米副大統領ヴァンス氏「カークの名にかけて」左翼テロ徹底掃討を宣言 一方『エコノミスト』は「極右暴力の方が規模も致死性も大きい」と警告

2025-09-17 10:55
2025年9月12日、ニューヨークのマディソン・スクエア・パークで行われた追悼集会で、若手共和党員が「アメリカの転換点」創設者チャーリー・カーク氏を悼む。(AP通信)
2025年9月12日、ニューヨークのマディソン・スクエア・パークで行われた追悼集会で、若手共和党員が「アメリカの転換点」創設者チャーリー・カーク氏を悼む。(AP通信)
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米国の保守系若手リーダー、チャーリー・カーク氏(Charlie Kirk)が先週、ユタ大学での演説中に銃撃され死亡した。全米に衝撃が広がる中、副大統領ジェームズ・デイヴィッド・ヴァンス氏(JD Vance)やホワイトハウス高官は直ちに矛先を左派に向け、「カークの名にかけて」左翼の「テロ運動」を一掃する方針を示した。

だが、英誌『エコノミスト』が9月12日に掲載した分析によれば、米国で近年発生している政治的暴力の大半は依然として極右勢力によるものだという。左翼による事件も増加傾向にはあるが、その規模も致死性も極右に比べればはるかに小さいと指摘。標的は政治家やデモ参加者、政府機関など多岐にわたる。専門家は「暴力の件数が単純に増えたのではなく、両党の対立が一層深刻化し、分断が進む社会で“注目を集めたい”動機から政治的攻撃に走る人が増えている」と警鐘を鳴らしている。

ホワイトハウス「カークの名にかけて」左翼掃討を宣言

米国の保守系若手リーダー、チャーリー・カーク氏(Charlie Kirk)が9月10日、ユタ大学での演説中に銃撃され死亡した。全米に衝撃が走り、警察は2日間の追跡の末、22歳のタイラー・ロビンソン容疑者を逮捕。共和党支持家庭の出身だが、ユタ州のスペンサー・コックス知事は「左派的な思想を持っていた」と述べるにとどまり、詳細な動機は明らかにされていない。

犯行の背景が依然不透明ななか、副大統領ジェームズ・デイヴィッド・ヴァンス氏(JD Vance)やホワイトハウス高官は素早く左派を非難。『アルジャジーラ』によると、この発言は9月15日に配信されたカーク氏のポッドキャスト番組で行われ、ヴァンス氏が司会を務め、複数の政府高官が次々と登場した。

ホワイトハウス副首席補佐官のスティーブン・ミラー氏は番組で「これは組織的なテロ攻撃だ」と断定し、「必ず行動する、カークの名にかけて」と強調。「この恐怖ネットワークを徹底的に一掃する」とも語った。

ヴァンス副大統領も強い言葉で、暴力を扇動・助長・参加する非政府組織を標的とし、この事件を左翼運動との戦争と位置づける姿勢を鮮明にした。だが、警察はあくまで「単独犯による犯行」との見方を示しており、動機はなお不明だ。

2025年9月10日、チャーリー・カーク(Charlie Kirk)はユタバレー大学で演説を行い、その後銃撃され死亡した。(AP通信)
2025年9月10日、チャーリー・カーク(Charlie Kirk)氏はユタバレー大学で演説を行い、その後銃撃され死亡した。(AP通信)

カーク氏は保守系学生団体「ターニング・ポイントUSA(Turning Point USA)」の創設者で、トランプ大統領やヴァンス氏との距離も近い存在だった。ヴァンス氏は番組で「彼は私が出会った中で最も優れた政治戦略家だ」と称賛し、「トランプ氏の大統領当選も、自らの副大統領就任もカーク氏の力なくしては実現しなかった」と振り返った。

ただし、事件の詳細がまだ解明されていない段階で、ホワイトハウスが「左翼テロ掃討」を掲げる姿勢に対し、批判的な声も少なくない。反トランプ派からは「異論を抑え込む口実になりかねない」との懸念が広がっている。

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