トップ ニュース 米保守派リーダー射殺事件 カーク氏はなぜ狙われたのか──容疑者の携帯メッセージ「彼の憎しみに耐えられなかった」
米保守派リーダー射殺事件 カーク氏はなぜ狙われたのか──容疑者の携帯メッセージ「彼の憎しみに耐えられなかった」 アメリカ保守派のインフルエンサーであり、MAGA世代の若者の象徴的存在だったカーク氏が射殺された事件を受け、ユタ州では9月11日、市民がキャンドルを灯して追悼した。(AP通信)
米国の保守派政治評論家チャーリー・カーク氏(Charlie Kirk)が先週ユタ州で殺害され、全米に衝撃が広がった。『ニューヨーク・タイムズ』 によると、検察は16日、22歳のタイラー・ロビンソン容疑者(Tyler Robinson)を加重殺人など7つの罪で起訴し、死刑を求刑する方針を明らかにした。『ワシントン・ポスト』 は同日、ロビンソン容疑者が犯行後に「彼の憎悪発言には耐えられなかった」「交渉では解決できない憎しみもある」と複数の相手に語っていたことを、裁判資料に基づき報じた。
メモとメッセージで浮かび上がる殺人動機 ユタ郡検察官ジェフ・グレイ氏(Jeff Gray)が提出した裁判資料によれば、ロビンソン容疑者はカーク氏の政治的発言に強く反発していた。事件後、ルームメイトは彼の机の下から「チャーリー・カークを抹殺する機会を得た。これから実行する」というメモを発見。恐怖に駆られたルームメイトがメッセージで問い質すと、ロビンソン容疑者は「僕だ、ごめん」と認め、「彼の憎悪には我慢できなかった」と答えたという。このやり取りは、検察が政治的動機に基づく犯行と断定する決定的証拠となった。
カーク氏は若者向け保守団体「アメリカン・ターンニングポイント(Turning Point USA)」を創設し、多様性推進を揶揄し、トランスジェンダーの権利や平等法案に反対するなど過激な言動で知られていた。そのため熱烈な支持者を集める一方で、多くの反発や憎悪も買っていた。
保守的家庭から左派青年へ──容疑者の変化とトランスジェンダーのパートナー ロビンソン容疑者の家庭環境は事件をさらに複雑にしている。裁判所資料によれば、母親は調査官に対し、息子がここ1年ほどで「政治的に活発になり」、考え方が左派寄りになったと証言。さらに同性愛やトランスジェンダーの権利を強く支持するようになり、ルームメイトと交際していること、その相手が「男性から女性へ移行中のトランスジェンダー」であることを明らかにした。
ユタ州検察に「トランスジェンダー問題が動機に関係するのか」と質問が出たが、グレイ検察官は「法廷資料に記した通り」と述べ、慎重な姿勢を崩さなかった。一方、ユタ州知事スペンサー・コックス氏は、ロビンソン容疑者が「左翼的イデオロギーを持っている」と発言したが、詳細には触れなかった。
銃弾に刻まれたミーム:「ヘイ、ファシスト!受け取れ!」 捜査当局は現場近くで回収したライフル弾に、インターネットやゲーム文化に由来する奇妙な刻字を発見した。この深刻な政治的殺人事件に、思わぬ異様さを添えている。
使用済みの弾丸には「ヘイ、ファシスト!受け取れ!」(Hey Fascist! Catch!)と刻まれており、さらに未使用の3発には「これを読んだら、あなたはGAY Lmao」といった挑発的な文言が残されていた。また、「NoTices Bulge, OWO What’s This?」という刻字は、ネット上で「獣趣味(furry)」を揶揄するミームの引用だとみられている。
ロビンソン容疑者はルームメイトへのメッセージで、こうした刻字を「単なる大きなミーム」と説明し、「もしFOXニュースでこれを報じるのを見たら、中風を起こすかもしれない」と自嘲気味に語っていたという。
策謀から自首へ──家族の疑念と元警官の説得 カーク氏がユタバレー大学で講演中に銃弾を受けて死亡した後、当局は大規模な捜査を開始した。警察が公開した容疑者写真を見たロビンソン容疑者の両親は、それが息子に酷似していることに気づき、さらに犯行に使われたとされるライフルが父親から息子へ贈られたものと一致していた。
事件翌日、母親が電話をかけると、ロビンソン容疑者は「体調が悪く家にいる」と嘘をついたが、父親との通話では一転して自ら犯行をほのめかし、「刑務所には行きたくない。すべてを終わらせたい」と語った。そのうえで、「世の中にはあまりにも多くの邪悪があり、あの男(カーク)は憎悪をまき散らしている」と説明したという。
最終的に、家族の友人である元副保安官の説得を受け入れ、ロビンソン容疑者は自首を決意。数百マイルに及んだ追跡劇は終わりを告げた。
またルームメイトとのやり取りでは、「少なくとも1週間以上かけて計画した」と述べ、「本当は死ぬまで秘密にするつもりだった」と明かしていた。さらに、ルームメイトに「メッセージを消し、警察には何も話すな」と指示しており、この行為が証人妨害にあたるとして2件の罪が追加された。
16日、ロビンソン容疑者は短いビデオ出廷に臨んだが、無表情のまま自らの名前を述べるだけだった。裁判官は保釈を認めず、国選弁護人の選任を命じた。次回公判は9月29日に予定されている。同時にFBIのカッシュ・パテル局長は議会証言で、この事件に関連するDiscord上のチャットルームを含め「関係者全員を調査している」と明らかにした。
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