世界の半導体産業を代表する年次イベント「SEMICON Taiwan 国際半導体展」の関連フォーラムが相次いで開かれている。台湾の外交部は今年、初めて国際半導体産業協会(SEMI)、中華経済研究院(CIER)、そして科技・民主・社会研究センター(DSET)と連携し、会場のサイドイベントとしてフォーラムを共催した。外交部長の林佳龍氏は「『信頼できるテクノロジー台湾(Trusted Technology Taiwan)』は、民主主義国家が人工知能(AI)や非レッドサプライチェーンを推進する上で最良のパートナーになる」と述べた。
SEMICON Taiwan 国際半導体展は10日に開幕する予定で、外交部は9日午後、DSET、CIER、SEMIと共同で「2025 半導体と地政学フォーラム:供給網の強靱性と戦略の新局面を探る」と題するイベントを開催した。米国、日本、欧州、アフリカ、ベトナムなど8カ国・地域の登壇者を招き、各国と台湾との半導体供給網協力、さらに世界的な戦略再編の中で半導体産業が直面する課題と機会について議論した。
また、このフォーラムには半導体と地政学をテーマにした重要著作の執筆者3人も集結した。オランダの露光装置メーカーASMLの成長を描いた『光をつくる者たち』の著者マーク・ハインク氏(Marc Hijink)、『半導体日本地政学』の著者である太田泰彦氏、そして『チップ・ウォー・トライアングル(晶三角)』の共著者フィリップ・ウォン氏(Philip Wong)である。
林佳龍氏「台湾との協力で信頼できるAIサプライチェーンを構築」
外交部は今夜、報道資料を発表し、林佳龍外交部長が午後の開幕挨拶で述べた内容を紹介した。林氏は、今回が外交部として初めての共催フォーラムであり、8カ国から産官学の代表が出席したことは、地政学的緊張が高まる中で台湾が世界の半導体供給網において戦略的地位を占めていることを示すものだと強調した。
林氏はさらに、AI産業チェーンにおいて、台湾は半導体製造からパッケージング・テスト、サーバー組み立て、データセンター建設に至るまで重要な役割を果たしていると指摘した。米国の「Stargate計画」、NVIDIAやAppleによる巨額投資、さらにはGoogle、Amazon、Meta、MicrosoftによるAI戦略的展開においても、台湾は欠かせないパートナーであると述べた。 (関連記事: 生成AIに初の大規模和解 Anthropicが50万人作家に賠償、1冊3000ドルが国際基準に? | 関連記事をもっと読む )

林佳龍外交部長は、台湾と米国がAI半導体、モデル、応用分野で「共同艦隊」を構築すべきだと強調した。これは米国の優位性維持を支援すると同時に、台湾企業が米国市場や技術、資金を活用することで、民主国家による供給網の拡充と経済の強靱性向上につながると述べた。さらに外交部は今後、国際半導体産業協会(SEMI)や台湾区電機電子工業同業公会(TEEMA)などと連携し、「大が小を牽引し、ソフトとハードを兼ね備え、公私協力、内外循環」を組み合わせた方式で「新たな雁行型国際共同艦隊」を形成し、台湾を世界へ導く方針を示した。