品川1時間120ミリ・目黒134ミリ・大田110ミリ・世田谷92.0ミリ
活発な秋雨前線と湿った空気の影響で、11日午後の関東地方は大気の状態が非常に不安定となり、東京都内各地で猛烈な雨が観測された。気象庁は午後にかけて「記録的短時間大雨情報」を相次いで発表し、土砂災害や浸水害、河川氾濫への厳重な警戒を呼びかけている。

都内各地で相次ぐ記録的雨量
気象庁によると、午後3時30分までの1時間に品川区付近で約120ミリ、午後3時20分までの1時間に目黒区緑が丘で134ミリ、同じく大田区付近で約110ミリの雨が解析された。さらに世田谷区では午後2時40分までの1時間に92.0ミリを観測し、統計開始以来の最大値を更新。いずれも「数年に一度」の猛烈な降水とされている。
都内で氾濫・浸水・土砂災害の危険
世田谷区を流れる谷沢川では午後2時半ごろに氾濫発生情報が出され、渋谷区では道路冠水が発生。午後3時40分には目黒区・大田区・世田谷区に土砂災害警戒情報が発表され、警戒レベル4相当の極めて危険な状況となった。

空と陸の交通に混乱
羽田空港では雷雲接近のため、全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)が一時的に地上作業を全面中止。離着陸が停止し、便の遅延が相次いだ。
新幹線は一時見合わせ後に全線再開
鉄道では、東海道新幹線が品川~新横浜間の豪雨により東京~小田原間で一時運転を見合わせた。その後は運転を再開したが、ダイヤの乱れは続き、静岡・名古屋・新大阪・岡山方面にかけて広い区間で遅延が発生した。しかし、午後には東海道新幹線は全線で運転を再開し、現在は雨規制による速度制限のため、各列車に大幅な遅れが出ている。
今後の見通し
気象庁は「すでに災害が発生している可能性がある」と警告。関東では12日未明にかけて局地的に非常に激しい雨が予想され、12日朝6時までの24時間雨量は栃木県で120ミリ、群馬県で100ミリ、東京や埼玉でも80ミリに達する見込みだ。
住民には市区町村からの避難情報を確認し、危険を感じた時点でただちに安全な場所へ移動するよう求められている。夜間の避難が困難な場合には、自宅の2階以上や頑丈な建物の上階などで身を守ることが推奨されている。
関東地方では今後も浸水や河川の氾濫、土砂災害に厳重な警戒が必要であり、落雷や竜巻、ひょうなどの突風被害にも十分注意が呼びかけられている。
編集:梅木奈実 (関連記事: ルミネ最大規模「ニュウマン高輪」9月12日開業 約200店舗と空中庭園で新時代の体験型商業施設へ | 関連記事をもっと読む )
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