本日3日午前9時(日本時間10時)、中国は北京の天安門広場で「中国人民抗日戦争および世界反ファシズム戦争勝利80周年」を記念する軍事パレードを開催した。この「九三軍事パレード」で最も注目されたのは、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、そして北朝鮮の金正恩総書記が、国際舞台で初めて並び立ったことだ。
中国国営中央テレビ(CCTV)の生中継によると、外国首脳らを率いて天安門の観覧台に登る際、習主席が中央、プーチン大統領と金総書記がその両隣を歩いた。3氏が談笑する様子は、中ロ朝3カ国の連携強化を象徴している。
今回のパレードには26カ国の首脳が招待され、異例の規模となった。クレムリン関係者は、習主席が中央、プーチン大統領が右、金総書記が左に座る座席配置を事前に明らかにしていた。3巨頭のほか、ベラルーシのルカシェンコ大統領やトルコのエルドアン大統領らも出席した。
特に目を引いたのは、金総書記が娘のキム・ジュエ氏を同伴したことだ。これは、北朝鮮の後継者が重要な国際舞台に初めて姿を見せたものと解釈されている。
中国の動きにトランプ氏はどう反応したか?
中国の軍事パレードについて、ドナルド・トランプ米大統領はBBCの取材に対し、意外なほど冷静な態度を見せた。
中国が同盟国と反米連合を組もうとしているのではないかという質問には、明確に否定。「全く違う。中国には我々が必要なんだ」と強調した。さらに、習主席との「非常に良好な関係」をアピールし、両国関係が世間が思うほど対立的ではないと示唆した。
別のラジオインタビューでも、トランプ氏は中ロの連携を懸念しないとし、米国は「世界で最も強力な軍事力」を持つと力説。米国に武力を行使することは「史上最悪の決断」となると警告した。この自信に満ちた発言は、米国軍への絶対的な信頼を示しており、中国の軍事パレードを実質的な脅威とは見ていないようだ。
ロシアによるウクライナ侵攻については、先月アラスカで行われた会談で、プーチン大統領が和平合意に至らなかったことに「非常に失望した」と述べた。トランプ氏は、米国が「ウクライナ国民の生活を助ける」ための行動を取るとしたが、具体的な内容は明かさなかった。
また、もしプーチン大統領がウクライナのゼレンスキー大統領と会談しなければ、「深刻な結果」に直面すると警告。この発言から、トランプ氏が和平交渉を促しつつも、プーチン氏の態度に不満を抱いていることがうかがえる。
「九三軍事パレード」に込められた中国の狙い
詳細な分析によると、今回の「九三軍事パレード」は、単なる軍事力のアピールにとどまらない戦略的な意味合いを持っていた。全体の流れは緻密に設計され、いくつかの象徴的な要素が盛り込まれている。 (関連記事: 北京で「93軍事パレード」開催 習近平「中国人民解放軍を世界一流軍へ」強調、プーチン・金正恩も出席 | 関連記事をもっと読む )
- 開会式: 午前9時に80発の礼砲が鳴り響き、習近平氏が重要な演説を行い、国際的な反ファシズム戦争における中国の歴史的地位を宣言
- 閲兵式: 9時20分から始まり、習近平氏が紅旗閲兵車に乗り、長安街に整列した部隊を検閲し、最高指導者としての軍事的権威を示す
- 分列式: 9時40分から空挺部隊や徒歩部隊、装備部隊、航空部隊などが次々と天安門広場を通過
- 平和の象徴: 110時50分には、8万羽のハトと8万個の風船が空に放たれ、世界の平和に対する中国の約束が強調
- 国際的関与:26カ国の指導者が共に観覧し、国際社会における中国の影響力と求心力を示す