台湾は現在、10本の国内海底ケーブルと14本の国際海底ケーブルによって外部との通信を担っている。2024年にはデジタル発展部(数発部)が行政院に承認を受け、台湾─馬祖間の海底ケーブルを含む10本の国内海底ケーブルを重要基盤施設として指定する計画である。近年、海底ケーブルの劣化に加えて台湾の海底ケーブルが「人為的破壊」によって被害を受けることが多く、中国の「灰色戦術」と関連があるとされている。周辺海域では、ここ数年、中国漁船や砂船によって馬祖海底ケーブルが切られる事件や、中国籍の船舶「便宜船」がTPE国際海底ケーブルや台澎3号海底ケーブルを損傷させる事件が多発している。最近、「台湾9本の海底ケーブルが同時に麻痺した」との報道が台湾を「孤島の内ネット」にするのではないかと広く議論を呼んでいる。台湾事実調査センターはこれに対する調査報告を発表した。
調査報告では、一部のメディアが民間の観測サイトの監視データを引用している。データによれば、断線状態にある9本の海底ケーブルは、EAC2東南アジア方面、EAC1香港方面の部分断線、C2C(香港方面への影響)、RNAL NACS香港方面、FNAL香港-日本間、F/RNAL NACS日本方面、国内の台澎3号(2箇所)と台金2号を含む。ソーシャルメディアでは「海底ケーブルの断裂でネットワークが遅くなる」という議論が沸き起こり、政府に対する不満が投稿されている。「台湾海底ケーブルの動態地図」は台湾のサイバーセキュリティエンジニアによって開発されたものであり、政府機関や国際組織の所有するものではなく、情報源として内政部国土管理署、内政部地政司、中華電信など、および海外のサイトが使われている。
事実調査センターは、中華電信が3日に説明したところによると、国際海底ケーブルは多国間でつながっているため、各国際海底ケーブルは複数の共同投資者によって海底ケーブル運営同盟が設立され、同盟の情報は通常機密扱いで公開されないため、現段階では公的信頼性のある共用及びオープンな海底ケーブルデータベースは存在しないと指摘している。そのため、「台湾海底ケーブル動態地図」は公的機関に属さず、データが常に最新であるとは限らない。事実調査センターが調査したところ、このサイトでは9月2日未明4時25分に9本の断線海底ケーブルが表示されており、中華電信が運営する国内海底ケーブルの台金2号と台澎3号が含まれている。9月3日になるとこのサイトで台金2号と台澎3号が修復済みへ情報が更新された。
中華電信は2日に説明し、現在運営している10本の国内海底ケーブルはいずれも正常に運行し、かつて故障していた台金2号が今年の1月3日に修復されたこと、台澎3号の2箇所の故障点もそれぞれ5月7日と5月11日に修復されたことを述べている。 (関連記事: 再生エネルギーの逆襲?2040年に50万トンの廃棄太陽光パネル 環境汚染の新たな火種に | 関連記事をもっと読む )
中華電信は、投資している国際海底ケーブルサービスは正常に運行し、台湾側の国内海底ケーブルに断線はないとしている。調査報告では数発部も9月2日に、台湾の10本の国内海底ケーブルは正常に機能していることを確認しており、14本の国際海底ケーブルのうち、3本が障害事故で修復中であることを明かし、それらは北亜光ケーブル/北亜海底ケーブルシステム(RNAL/FNAL)、市通市海底ケーブルシステム(C2C)、東アジア交わり1号海底ケーブルシステム(EAC1)であると述べている。故障の原因には自然災害と人為的要因が含まれており、現時点ではバックアップルートを通じてサービスが継続提供され、通信には影響がない。数発部は3日に説明し、上記の3本の海底ケーブルは3社が修復を担当し、今年の9月から11月末までの間に順次修復されると見込まれているが、実際の修復時期は海底ケーブル修復船の配置及び海象によると説明している。