ウクライナのゼレンスキー大統領は18日、7人の欧州首脳とともにホワイトハウスを訪れ、トランプ米大統領と2度目の会談を行い、ロシア・ウクライナ戦争について協議した。これに関し、米スタンフォード大学フーバー研究所の研究員である郭岱君氏は、風傳媒の番組「下班國際線」で、ウクライナの状況だけでも台湾にとって衝撃的であり、台湾にはウクライナのように交渉できる条件すらないと指摘した。郭氏は、ウクライナの教訓は「アメリカは信頼できない」という現実を示しており、台湾は自らの強みを生かし、より多くの資源や支援を確保すべきであって、分断に走るべきではないと強調した。
郭氏はさらに、台湾はウクライナと比較する資格すらないと断言した。ウクライナは国際的に認められた独立国家であり、領土は台湾の17倍、人口も1.5倍多い。加えて、ウクライナは東欧の主要な軍需産業拠点であり、工業力が非常に発達している。軍や国民の戦闘意識も強い。これに対し台湾には独自の軍需産業がほとんど存在しない。また、戦時にはウクライナ国民が欧州へ避難できる一方、台湾には逃れる場所がない。さらに、ウクライナはソ連・ロシアに対抗する法的正当性を有し、国際社会による安全保障上の約束もあった。しかしそれでもなお信頼に値せず、他国に依存することはできないと郭氏は述べた。米国は当時ウクライナに対して数々の保証を与えたが、政権が交代するとすべて反故にされ、現在はむしろウクライナにロシアへの妥協を強いている状況だという。
ゼレンスキー大統領は2度目のホワイトハウス訪問にあたり、欧州各国の首脳に同行されたものの、その態度はむしろ一層丁重で謙虚なものとなった。これについて、風傳媒両岸センターの張鈞凱主任は、欧州、ゼレンスキー、そしてトランプ大統領自身がそれぞれ「同床異夢」の状態にあると指摘した。トランプ氏のウクライナへの対応は、米国の本質を示しており、各国にはそれぞれの国益が存在する以上、自らの感情を過度に他国に投影すべきではないという。郭岱君氏も先に長峰基金会での講演で、蒋介石政権が台湾に退いた後に改革と建設を進める過程で、米国との関係について深く省察したことに言及している。 (関連記事: 米国は台湾を見捨てない 明居正氏「ウクライナと異なり交渉で優位に立てる」 | 関連記事をもっと読む )
張鈞凱氏はさらに指摘した。国共内戦の初期において、中国と米国は同盟関係にあり、米国は国民党に多大な支援を行っていた。しかしその後、明らかに中華民国と米国は第二次世界大戦の同盟国であったにもかかわらず、米国はかつての枢軸国である日本を支援するようになった。これは、中華民国の国力が次第に衰退していくのを見て、米国がソ連の拡張を封じ込めるために新たな拠点となる国を早急に育成する必要があると判断したためである。結果として、米国は資源をすべて日本に振り向け、国務省は直ちに対華白書を発表し、事実上中華民国政府を放棄してアジア侵略の敵国を支援し、その経済発展を急速に促したのである。歴史を振り返れば、米国が当時の蒋介石政権をいかに頼りにならない形で扱ったかが明らかである。それにもかかわらず、現在の台湾は歴史から教訓を得ることなく、むしろさらに屈従的な姿勢で、全ての期待を米国に託している。これこそが台湾の危機である、と張氏は強調した。