9月3日、北京で行われた抗日戦争および世界反ファシズム戦争勝利80周年記念の九三軍事パレードにおいて、中国国家主席習近平氏とロシア大統領プーチン氏の間で驚くべき会話がマイクに拾われた。二人は臓器移植や不老不死の可能性について議論し、プーチン氏も後に記者団に、習近平氏と寿命延長の技術的展望について話し合ったことを認めた。映像には北朝鮮の金正恩氏も二人と肩を並べる様子が映し出されている。《ガーディアン》は、両指導者の長期政権維持の野望と「永生技術」への関心が興味深い共鳴を示していると報じた。
習近平氏とプーチン氏の「永生対話」が漏えい
《ガーディアン》によると、二人が外国指導者団を案内中、中国中央テレビ(CCTV)の生中継カメラが一部の私的会話を偶然捉えた。天安門広場の閲兵台に向かって歩く際、プーチン氏の同行通訳が「生物技術は進化し続けている」と述べ、聞き取りにくい会話の後に「人間の臓器は絶えず移植され、若返り、さらには不老不死も可能だ」と言った。
これに対し、画面外の習近平氏は中国語で「本世紀中に150歳まで生きられるかもしれない」と返答する声が確認できた。
AP通信のライブ映像では約6分2秒付近で確認可能である。
一方、金正恩氏は笑顔で二人の方向を見ていたが、この会話が翻訳されたかは不明である。この映像はCCTVの生放送で流され、AP通信やロイター通信など国際メディアにも提供された。
その後、プーチン氏は記者団に対し、習近平氏と寿命延長の見通しについて話し合ったことを確認した。この会話は瞬く間に海外メディアの注目を集め、両者の「終身政権」の背景が際立った。習近平氏は2018年に国家主席の任期制限を撤廃して終身政権への道を開き、プーチン氏もロシア国内法を改正して長期政権を可能にしている。
プーチン氏家族も長寿研究に深く関与
プーチン氏は長寿技術に長年関心を寄せてきた。2024年には「新健康維持技術センター」を設立し、細胞老化防止や神経科学など長寿関連分野の革新研究を進めている。プーチン氏の親友であるミハイル・コヴァルチュク氏がロシアでの「永生研究」を主導しており、実験室で培養した細胞を用いて代替臓器を製造する「臓器プリンティング」技術にも投資している。
また、プーチン氏の長女マリア・ヴォロンツォワ氏は内分泌学者で、ロシア政府から数百万ドルの資金を受け、細胞再生や健康寿命延長の研究に従事。コヴァルチュク氏関連の遺伝子研究プロジェクトにも関わっている。2022年には米国が彼女に制裁を科し、国務省はクレムリンの数十億ドル規模の遺伝子研究プロジェクトを主導していると非難した。
北京九三軍事パレード、国際的には西側への挑発と受け止められる
同日、中国は抗日戦争および世界反ファシズム戦争勝利80周年を記念して史上最大規模の軍事パレードを実施。約5万人の観客が、中国戦車、無人機、長距離ミサイル、戦闘機、ステルス機など最新鋭の軍事装備を目の当たりにした。
《ガーディアン》は、この大規模パレードは西側諸国への挑発と受け止められる可能性があると報じている。プーチン氏、金正恩氏のほか、ベラルーシのルカシェンコ大統領、イランのペゼスキアン大統領、ミャンマー軍政指導者ミン・アウン・フライン司令官も招待され出席した。
習近平氏は公式演説で「中国人民は歴史的に正しい側に立つ」と強調し、「中華民族は強圧にも屈せず、自立自強の偉大な民族である」と述べ、明確に米国や西側同盟国を意識したメッセージを送った。また「中華民族の偉大な復興は止められない」とも宣言し、国家の結束と力を国内外に示した。
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