台湾・中央気象署は8月27日21時11分、宜蘭県近海を震源とするマグニチュード6.0の地震が発生したと発表した。震央は宜蘭県政府の北東22.1キロ(北緯24.88度、東経121.91度)、震源の深さは112キロだった。今回の揺れにより、台北市や宜蘭県では震度4を観測した。
地震規模は「原子爆弾の半分」に相当
中央気象署の顕著有感地震報告(第119号)によると、今回のM6.0地震は今年4回目の規模6クラスの地震にあたる。前地震測報主任の郭鎧紋氏は「釈放されたエネルギーは原子爆弾の半分に相当する」と説明。震源の深さが112キロと深かったため大規模な被害は避けられたが、もし浅発地震であれば北部や宜蘭で深刻な被害が出ていた可能性があると警告した。
郭氏はまた「ミャンマー地震以降、世界的に地震活動は活発化している」との見解も示した。
各地の震度分布
● 震度4:宜蘭県(冬山、南澳)、台北市
● 震度3:新北市、桃園市、花蓮県、新竹県、苗栗県、南投県
● 震度2:基隆市、新竹市、台中市、彰化県、雲林県、嘉義県、嘉義市、台南市、台東県
● 震度1:高雄市
北台湾で特に揺れが大きかったのは、盆地特有の「地盤増幅効果(盆地効果)」が作用したためとみられる。柔らかい地層に地震波が滞留・増幅し、数秒にわたる強い揺れを引き起こした。
全国瞬時警報システム(防災告警システムPWS)が作動
今回の地震は防災告警システム(Public Warning System=PWS)の発報基準を超えたため、宜蘭県、桃園市、基隆市、台北市、新北市に警報メッセージが発信された。気象署は「速報は観測網による自動配信であり、正式な情報は後続の発表を参照してほしい」と注意を呼びかけている。

知識補足:顕著有感地震報告とは?
中央気象署は、地震の規模がM5以上、または全国的に有感となる場合に「顕著有感地震報告」を発表する。報告には震央位置、深さ、規模、各地の震度などが含まれ、防災当局や市民にとって重要な参考情報となる。今回のM6.0地震は中規模から大規模に分類されるが、深発型であったため幸いにも被害報告は入っていない。
情報元:中央気象署 (関連記事: 天気予報》台風14号(ノンファ)1日発生へ 全台湾3日連続雷雨 | 関連記事をもっと読む )
編集:梅木奈実
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