大作『ゴースト・イン・ザ・シェル』や『ONE PIECE』シリーズの製作に携わり、日本発コンテンツの海外展開を牽引してきた人物。講演では、自身の経験とデータを交えながら、日本の知的財産(IP)が持つ潜在力と国際市場での可能性について語る。
「Tokyo IP Market」リブランディングで出版社・映像会社6社が参加
さらに、出版物や映像のリメイク権に特化した商談企画「Tokyo IP Market」が、今年から「Tokyo IP Market: Adaptation & Remake」として刷新される。出版社に加え、映像制作会社も参加対象を広げ、日本のIPをもとにした国際共同製作の可能性を一層拡大する。
参加企業はKADOKAWA、講談社、主婦と生活社、スクウェア・エニックス、東映、日本文芸社の6社。マーケット初日には各社が自社コンテンツを紹介するピッチングセッションも予定されており、海外プロデューサーやIPスカウトとの直接商談に繋げる機会が提供される。
日本のマンガや小説は近年、世界の映像化ビジネスにおいて大きな注目を集めている。『百円の恋』の中国リメイク作『YOLO 百元の恋』が730億円規模の興行収入を記録したほか、山田太一原作『異人たちとの夏』の英国版リメイクが英アカデミー賞にノミネートされるなど、成功例は増加している。こうした動向を背景に、TIFFCOMでは日本IPを世界に広げるための商談やネットワーキングを一層強化する構えだ。
TIFFCOM 2025 開催概要
- 開催期間:2025年10月29日(水)~31日(金)
- 会場:東京都立産業貿易センター浜松町館
- 主催:経済産業省、総務省、公益財団法人ユニジャパン
- 公式サイト:https://tiffcom.jp/
編集:柄澤南 (関連記事: TIFFCOM 2025、セミナー第3弾を発表 アニメから国際共同製作、アジアドラマまで多彩な14本公開 | 関連記事をもっと読む )
世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版 X:@stormmedia_jp