10月27日から11月5日まで開催される第38回東京国際映画祭(TIFF)は、コンペティション部門の審査委員長にカルロ・シャトリアン氏を迎えることを発表した。シャトリアン氏は映画評論家として数多くのエッセイや論文を発表し、2013年から2018年にロカルノ国際映画祭、2020年から2024年までベルリン国際映画祭のアーティスティック・ディレクターを歴任。国際映画祭界を牽引してきた人物として知られる。
ベルリン国際映画祭在任中には、「男優賞」「女優賞」を廃止し、性別を区別しない「最優秀主演俳優賞」「最優秀助演俳優賞」を新設。この改革はダイバーシティとインクルージョンの推進に大きな影響を与えた。さらに日本アニメーションの特集や展覧会を企画するなど、日本文化にも造詣が深い。今回の就任について「東京国際映画祭の審査委員長を務めることは大変光栄。ここに選ばれた映画を鑑賞し、仲間と実りある対話を交わせることを楽しみにしている」とコメントしている。
安藤裕康チェアマンは「シャトリアン氏は評論家として、またロカルノやベルリンのディレクターとして幅広い経験を持ち、近年の本映画祭でもその鑑識眼と情熱を示してくださった。変革期を迎える世界において、どのような視点を示してくれるか期待している」と述べた。
併設マーケット「TIFFCOM 2025」は10月29日~31日に開催、注目セミナー第一弾発表
一方、東京国際映画祭に併設するアジアを代表するビジネス・コンテンツマーケット「TIFFCOM 2025」は、10月29日(水)から31日(金)までの3日間、東京都立産業貿易センター浜松町館にて開催される。今年で22回目を迎えるTIFFCOMは、映画・テレビ・アニメなど多彩なコンテンツホルダーと、各国の有力バイヤーやプロデューサーら業界関係者が集結し、国際共同製作や新たなコンテンツビジネスの創出を目指す。
会期中は、企画マーケットやピッチコンテスト、ネットワーキングイベントに加え、昨年を上回る約20本の業界最新情報セミナーが予定されている。第一弾として、日本テレビ放送網、TBSテレビ、放送コンテンツ海外展開促進機構(BEAJ)による3大セミナーが決定。国際共同製作の潮流やIP戦略、アジア各国の最新動向など、幅広いテーマを取り上げ、国内外のキーパーソンが登壇する予定だ。詳細や登壇者情報は今後公式サイト等で発表される。
編集:佐野華美
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