トランプ最側近カーク氏射殺 31歳保守派指導者の死に米国全土が衝撃、政界緊張高まる

2025-09-12 11:01
2025年9月10日、チャーリー・カーク氏がオレム市のユタ・バレー大学で演説を行った後、銃殺された。(写真/AP通信提供)
2025年9月10日、チャーリー・カーク氏がオレム市のユタ・バレー大学で演説を行った後、銃殺された。(写真/AP通信提供)
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アメリカの政治的分断と社会の亀裂がさらに深刻化している。強い影響力を持つ保守派の若手運動指導者、チャーリー・カーク氏が、米国西部時間9月10日水曜正午、ユタ・バレー大学(Utah Valley University)での屋外演説中に狙撃され死亡した。犯人は依然として逃走中であり、FBIは緊急に情報提供を呼びかけ、大学や周辺都市では治安体制が全面的に強化されている。カーク氏の死は直ちに超党派の指導者による非難を呼び起こし、オバマ元大統領やブッシュ元大統領らも一斉に政治的憎悪を終わらせるよう訴えた。

海外メディアは今回の事件を、アメリカにおける政治的極化の危険な兆候と一様に受け止めている。『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、トランプ氏がリーダーシップを発揮し、国を「狂気」から導き出すべきだと呼びかけた。しかし、トランプ氏は矛先を左派に向け、「急進左派の言論」がカーク氏襲撃に「直接的な責任を負う」と主張した。

ニュース小辞典:チャーリー・カークとは誰か?中退から「MAGAの国師」へ

わずか31歳にして、カーク氏はアメリカ保守派で最も影響力を持つ若手指導者の一人と目されていた。2012年、18歳で大学を中退した彼は「ターンニング・ポイントUSA(TPUSA)」を創設し、大学キャンパスに広がる左派的風潮に対抗しながら、自由市場や小さな政府を掲げる理念を広めた。卓越した弁舌と巧みなSNS戦略によって、TPUSAは全米850以上の大学へと拡大した。カーク氏はまた、トランプ大統領の「アメリカを再び偉大に(MAGA)」運動の中核的盟友でもあり、大量の若い有権者を動員してトランプ氏を支持させたことで、2024年大統領選における重要な推進力とみなされていた。

銃撃が発生する前の数分

AP通信によれば、演説を前にユタ・バレー大学の学内では賛否が分かれていた。インターネット上ではカーク氏の登壇を禁止するよう求める署名活動が行われ、約1,000人近い賛同が集まった。しかし大学側は先週声明を発表し、合衆国憲法修正第1条を引用して「言論の自由、学問的探究、そして建設的な対話を守る決意」を改めて強調した。

演説当日の映像では、カーク氏が観客から銃乱射事件と銃暴力に関する質問に答えている様子が映っていた。
「この10年間で、何人のトランスジェンダーのアメリカ人が銃乱射事件を起こしたか知っていますか」と観客が問うと、カーク氏は「多すぎる」と応じた。さらに「では過去10年間、米国で何件の銃乱射事件があったか知っていますか」と追及されると、カーク氏は「ギャング暴力も含めるのか」と問い返した。直後に銃声が響き渡った。 (関連記事: 「MAGA国師」カーク氏射殺 トランプ大統領の最側近、キャンパス演説中に銃撃され米国全土で半旗哀悼 関連記事をもっと読む

カーク氏の訃報は全米政界に衝撃を与えた。彼と親交の深いトランプ大統領は、独自のSNS「Truth Social」で当初は「無事を祈る」と投稿したが、続いて死去が確認されたことを明らかにし、深い哀悼の意を表した。さらに「真に偉大な米国の愛国者」を悼み、全米で日曜午後6時まで半旗を掲げるよう命じた。

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