今年、世界各地でマグニチュード6~7クラスの地震が相次いで発生している。地震学者の中には「世界は地震の活発期に入った」との見方も出ている。台湾でも最近、宜蘭近海でM6.0の地震が発生し、台北市では震度4を観測。市民を驚かせた。これを受けて中央気象署地震測報センターは、台湾で今後50年以内にM6.5以上の地震が発生する確率は99%、M7.0以上の確率も54%に上ると説明。ただしM8級以上の大地震は起きないと見解を示した。
世界的に増えるM6以上の地震
今年に入ってすでにM6以上の地震は90回以上発生している。7月30日にはロシア・カムチャツカ半島沖でM8.8の巨大地震が発生し、日本では一時津波警報が出された。さらに8月3日には南極海洋脊でM6.4の地震が観測され、北半球だけでなく南半球でも活動が活発化していることを示している。
台湾中央気象署地震測報センター前主任の郭鎧紋氏によれば、台湾では過去平均で年3回以上M6級の地震が発生しており、直近5年間は地震活動がさらに活発化している。特に7月のカムチャツカM8.8は「長期の静穏期を終わらせた」とされ、今後はM8以上の巨大地震がこれまでより増える可能性が高いという。
台湾における最近の大地震
中央気象署の吳健富主任も、近年台湾で大きな地震が増えていることを認めている。例えば、2017年2月の台南M5.7、2018年2月の花蓮M6.2では建物が倒壊し大きな被害を出した。また2022年9月には關山でM6.6、池上でM6.8の地震が連続発生している。こうした動きから、台湾も「地震活発期」に入った可能性があると指摘した。
50年以内にM7地震の可能性54%
吳主任は「地震は予知できないが、断層の長さから規模の推定や、今後の発生確率を算出することはできる」と説明。その上で、「台湾に限れば50年以内にM6.5以上が起きる確率は99%、M7.0以上が起きる確率は54%だ」と述べた。一方で「台湾の陸上断層は長さが不十分で、M8以上の超巨大地震は発生しない」とも付け加えた。 (関連記事: 台湾北部でM6.0地震 台北・宜蘭で震度4 防災警報システム作動 | 関連記事をもっと読む )
編集:梅木奈実
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