「トランプ・習近平会談」は11月に北京で開催か、それとも韓国APEC首脳会議か。英紙フィナンシャル・タイムズが14日に報じたところによれば、中国政府は米国のトランプ大統領に対し、北京で習近平国家主席と会談するよう正式に招請した。しかし、関税交渉やフェンタニル問題で双方の隔たりが依然として大きく、ホワイトハウスは中国側の招待に回答していない。
米国のベセント財務長官は14日からスペイン・マドリードで、中国の何立峰副首相と第4回通商交渉を行っている。今回の協議は、トランプ氏がアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席する前に中国を訪問するための道筋となる可能性がある。今年のAPEC首脳会議は10月31日、韓国の慶州で開幕する予定である。
ハイレベル会談が相次ぎ、首脳会談の開催地に注目集まる
米国のルビオ国務長官とヘグセス国防長官はこのほど、それぞれ中国の王毅外交部長、董軍国防部長と電話会談を行った。外部では、これが「トランプ・習近平会談」開催に向けた事前調整の一環ではないかとの見方が広がっている。
また、トランプ大統領と習近平国家主席がアジア太平洋経済協力会議(APEC)の場で会談する可能性も取り沙汰されている。報道は関係者の話として、米中交渉が十分に進展していないことから、北京での首脳会談の実現性は低く、両首脳がAPECの場でより控えめな形式で会談する可能性が高いと伝えている。

北京とワシントンの分裂 フェンタニル最大の障害に
ホワイトハウス前中国担当上級官員のサラ・ベラン氏は、最近行われた米中高官の通話やマドリードでの通商協議について「明らかに首脳級会談の準備である」と指摘した。ただし、会談の具体的な開催地は依然不透明だという。
ベラン氏はまた、「トランプ・習近平会談」が北京で行われるのか、あるいはAPEC首脳会議の場で実施されるのかについては意見の相違が残っていると述べた。そのうえで、北京側がなお模索しているのは、トランプ政権が求めているものが実質的な合意なのか、継続的な交渉なのか、それとも北京での写真撮影による宣伝効果なのか、という点であると語った。
関係筋によれば、米国は中国がフェンタニル製造に使われる化学物質の輸出を十分に取り締まっていないことに強い不満を抱いており、これが交渉の最大の障害となっている。中国側は対応する用意を示しているが、その前提としてトランプ氏が課したフェンタニル関連の関税撤廃を要求している。これに対し米国は、中国がまず行動を取り、具体的な成果を示すことを求めているという。 (関連記事: 独占》台湾の安全保障「三つの一致」が鍵 元台湾駐在の泉裕泰氏が国民党青年団に警鐘 | 関連記事をもっと読む )

北京首脳会談の意義は薄れ、APECが折衷の舞台に
しかし、米中交渉の最大の障害は依然としてフェンタニル問題にある。交渉に詳しい関係者によれば、米国側は中国がフェンタニル合成に用いられる化学物質の輸出を十分に取り締まっていないことに強い不満を抱いているという。中国は対応する用意を示しているが、その前提として、トランプ氏がフェンタニルを理由に中国へ課した関税の撤廃を要求している。これに対し米国は、いかなる関税緩和の前にも、中国が先に行動を取り、成果を示すべきだと主張している。