ロサンゼルス・ドジャースの二刀流スター、大谷翔平が再びMLBの歴史に名を刻んだ。17日(現地時間)の本拠地フィラデルフィア・フィリーズ戦で先発登板し、5回を無安打無失点、5奪三振の圧巻の投球を披露。さらにシーズン50号本塁打を放ち、史上6人目となる「2年連続50本塁打」に到達した。同時に、自身初の「シーズン50本塁打・50奪三振」という前人未到の記録を樹立した。試合は6-9でドジャースが逆転負けしたものの、大谷の活躍はMLB史に刻まれる一日となった。
164キロ剛速球、5回無安打でフィリーズ打線を封じ込める
試合はナ・リーグ西地区首位のドジャースと、すでに東地区優勝を決めたフィリーズとの頂上対決となった。大谷は10日ぶりにマウンドに戻り、シーズン2勝目を狙った。初回、強打者カイル・シュワーバーに対して投じた初球は、自己最速タイとなる163.6キロ(約101.7マイル)の速球。最後は鋭いスライダーで見逃し三振を奪い、試合の幕を開けた。
その後も大谷は160キロ前後の速球と変化球を自在に操り、精度の高いコントロールでフィリーズ打線を寄せ付けなかった。5回までわずか68球で1四球、5奪三振、無安打無失点の内容で4点リードを守り、勝利投手の権利を得て降板した。試合後、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「彼は完全に試合を支配していた。相手は全く打てる気配がなかった」と絶賛した。
牛棚崩壊で勝ち投手権利消滅 8回に50号ソロで意地の一撃
大谷翔平がマウンドを降りた直後、試合は大きく動いた。6回表、救援陣が相次いで打ち込まれ、フィリーズ打線に9人が打席に立つ猛攻を浴びた。3ランを含む2本の本塁打を許し、この回だけで6失点。大谷の勝ち投手の権利は消滅し、試合も一転して4対6と劣勢に立たされた。
しかし本拠地の重苦しい雰囲気を振り払ったのは、再び大谷自身のバットだった。8回裏、2点を追う場面で先頭打者として打席に立つと、相手2番手ロバートソンが投じた2球目、内角へのカットボールを完璧に捉え、右翼席スタンドへと運んだ。
この打球は滞空時間6秒を超える豪快な一発で、飛距離131メートル、打球初速は182.5キロに達した。打った瞬間、大谷は笑みを浮かべながら打球の行方を見つめ、自信に満ちた様子を見せた。これがシーズン50号本塁打であり、先発登板試合での通算16本目(今季4本目)の本塁打となった。
MLB史に刻む「二刀流」の象徴的記録
この50号はチームを1点差に追い上げるだけでなく、大谷を歴史的な存在へと押し上げる一打となった。大谷はベーブ・ルース、マーク・マグワイア、ケン・グリフィーJr.、サミー・ソーサ、アレックス・ロドリゲスに続き、MLB史上6人目となる「2年連続50本塁打」を達成。前回がA・ロッドの2001~2002年であり、実に23年ぶりの快挙である。
さらに、大谷は1921年のベーブ・ルース以来、シーズン中に投手として勝利を挙げつつ50本以上の本塁打を放った史上2人目の選手となった。そして史上初めて「シーズン50本塁打かつ50奪三振」を同時に記録。二刀流の象徴ともいえる唯一無二の偉業を成し遂げた。
編集:梅木奈実 (関連記事: 大谷翔平「OHTANI DAY」第5弾 直筆漢字サイン入り公式球を限定1点で抽選販売 | 関連記事をもっと読む )
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