張鈞凱コラム:抗戦は誰が戦ったのか?彼らは予想外の答えをくれた!

2025-08-28 23:56
『南京写真館』映画は南京で暮らす普通の市民が吉祥写真館に避難し、侵華日軍のカメラマンを助けることを強いられ、偶然にも日軍の南京虐殺の証拠を記録した写真を現像し、それを外に送り出して公表する計画を立てる物語である。(映画スチル)
『南京写真館』映画は南京で暮らす普通の市民が吉祥写真館に避難し、侵華日軍のカメラマンを助けることを強いられ、偶然にも日軍の南京虐殺の証拠を記録した写真を現像し、それを外に送り出して公表する計画を立てる物語である。(映画スチル)
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大罷免が大失敗に終わったことは意外ではないが、政治は一時的なものであり、歴史は永遠であることを深く実感させられた。今年は対日戦争勝利および世界反ファシズム戦争勝利80周年であり、台湾光復80周年でもある。賴清德総統が「終戦」の二文字で静かにこれを済ませようとしたが、重大な歴史的意義は消せない。最も残念なのは、長年にわたり反共・反中の政治家が故意に台湾で育んできた「歴史盲」が、今や「歴史茫」にまで発展していることだ。

中国の抗戦と台湾は何の関係があるのかと多くの人が問う。この小さな問題は、台湾の政治と社会が抱える無意識の内なる矛盾を反映している。一方で大陸の共産党が抗戦を記念することに何の根拠があるのか疑問に思う一方で、台湾が中国ではない、「敗者」の悲哀だと考えている。民進党政府の官僚たちは、この論理を使って適当なことを言っており、台湾の多くの民衆も二者の間にある矛盾に気づいていない。一方で大陸側の記念を嘲笑し、他方で自分には関係ないと強調している。結局のところ、冷戦や内戦のイデオロギーが今でも作用しており、対立する態度で歴史を語り、抗戦が国民党か共産党のどちらの戦いであるかこだわったり、「両岸二国家」の対抗的政治を歴史に当てはめようとしているだけだ。

大きな物語と外部の視点を離れ、民衆の小我と大我を示す

前の週に2度も奔走したのは、2本の映画を見るためだった。1本は南京大虐殺を背景にしたドラマ映画『南京照相館』で、もう1本はイギリス軍の捕虜を運んでいた日本の貨物船がアメリカの魚雷で沈没し、その後日本軍が海上で銃撃を行い、中国の漁民が命をかけて救助に向かった記録映画『リスボン丸沈没』だ。台湾の厳しい中国本土映画規制の下、これら2つの作品が台湾で上映される可能性は少なくとも現時点では見えない。前者は中国でしか見ることができず、後者は2025年の桃園映画祭で特別上映として台湾で初公開された。

『南京照相館』は中国本土で非常に高い評価を得ていて、おそらく大きな物語から抜け出し、外部の視点を捨て、中国人、南京市民の視点から88年前の惨劇を振り返るという内容であるためだ。今日の外部で知られている南京での日軍の残虐行為の数枚の写真は、張純如の書籍『被遺忘的大屠殺:1937南京浩劫』によると、元は日本兵によって撮影されたものを現像所の中国人雇員が「命令に反して一部多くプリント」し、密かに持ち出したものである。映画の中の事件の詳細は、ほとんど歴史の史実と一致する。つまり、『南京照相館』はフィクションの形を借りたドキュメンタリーだ。 (関連記事: 陸文浩氏の視点:中国軍機、台海で昼夜を問わぬ異常活動 Ro-Ro船団を護衛し南下集結か 関連記事をもっと読む

日本時間8月6日夜、「南京照相館」がアメリカのワシントンD.C.近郊の映画館で北米初上映された。中国の駐米大使謝鋒が招待されて出席し、スピーチを行った。(中新社)
日本時間8月6日夜、「南京照相館」がアメリカのワシントンD.C.近郊の映画館で北米初上映された。中国の駐米大使謝鋒が招待されて出席し、スピーチを行った。(中新社)

映画の中でこっそり写真を多くプリントした雇員は、南京郵局番号1213の郵便配達員アチャンで、「1213」は南京の陥落の日、すなわち1937年12月13日を表している。彼が自転車で登場する映画の冒頭では、帽子に当時の郵便局のバッジがつけられており、現在の台湾の中華郵政のマークと全く同じであることが、偶然にも両岸の歴史的関係を示している。映画は国軍のイメージを貶めたり歪曲することなく、むしろ日軍が南京城に侵入した後、蒋介石の肖像をはじめ国民政府の象徴を好き放題破壊する姿を描いている。映画の重点は、アチャンの心中の小我と大我、つまり「人」という国族の根本に戻り、戦争の下での本当の苦難と輝きである。

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