米日協定の内容と「密約」報道
米国と日本は7月に貿易協定で合意していたが、トランプ米大統領が署名を先延ばしにしたため、一時は協定の行方が不透明となっていた。ホワイトハウスは4日、トランプ氏が大統領令に署名したと発表し、日本に対し相互関税の減免措置を適用すると明言した。これにより、自動車関税は従来の27.5%から15%へ大幅に引き下げられた。
一方で、英フィナンシャル・タイムズ紙は「米日間に密約が存在する」と報道。その内容は以下の通りとされる。
1、日本は5500億ドルを米国に投資し、その使途はトランプ氏が決定する。
2、トランプ氏が指定した投資は45日以内に資金を拠出しなければならず、履行されなければ関税が再び引き上げられる。
3、投資の収益は日本の投資額が全額回収されるまで日米で折半するが、その後は米国90%、日本10%とする。
4、投資委員会は米商務長官ラトニック氏の主導で設置され、候補案件をトランプ氏に提出し最終決定を仰ぐ。
5、必要に応じて日本企業が商品やサービスを供給する可能性を認める。
韓国・欧州にも波及する可能性?
施俊吉・台湾前行政院副院長はSNSで「この方式が韓国(3500億ドル)、欧州連合(6000億ドル)にも適用される可能性がある」と指摘。トランプ流の「投資と関税の取引」がグローバルな枠組みへ拡大する懸念を示した。
台湾への警鐘 施俊吉氏の「7つの問い」
さらに施氏は台湾について、次の7つの論点を投げかけた。
1、米国は台湾にも投資を要求するのか。
2、その場合の投資総額はいくらになるのか。
3、民間企業による投資(工場設置や株式取得)は算入されるのか。
4、それとも政府による投資のみを対象とするのか。
5、政府が単独で投資するなら、財源はどこから確保するのか。
6、公民合同で投資する場合、どのような企業がトランプ氏の条件を受け入れるのか。
7、台湾はこの状況にどう対応すべきなのか。 (関連記事: 石破茂首相が退陣表明 矢板明夫氏「台湾にプラス」 小泉・高市の対中・対台政策に注目 | 関連記事をもっと読む )
編集:梅木奈実
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