台湾リコール敗北の余波 頼清徳総統と民進党院内総務・柯建銘の対立が表面化

2025-08-29 14:16
柯建銘氏(写真)の大規模リコールは失敗に終わり、大統領・頼清徳氏や党中央からの退陣圧力を招いた。(写真/柯建銘氏フェイスブックより)
柯建銘氏(写真)の大規模リコールは失敗に終わり、大統領・頼清徳氏や党中央からの退陣圧力を招いた。(写真/柯建銘氏フェイスブックより)
目次

台湾で相次いだリコール選挙の敗北を受け、総統の頼清徳氏は2025年8月28日の取材で「大統領府、行政院(内閣)、党、そして立法院(国会)の党団はいずれも必要な改組や改選を行うべきだ」と強調した。この発言は、与党・民進党団を長年率いてきた「万年総召」と呼ばれる柯建銘氏を直接に指していると党内では受け止められている。さらに、新任の秘書長・徐国勇氏は派閥を超えた立法委員の連署を集め、今会期中に党団幹部を全面改選すべきだと動きを強めている。党幹部の一人は「頼総統の決断はすでに固まっている」と明言した。

党内では「総召交代」を求める声が日に日に高まる一方、柯氏は「大規模リコールを仕掛けたこと自体に誤りはない」と繰り返している。しかし大統領と党中央からの圧力が相次ぐ中で、柯氏が引き続き党団を率いられるかは不透明だ。実際、8月28日時点で民進党団の「七長」(7つの主要ポストを担う幹部)のうち6人が辞任を表明し、残るは柯氏ただ一人。そのうえ柯氏は同日「甲級動員令」を発し、全ての党所属議員に対し翌29日午前8時20分、立法院本会議場での党団会議出席を命じた。これは素直に身を引く前触れなのか、それとも逆襲に出る布石なのか、注目が集まっている。

20250823-總統賴清德23日因應投票結果發表談話。(顏麟宇攝)
頼清徳総統(写真)は「党団も必要な改選を行うべきだ」と述べ、柯建銘氏を念頭に置いた発言と受け止められている。(写真/顏麟宇撮影)

頼清徳は水面下で退任を打診、柯氏も承知

関係者によれば、7月26日のリコール敗北後、頼清徳陣営の高官がすでに柯氏に「総召を退くべきだ」と非公式に伝えていた。しかし柯氏は明確な回答を避けつつも意図を理解していたとされる。党内の一人は「柯氏の態度は抵抗のように見えるが、ここまで敗北が続けば交代は避けられない。ただ“花道”を用意せず、連署や総統の発言といった形で直接圧力をかけて辞任させる必要があったのか」と疑問を呈する。

党内では「全面改組は避けられない」との見方が広がり、柯氏の続投は難しいとの空気が濃厚だ。新たな執行部が次期会期を迎える可能性が高く、後任候補として名前が挙がっているのが元幹事長の蔡其昌氏(立法院副院長を務めた経験を持つ)である。8月27日、蔡氏は記者団に「次期総召を担う意思はあるか」と問われ、「柯総召はすでに立場を明らかにしている。正式な改選は2026年2月であり、今は私には関係のない話だ」と回答。そのうえで「引き受けるのは周囲からの要請があってこそで、自分から答える問題ではない」と慎重な姿勢を示した。 (関連記事: 賴清徳氏、党団改選を示唆 柯建銘総召に辞任圧力 民進党内で「反柯」と「同情」が交錯 関連記事をもっと読む

20250429-民進黨立委蔡其昌29日於立院質詢。(顏麟宇攝)
民進党の立法委員・蔡其昌氏は、総召交代後の最有力候補として名前が挙がっている。(写真/顏麟宇撮影)

総召退陣を迫る動き 連署書と総統発言が圧力に

8月23日のリコール投票で敗北が確定した後、民進党の党団幹部は次々と辞任を表明した。柯建銘氏は慰留を試みたが、幹事長の呉思瑶氏が「電話に出ようとしなかった」ことや、他の幹部が異例の低姿勢を見せたことからも、高層部の意向が働いているのは明らかだという。副幹事長の王義川氏も当初は状況を把握しきれていなかったが、中央常務委員会の後に幹部職を辞任し、さらに党職である政策会執行長も退いた。結果的に「七長」のうち残ったのは柯氏のみとなり、823リコールでの失敗を受けた「総召交代」圧力が一気に強まった。

最新ニュース
北京観察》九三軍事パレードを前に日中で世論戦勃発 日本は560億円で国際イメージ刷新、中国メディア「何を恐れているのか」
食料安全保障とブルーエコノミーで日ア連携強化へ TICAD9公式サイドイベント開催 石破首相が登壇
台湾籍の男を逮捕 帰宅途中の女性を500m尾行し都内マンション侵入か 警視庁が捜査
賴清徳氏、党団改選を示唆 柯建銘総召に辞任圧力 民進党内で「反柯」と「同情」が交錯
米政府、インテルに57億ドル出資し9.9%株取得 CHIPS法で半導体主権を確保
【新新聞】トランプ政権、医薬品輸入関税を大幅引き上げへ ジェネリック協会は生存力強化策を政府に要請
累計50万人動員の初音ミクイベント「マジカルミライ」 2025年は没入型ライブ&展示で最大規模開催、テーマは「星河一天」
トランプ政権、留学生・記者ビザに最長期限を設定 中国人記者は90日限定
頼清徳政権、連続リコール失敗で内外に動揺 米日との信頼再構築が課題に 東大研究者が頼清徳総統に政策修正を提言
張鈞凱コラム:抗戦は誰が戦ったのか?彼らは予想外の答えをくれた!
メリーチョコレート、期間限定ハロウィンスイーツ発売 黒猫やおばけの「ハロウィンクッキー」が新登場
AKOMEYA TOKYO、梅田ルクア大阪に初出店 厳選米と1,450種類の食文化アイテムを展開
NBAスター選手フィギュアが登場!「NBA Ballers Vol.1」NBA Store Japanで販売開始
第21回大阪アジアン映画祭:ルイス・クー主演『私立探偵』と筒井真理子主演作が追加上映決定
和風ホラー『ウツロマユ』Switch豪華版が11月27日発売 設定資料集やサントラ付き限定特典も
台湾の声を世界へ 《島の聲》が大阪万博で初演 杜思慧監督「台湾の信仰と多様性を届けたい」
大阪・関西万博で《We TAIWAN》初公演 台湾国旗を背景に堂々の舞台演出、観客から大反響
陸文浩氏の視点:中国軍機、台海で昼夜を問わぬ異常活動 Ro-Ro船団を護衛し南下集結か
JICAが「アフリカ・ホームタウン」構想を発表 外務省「移民受け入れ報道は事実無根」新交流事業をめぐり誤情報を否定
論評:台中市長・盧秀燕がカギを握る 国民党リーダー争いの行方
政府が大株主に!インテル出資の衝撃 TSMCにも迫る「技術主権リスク」
台湾民進党で内紛拡大 柯建銘氏に退陣圧力 頼清徳政権の側近らが「党団幹部改選署名書」を推進
二度の五輪金メダリスト・李洋氏、台湾スポーツ部初代部長に就任 「犠牲を恐れず挑戦」6つのビジョンを表明
Nothing「Phone (3)」と「Headphone (1)」日本同時発売 革新デザイン×AI体験で市場挑戦
トランプ氏がプーチン氏に「最後通告」 停戦拒否ならロシア経済に前例なき制裁圧力
沈旭暉コラム:ロシア・ウクライナ和平会議の三つの構造的難題
WBC2026、日本でNetflix独占配信決定 地上波中継消滅の可能性に読売新聞社が声明
吳典蓉コラム:頼清德総統は台湾人に謝罪が必要
テイラー・スウィフト婚約発表 米メディア「神業マーケティング」と分析、NFLスターとの戦略的カップル誕生
英空母「プリンス・オブ・ウェールズ」来日 日英安保協力は「同盟」へ進化するのか?RUSI研究者が分析
東京おもちゃショー2025開幕へ エンスカイ「ペーパーシアター10周年」「ジグソーパズル40周年」記念展示
地球温暖化が新段階へ 東京大学・今田由紀子准教授「異常気象は温暖化なしでは起き得なかった」
米メディアが「世界5大火薬庫」を警告 最大リスクは台湾海峡危機、誤判断で全面戦争の恐れ
天気予報》台風発生の恐れ 台湾で猛暑続く、新北・桃園で38度超 午後は雷雨に警戒
女子スポーツの華麗と哀愁──惨敗しても優勝者以上の人気!アメフト女子選手、900万人のファン獲得 稼ぎは試合よりファンから
トランプは台湾を「金のなる木」に? 張亞中が2文字で予言―「盲目的な親米」の行き着く先は、露骨な覇権的恐喝
柯建銘は民進党の孫文か 林濁水「党内に異論なし 愚昧では敗北必至」
『エコノミスト』がウクライナ海軍の秘密兵器を明らかに:主力艦がロシアに破壊されても、「海上無人機」「蚊群艦隊」で黒海を守る
東京おもちゃショー2025、8月28日から東京ビッグサイトで開催 木村昴がアンバサダー続投、すみっコぐらしも登場
台湾北部でM6.0地震 台北・宜蘭で震度4 防災警報システム作動
SUUNTO「Race 2」「Wing 2」発表 次世代GPSウォッチ&骨伝導ヘッドホンが日本初公開
SUUNTO、新作「Race 2」「Wing 2」を日本発表 次世代GPSウォッチと骨伝導イヤホンの進化点
九三軍事パレードを前に 中国無人機群が台湾に照準 米国を上回る強みも「侮れない」
独自》台湾、米国に市場全面開放を約束 企業投資は4年で2,500億ドル規模へ
論評:「どの産業も犠牲にしない」は幻想か 台湾・頼総統の対米関税交渉に冷ややかな視線
調査:台湾海軍の「言えない弱点」 中国最新艦隊に直面、今も百年前の水雷を運用