トップ ニュース 舞台裏》台湾、日本主導の机上演習を土壇場で中止 背景に「敗北を見せられない」国防当局の判断か
舞台裏》台湾、日本主導の机上演習を土壇場で中止 背景に「敗北を見せられない」国防当局の判断か 日本戦略研究フォーラム(JFSS)が主催する米日台三者机上演習は、今年は本来なら台湾での開催が予定されていたが、最終的に直前で中止となった。(写真/提供者より)
地政学的緊張を背景に、「台湾有事は日本有事」との認識が広がり、台湾と日本の交流は一層緊密になっている。日本政界に強い影響力を持つシンクタンク「日本戦略研究フォーラム(JFSS)」は、2023年と2024年に続き、台湾を招いて机上演習を実施してきた。2025年8月28日と29日には、舞台を台湾に移し、台湾国防部支持の国防安全研究院と共催する計画が整っていたが、直前になって中止となった。しかも中止を決断したのは日本ではなく、台湾側であったとされる。
関係者によれば、今回の机上演習には前国防部長の邱国正氏が「国防部長」役として招かれていた。ある日、リュックを背負い私服姿で国防安全研究院を訪れた邱氏は、門前の衛兵に呼び止められた。邱 氏が「邱国正だ」と名乗っても衛兵は取り合わず、身分証の提示を求めたという。その後、邱氏が入館し、同研究院の霍守業董事長(四つ星上将)と面会した際には、衛兵の忠実な職務遂行を繰り返し称賛したという。邱氏が霍氏を訪ねていた事実は、この机上演習が確かに準備進行中であったことを示す。しかし、なぜ突如として断崖のごとく中止に至ったのかは依然として不明である。
日本のシンクタンクJFSS、前国防部長の邱国正氏を台湾チーム国防部長役に招く予定だったが、机上演習は突如中止となった。(写真/張曜麟撮影)
台湾が机上演習を急きょ中止 日本に大きな失望 JFSSの机上演習と台湾の関わりはどれほど深いのか。2023年、JFSSは「徹底検証:新戦略3文書と台湾海峡危機―2027年に向けた課題」をテーマに、初めて日本で米台日3カ国の机上演習を実施した。これは、日本が2022年12月に「国家安全保障戦略」などいわゆる「安保3文書(国防3文書)」を策定して以降、JFSSが初めて行った机上演習であった。当時、台湾は初めて招待を受け、国防安全研究院(国防院)の霍守業董事長(現役陸軍上将)、李廷盛副執行長(当時)、国防戦略与資源研究所の蘇紫雲所長(研究員兼任)、助理研究員の林彥宏、楊長蓉らがオブザーバーとして参加した。また、遠景基金会の賴怡忠執行長が「台湾総統」役を務めて演習に加わった。台湾側から現役四つ星上将の霍守業が出席したことで、日本国内で大きな注目を集め、メディアでも大きく報じられた。
2024年には、台湾は再び日本に招かれ、霍守業上将が再び代表を務めた。この時には、前参謀総長の李喜明氏(海軍退役上将)、李廷盛氏(空軍退役中将)も同行し、陸・海・空三軍の現役および退役の高級将官が揃って出席した。さらに李喜明氏は、国防部長や参謀総長役を自ら務め、机上演習に加わった。JFSS机上演習の重みを示す事例といえる。
日本で2年続けて机上演習を開催した後、当初2025年のJFSS机上演習は台湾で行う計画で、国防院も積極的に準備を進めていた。しかし、突如中止となった。関係者によれば、台湾側が土壇場で撤退を決め、日本側を大きく落胆させたという。『風傳媒』の取材によれば、この机上演習に向けて国防院は退役将官ら計27個星(階級章の星数合計)を動員する予定であり、邱国正前国防部長も「再び」国防部長役を担うことになっていた。日本側も、前回「台湾国防部長」や「参謀総長」を演じた李喜明氏を統制チームに招き、演習の主導部門に加えることにしていたほか、国会議員6名が来台して机上演習に参加する予定であった。
日本JFSS机上演習は当初、台湾国防安全研究院との共催が予定されていたが、最終的に破談となった。写真は、日本戦略研究フォーラム(JFSS)が来台し国防院と交流した際の様子。国防院の霍守業董事長(右から5人目)、前参謀総長の李喜明氏(右から4人目)、前副参謀総長の李廷盛氏(右から3人目)らが出席している。(写真/国防院公式サイトより)
総長級が率いる台湾チームが再試験 日本の机上演習に再び“大魔王”登場 これほど大規模に準備され、JFSSも国防安全研究院も重視していた机上演習が、なぜ半ば公式色を帯び、多方面の注目を集める中で中止となったのか。その背景には、台湾側が「大魔王」に怯んだとの見方がある。
2025年6月、台北政経学院和平與安全中心と中華戦略暨兵棋研究協会が主催し、米・日・台の上将9人、中将8人を集めた「総長級兵推」と呼ばれる台湾民間では近年最大規模の「台海防衛机上演習」が行われた。
この演習は大きな注目を浴びたが、漢光演習では常に「攻無不克、戦無不勝」とされてきた台湾チームが予想外の不振を示し、初日は具体的成果を出せなかった。管制チームは、前米太平洋軍司令官デニス・ブレア氏の提案を受け、台湾チームに翌日の「再試験」を命じ、さらに「今夜はしっかり考えて来い」と厳しい言葉を投げかけたのである。
台湾チームが演習当日に厳しい洗礼を受けた背景には、李喜明氏が主導する机上演習の「想定外の展開」があった。李氏は繰り返し難題を台湾側に突きつけたが、決して非情ではなく、「代替案はあるのか」と問いかける場面もあった。しかし台湾チームは答えを出せず、参加者の間では「最大の敵は中国チームではなく李喜明だった」と冗談交じりに語られるほどであった。記者会見で李氏自身も「多くの難題を課した」と認め、「もし自ら課題を設定しなければ、敵が予想外の難題を出してきた時に対応できない。むしろ机上演習で負ける方が、現実の戦場で敗北するよりはるかにましだ」と強調した。
興味深いのは、このように自国の実力を直視する李氏の姿勢が日本側から高く評価された点である。2024年には台湾国防部長・参謀総長役として演習に参加した李氏は、翌2025年、日側から管制チームに招かれ「大魔王」として再登場することになった。しかし、この人選こそが台湾側を慌てさせる要因となったのである。
6月に実施された「台湾海峡防衛机上演習」で、台湾チームが振るわない結果を示し、社会の注目と批判を呼んだ。(写真/柯承惠撮影)
台湾チーム再び恥をかくことを懸念 国家安全会議と国防部が日本に謝罪 指摘によれば、「台湾海峡防衛机上演習」が社会全体に大きな影響を与え、軍内部をも揺さぶったことが背景にある。もし台湾チームが再び試験に不合格となれば「民心と士気に影響しかねない」との懸念から、当時の国家安全会議副秘書長・徐斯儉氏(現・国家安全会議諮問委員)と国防部副部長・柏鴻輝氏が連携し、国防安全研究院を説得して日本に謝意を伝え、JFSS机上演習を中止する判断に至ったとされる。
国家安全会議と軍当局がこれほど神経質になった理由は何か。関係者によれば、JFSS机上演習は当初、日本側の方式にならい、初日はメディア公開、2日目は非公開での推演という計画であった。しかし内部会議で、李喜明氏が主導した兵推の「後遺症」に不安を抱く退役将官らが、メディアの入場に即座に反対した。国家安全会議と国防部が恐れたのは、もし台湾チームが再び精彩を欠き、漢光演習のような「無敵ぶり」を示せなければ、国内外で「面子を失う」という事態であった。結果として台湾側は、体面を保つため日方に対して演習中止を申し入れたのである。
台湾軍は現在もなお、「機密に関わる」との理由で多くの内容を対外的に公開しない慣行を続けている。机上演習も例外ではなく、これは現代の認知戦において「国民と戦略的に意思疎通を図る必要性」とは逆行しているともいえる。台湾軍の姿勢は、権威主義的なのか、それとも自信不足の表れなのか。あるいは本来やるべきだと理解しつつも、情報公開の線引きが分からず「面倒を避けるためにやらない」ということなのか。問題は今なお残されたままである。
日本が当初台湾で開催を予定していたJFSS机上演習は、前国家安全会議副秘書長で現国家安全会議諮問委員の徐斯儉氏(写真)と、国防部次長の柏鴻輝氏が阻止に動いた。(写真/顏麟宇撮影)
国軍机上演習に「負けられない伝統」 結末は常に「奇跡の逆転勝利」 国家安全会議と軍当局がなぜこれほど慎重になり、日本側の厚意による台湾での机上演習開催まで中止に追い込んだのか。その背景には「漢光演習机上演習」における特殊な伝統がある。
海外の多くの有力機関による机上演習では、台湾有事となれば国軍の苦境が予測されるケースが少なくない。だが、漢光演習の机上演習では不思議なほど、国軍がほぼ必ず勝利を収めてきた。軍関係者の一人は、国軍には「机上演習で負けられない」という伝統があると指摘する。
2020年の漢光36号演習では、5日4夜にわたるコンピューター机上演習で、紅軍(侵攻側)の戦力が「無限大」と設定されたにもかかわらず、防衛側の国軍はそれ以上に「強大」に描かれ、最終的に「無限大」を打ち破った。黄曙光参謀総長は「戦術的奇襲」を駆使したと説明し、中国軍の台湾侵攻に動員された50隻の潜水艦がほぼ壊滅。国軍が戦局を逆転し、大勝利を収めたとされる。
さらに2021年の漢光37号演習では、8日7夜の「複合式机上演習」が行われ、「史上最も厳しい敵情」を想定したと強調された。しかし結果は前年を上回るものであった。演習中、中国軍は計1370発もの各種ミサイルを発射し、20回以上にわたる猛攻を仕掛けたが、国軍の防衛力を麻痺させることはできなかった。さらには、一時的に制圧された澎湖諸島も国軍が反撃して奪還。分散して台湾本島に上陸した中国軍部隊も、ことごとく包囲殲滅される展開となった。
国軍の机上演習や実動演習には「負けられない伝統」があり、結末はしばしば「戦局逆転の大勝利」となる。写真は漢光演習での反上陸作戦実兵演習の様子。(写真/柯承惠撮影)
「机上演習での敗北を選んでも、現実での敗北は避けよ」 台湾、 靱性 強化を唱えつつ問題直視せず 海外での机上演習は問題点を洗い出すために行われ、「兵推で負けても現実で敗北しない」ことを目的とする。しかし台湾の場合は異なり、軍当局には「絶対に負けられない」という前提がある。2008年の漢光24号演習のコンピューター兵推では、2009年に台海で戦争が勃発した初日に海空軍が全滅、さらには劍龍級潜水艦も撃沈され、陸軍のみが戦局を支えるという想定が描かれた。だがこのシナリオは大きな波紋を呼び、当時野党であった民進党の立法委員から「敗北主義」だと激しく批判され、北京に屈服するものだと断じられ、兵推を立案した軍関係者の処分を要求された。これ以降、政権が青でも緑でも、漢光演習の兵推では国軍の戦況がいかに不利であろうとも、必ず最後は「逆転勝利」で幕を閉じるという喜劇的な結末が定着した。
頼清徳総統は就任後、蔡英文前総統の下で始まった重要政策を引き継ぎ、社会全体の防衛レジリエンス強化を推進している。この「レジリエンス」とは、単に重要インフラを守り、災害被害を抑制するだけではなく、何よりも「国民の心」の強靭さを含んでいる。そのため国家安全会議と国防部は近年、各方面との戦略的コミュニケーションを強化してきた。
民間による机上演習も当然、その戦略的コミュニケーションの一環である。日本が実施するJFSS兵推も、議員や国民に戦争の現実を理解させ、受け入れさせることが狙いだ。しかし台湾はその点で十分に覚醒しているとは言い難い。米国が繰り返し台湾に「自ら防衛する意思があるのか」と問いかけるなか、台湾は表向きには強く「ある」と答えつつも、国内で大きな衝撃を与えた民間兵推で台湾チームが徹底的に打ちのめされると、国家安全会議と国防部が連携して日本側の兵推開催を阻止した。軍の「ガラスの心」を守るため、国民はぬるま湯に浸るように現実から遠ざけられ続けている。だが台湾が平穏を装い続けることで、果たして本当に平和を得られるのだろうか。
更多新聞請搜尋🔍風傳媒
最新ニュース
金正恩氏、プーチン氏との会談後に徹底警備 北朝鮮随行員が「現場の痕跡を完全消去」 北朝鮮の最高指導者、金正恩氏は北京訪問の際、再びロシアのプーチン大統領と対面で会談した。会談の内容に注目が集まる中、外国記者は会談終了後の「細かな対応」に目を留めた。金正恩氏が使用した椅子や机、飲み物用のカップなど、随行する北朝鮮の警護員たちは即座に拭き取り、すべての痕跡を消去した。これは金正恩氏のプライバシーや健康状態に関する情報が、意図せず敵対勢力に漏れ......
夏珍コラム:司法官に合格したら、まず拘置所で一週間を過ごすべき! 「司法官に合格した者は、まず刑務所で一週間拘留させて、見習いをさせる制度を導入すべきだ。」――京華城事件でおよそ1年間勾留されている柯文哲氏が、延長審理の場でこう主張した。裁判官や検察官にとって、柯氏を保釈させるか、さらに勾留を延長するかの判断は一層難しくなる。柯氏は「司法の厄星」と化し、釈放しても拘束しても波紋を広げる存在となっている。「勾留は最後の手段で......
JAL機長が酒気帯びで国際線大幅遅延 検査記録改ざんも発覚、国交省が調査へ 日本航空(JAL)は4日、国際線の機長が宿泊先で飲酒し、翌日の勤務前に酒気帯び状態で検査に引っかかったため、運航予定だった便が最大18時間遅延したと発表した。機長は複数回にわたり酒精検査記録を改ざんしていたことも判明し、解雇を含む厳しい処分が検討されている。影響は3便に及び、約630人の乗客が不便を強いられた。ハワイ発中部行きで発覚 最大18時間の遅延問題が......
世界「最も安全な国」ランキング発表 18年連続首位はどこ?台湾の順位にも注目 世界最新の平和指数が発表され、注目を集めている。その中で台湾のスコアは1.730で「40位」となり、昨年より2ランク下がった。一方、アイスランドは「18年連続」で世界最も平和な国の座を維持している。最新GPI発表!2025年の世界平和指数によると、今年の世界平均の平和水準は再び0.36%低下し、12年連続の悪化となった。主因は、国際紛争が「第二次世界大戦以降......
米国、台湾海峡有事に備え動く兆候 国防部予算書が示す米台軍事協力の新局面 台湾と米国の間には、すでに「モントレー対話」「国防安全会談」「政治・軍事対話」という三つの定例対話の枠組みが存在している。しかし、国防部が公表した2026年度予算書によれば、新たに「国防政策プロジェクト会議」が設置され、双方の軍事議題を扱う最上位の対話プラットフォームとなる見通しである。淡江大学国際事務与戦略研究所の兼任助理教授である揭仲氏は、これは米台間の......
ネットが急に遅くなった?9本の海底ケーブル損傷、「台湾が孤立危機」と報告、「修復時間」を説明 台湾は現在、10本の国内海底ケーブルと14本の国際海底ケーブルによって外部との通信を担っている。2024年にはデジタル発展部(数発部)が行政院に承認を受け、台湾─馬祖間の海底ケーブルを含む10本の国内海底ケーブルを重要基盤施設として指定する計画である。近年、海底ケーブルの劣化に加えて台湾の海底ケーブルが「人為的破壊」によって被害を受けることが多く、中国の「グ......
再生エネルギーの逆襲?2040年に50万トンの廃棄太陽光パネル 環境汚染の新たな火種に 日本政府は当初、廃棄された太陽光パネルを回収システムに組み込むことを法律で義務付けることを検討していたが、「誰が回収費用を負担するか」という課題で行き詰まっている。責任の分配に関する合意が得られないため、現在、立法作業は一時中断されている。環境大臣の浅尾慶一郎氏は、廃棄された光電板を適切にリサイクルすることが将来の主要な課題であると指摘し、再生可能エネルギー......
イチロー選抜、女子高校選抜に快勝 14奪三振&松井秀喜の一撃に観客2万人熱狂 日米の球界で活躍したイチロー氏(51)、松井秀喜氏(51)、松井稼頭央氏(49)、松坂大輔氏(44)が出場した「SATO presents 高校野球女子選抜 VS イチロー選抜 KOBE CHIBEN」(読売新聞社など主催)が8月31日、名古屋市のバンテリンドームナゴヤで行われた。イチロー氏、松井秀喜氏、松井稼頭央氏、松坂大輔氏が「SATO presents......
舞台裏》台湾・台中市長の盧秀燕氏、国民党主席選挙には不出馬 党内外の勧誘も一蹴 台湾・国民党は8月23日に行われた大規模リコール投票で圧倒的勝利を収め、危機を回避した。しかしその直後、次期党主席をめぐる不安が党内で広がった。党内から大きな期待を寄せられていた台中市の盧秀燕市長は、8月24日、台中の産業や市民生活が厳しい状況にある今、「市長としての責務を全うする」と述べ、党主席選への不出馬を表明した。現任党主席の朱立倫氏は再三にわたり盧氏......
プーチン氏と習近平氏、マイク切り忘れで発覚!「臓器移植で若返る、150歳も可能」と習氏 9月3日、北京で行われた抗日戦争および世界反ファシズム戦争勝利80周年記念の九三軍事パレードにおいて、中国国家主席習近平氏とロシア大統領プーチン氏の間で驚くべき会話がマイクに拾われた。二人は臓器移植や不老不死の可能性について議論し、プーチン氏も後に記者団に、習近平氏と寿命延長の技術的展望について話し合ったことを認めた。映像には北朝鮮の金正恩氏も二人と肩を並べ......
中国人民解放軍の新装備と戦略が大幅進化 専門家「九三軍事パレードは驚異的」 今日(9月3日)は一年一度の「九三軍人節」であり、頼清徳総統は忠烈祠で秋の祭典を執り行った。一方、中国は抗日戦争勝利80周年を記念して、北京で10年に一度の「九三軍事パレード」を開催した。会場には中国の友好国首脳や国際要人も招かれ、最新鋭の解放軍兵器が多数展示され、軍事専門家やミリタリーファンの注目を集めた。国内の軍事専門家は、解放軍の新型兵器の性能や種類だ......
呉典蓉コラム:柯文哲を拘留することは司法の恥である 《震傳媒》の世論調査によれば、すでに有権者の約半数が、前民衆党主席の柯文哲氏は「政治的理由で勾留されている」と考えているという。同じ調査機関が昨年11月に実施した際には、ほぼ半数が「柯氏の勾留は必要な手段である」と回答していた。つまり、勾留が長引くほど、司法の公正性に対する疑念が強まっていることを示している。与党・民進党関係者は、民衆党側の「不当な勾留」との......
評論:司法が最も冷酷な国家暴力となるとき 司法が一度でも独立と公正から逸脱すれば、それは最も冷酷な国家暴力となる。台湾は民主社会を標榜しているが、柯文哲氏の事件で論争を呼んだ度重なる勾留延長や取り調べ手法から、リコール署名をめぐり全国で二十人以上が拘束された事例に至るまで、繰り返し「濫権」が正義の衣をまといながら、手続きと人権を踏みにじる場面が見られてきた。政治的な勾留が懲罰と化し、取り調べが辱めと......
インドネシア大統領、就任1年足らずで抗議3度 強権と譲歩の狭間で統治危機 インドネシアのプラボウォ大統領は就任から1年も経たないうちに、すでに3度にわたり全国規模の抗議を引き起こしている。直近の抗議は議員手当をめぐる問題が発端となり、少なくとも10人が死亡する事態に発展し、政権発足以来最大の危機となった。複数の海外メディアは9月の分析で、プラボウォ氏が抗議に対し軍や警察を動員して弾圧する一方で、象徴的な譲歩を見せていると指摘した。......
ポルトガル首都リスボンの象徴ケーブルカーが脱線横転 死者15人、負傷者18人に拡大 ポルトガルの首都リスボンで9月3日夕方、人気観光施設「エレヴァドール・ダ・グロリア(Glória Funicular)」が脱線し、建物に激突した。事故で少なくとも15人が死亡、18人が負傷した。政府は9月4日を全国哀悼日と定め、リスボン市長は「都市にとって未曽有の悲劇だ」と述べた。事故の概要事故は現地時間午後6時15分ごろに発生した。目撃者によれば、ケーブル......
アフガニスタン強震で村が壊滅 死者1400人超、遺体は布不足で毛布に包まれ埋葬 マグニチュード6.0の強震がアフガニスタン東部を直撃し、タリバン政権当局は死者が1400人を超え、負傷者も3100人以上に達したと発表した。多くの住民はいまだ倒壊した家屋の下に取り残されており、救援隊は必死の捜索活動を続けている。軍事優先で国際社会との関係が冷え込むタリバン政権は、海外からの支援を失い、さらにイランやパキスタンから数百万人規模のアフガン移民・......
台風15号(ペイパー)発生 週末日本列島に台風接近、九州・四国を直撃へ 中央気象署は9月4日未明、今年第15号台風「ペイパー(琵琶)」の発生を発表した。気象専門家の呉徳榮氏によれば、台風は本日九州を襲い、明日には四国や本州南部に接近する見通しで、台湾には影響を及ぼさないとみられる。ただし台湾では引き続き午後の激しい雷雨に注意が必要で、突発的な豪雨や雹の可能性もあるという。台風15号(ペイパー)の進路中央気象署によると、日本・九州......
九三軍事パレード習近平演説まとめ 「台湾には触れず」も主権強調、抗日戦線の主導を再確認 中国は本日午前9時(日本時間10時)、北京・天安門広場で「中国人民抗日戦争および世界反ファシズム戦争勝利80周年」記念大会と軍事パレードを実施した。国家主席の習近平氏は約10分間の演説を行い、ロシアのプーチン大統領や北朝鮮の金正恩氏を含む26か国の首脳が見守る中、中国の戦略的立場と政策方向を示した。演説では「台湾」の名は一度も登場しなかったものの、「国家主権......
東京駅に新登場「東京ばにゃ奈クッキーズ」 発売1か月で15万枚突破、SNSでも話題沸騰 株式会社グレープストーン(本社:東京都中央区銀座)は13日、デザイン会社CHOCOLATE Inc.と共同開発した新クラフトクッキーブランド「TOKYO BANYANA COOKIES(東京ばにゃ奈クッキーズ)」が、JR東京駅構内に2025年7月17日にオープンして以来、わずか1か月で累計販売15万枚を突破したと発表した。“お菓子とキャラクターの融合”を掲げ......
インドネシア学生デモ、死者8人に 催涙弾と火炎瓶で緊張高まる インドネシア・西ジャワ州のバンドン市で、学生団体と当局の間で激しい衝突が続いており、警察は市内2大学の周辺でデモ参加者に催涙弾を発射した。この抗議活動は既に8人の死者を出しており、抗議者の一部は省議会の建物に火炎瓶を投げ込むなど、緊張は一層高まっている。ロイター通信によると、バンドンイスラム大学(Bandung Islamic University)と隣接す......
習近平氏、プーチン氏、金正恩氏が「歴史的共演」 中国の軍事パレードで中ロ朝が連携誇示か 本日3日午前9時(日本時間10時)、中国は北京の天安門広場で「中国人民抗日戦争および世界反ファシズム戦争勝利80周年」を記念する軍事パレードを開催した。この「九三軍事パレード」で最も注目されたのは、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、そして北朝鮮の金正恩総書記が、国際舞台で初めて並び立ったことだ。中国国営中央テレビ(CCTV)の生中継によると、外国......
陸文浩の見解:「軍事パレード」直前、中国沿岸で航行禁止措置なし 民間RORO船は訓練継続か 中国共産党が主催する9月3日「軍事パレード」を目前に控えた8月24日から9月2日までの期間、中国沿岸の各海事局は、通常であれば軍事演習に伴って発表されるはずの航行禁止区域を設けていない。こうした状況について、筆者は台湾南西空域で中国軍機が活動していることから、以前から大規模なロールオン・ロールオフ船(RORO船)が汕尾(さんび)近海で行っていた軍事訓練が、人......
東大とデンソー、先進AIで「次世代生産システム」構築へ 社会連携講座を開設 東京大学大学院工学系研究科(研究科長:加藤泰浩)と株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:林新之介)は2025年4月1日付で、共同の社会連携講座「先進AI技術による持続可能な生産システム基盤の構築」を開設した。AIとデジタル技術を活用し、熟練工の暗黙知や現場ノウハウを体系化することで、次世代の製造現場に対応した生産運用プラットフォームの確立を目指す。持続......
イチロー&松井秀喜の直筆サイン入り!MLB公式メモラビリア新作、大谷翔平・山本由伸も登場 米国Fanatics Inc.の日本法人、ファナティクス・ジャパン合同会社は2025年8月27日、MLB公式オンラインショップにおいて、選手直筆サイン入りメモラビリアの最新コレクションを発売した。今回のコレクションは、日本人レジェンドから現役スターまでを網羅し、世界中のファンから注目を集めている。レジェンドから現役スターまで幅広いラインナップ今回の新作には、......
評論:台湾人気YouTuber・萊爾氏が『零日攻撃』に圧勝した衝撃の理由とは? 台湾の芸能人が中国本土で活動する際に招集され、文化大臣の李遠氏は「独立した意志を持つ台湾人であれ」と呼びかけた。しかし皮肉にも、政府はその「尊厳」と「独立性」を掲げる一方で、特定の文化関係者に巨額の補助金を支給している。歌手の大支は多額の補助金を受け取り、歌詞で野党を批判し、《零日攻撃》も1億元(約4.8億円)以上の資金援助を受けたが、内容は粗雑と評され、ア......
習近平、反米外交を誇示 上海協力機構サミットと九三軍事パレードで示した存在感 中国・天津で開催された上海協力機構(SCO)首脳会議と、第二次世界大戦終結80周年を記念する北京・天安門での大規模軍事パレードは、中国の習近平国家主席が国力を誇示する舞台であると同時に、英誌『エコノミスト』はこれを「反米パーティー」と評した。ロシアのプーチン大統領や北朝鮮の金正恩総書記を含む20カ国以上の首脳が一堂に会し、中国を中心に米国主導の秩序に疑義を呈......
米国株、台湾指数先物夜間取引急落!米国、TSMC南京工場の調達免除撤回 経済部対応発表 米ブルームバーグは9月2日、米政府がTSMC南京工場の「Validated End User(VEU)」資格を撤回すると報じた。これにより、同工場が米国製の半導体製造装置を輸入する際、従来の「グリーンチャンネル」(逐次申請不要)ではなく、案件ごとに個別申請が必要となる。この決定は先週、サムスン電子とSKハイニックスの中国工場に対して行われた措置と同様であり、......
アフガニスタンでM6.0地震 死者1400人超、タリバン政権が国際支援を要請 アフガニスタン東部で発生したマグニチュード6.0の強い地震により、同国は甚大な被害に見舞われている。国際的に孤立する状況の中、救援活動は困難を極め、死傷者数は急速に拡大している。タリバン政権はついに国際社会に支援を呼びかけざるを得ない状況となった。死者1411人超、瓦礫の下に多数が閉じ込めタリバン政権の報道官ザビフラ・ムジャヒド(Zabihullah Muj......
2ナノ半導体戦争:TSMC・サムスン・IntelにRapidus参戦、世界市場再編へ Apple、NVIDIA、クアルコム(Qualcomm)、アマゾン(Amazon)など世界の大手テック企業は次々とTSMCに製造を委託している。NVIDIAの黄仁勳(ジェンスン・ファン)CEOは8月に電撃訪台し、TSMCの魏哲家董事長と会談。次世代「Rubin」プラットフォームの協業を確認し、TSMCの先端技術が需要を強固に結びつけていることを示した。TSM......
天気予報》台風15号(ペイパー)発生の恐れ、進路変動で週末の天気が注目 中央気象局は、今週の台湾は午後を中心に雷雨が予想され、特に西部と山岳地帯では短時間の強い雨に注意が必要だと指摘している。また、9月7日深夜には月全食が観察されるが、南からの湿った空気の影響で、南部や花東地区は雲が厚く、明瞭に見ることができない可能性がある。一方、中部以北では雲の隙間から月を見るチャンスがあるだろう。気象局の予報士、張竣堯氏によると、現在、高気......
Rapidus、2ナノ技術でTSMCに肉薄 日本半導体復権の歴史的転換点? 日本の新興半導体ファウンドリーであるRapidusが発表した2ナノプロセス「2HP」の論理密度が237.31 MTr/mm²に達し、台積電(TSMC)のN2(236.17 MTr/mm²)とほぼ同水準に並んだことが明らかになった。海外メディア《Wccftech》が報じたもので、日本半導体が“追随者”から“競争者”へと転じる可能性を示す歴史的な転換点と評価され......
賴清徳総統、東京大学訪問団と会見 「台日協力と友情をさらに深化」 台湾の賴清徳総統は9月2日午後、総統府において「日本東京大学両岸関係研究グループ訪問団」と会見し、台海の安全保障やインド太平洋地域の平和に関心を寄せてきた同団の取り組みに謝意を示したうえで、交流を通じて台日協力と友好関係をさらに深めたいとの期待を表明した。賴総統「台日関係は密接」賴総統は挨拶で「松田康博教授をはじめ日本の学界の友人を再び総統府に迎えられ、心よ......
台湾、福島食品の輸入規制を全面解除へ 世界で残る規制国は中国・韓国・ロシアのみ 台湾の食品薬物管理署(食薬署)は8月29日、福島を含む日本食品に対する輸入規制を全面的に撤廃する方針を発表した。今後は産地証明や放射能検査報告の提出、逐次検査が不要となり、最短で年末にも新制度が施行される見通しだ。世界で残る規制国は中国・韓国・ロシアのみ衛生福利部の石崇良部長は「福島第一原発事故から10年以上が経過し、世界で規制を継続しているのは中国、韓国、......
台湾は周縁化?中国「九三軍事パレード」プーチン・金正恩出席で地政学リスク拡大へ 中国の「九三軍事パレード」が明日開催される。日本政府は事前に各国の政界関係者に参加しないよう「勧告」したが、台湾の国民党前主席洪秀柱氏をはじめ、ロシアのプーチン大統領や北朝鮮の金正恩総書記など、アジア太平洋地域の多くの指導者が出席する。このことは「誰が抗戦を戦ったのか」や「誰がアメリカの同盟国か」といった一連の論争を引き起こしている。一方で、台湾の民進党政府......