米露首脳会談を前に、ロシアのプーチン大統領がトランプ米大統領の停戦要請に応じるか注目が集まっている。しかし、ロシア・ウクライナ戦争の早期終結が見通せない中、ロシアと中国の軍事協力の内幕がハッキングによって流出。そこには、習近平国家主席による台湾侵攻演習をロシアが支援する計画が盛り込まれていたことが判明した。
中国向け空挺作戦システムの構築
ドイツの公共放送「ドイチェ・ヴェレ」は、ドイツ紙「ビルト」の報道として、国際ハッカー組織「ブラックムーン」が公開した中露間の秘密軍事契約について伝えた。
この協定はコードネーム「剣208」と呼ばれ、ロシア国防輸出企業ロスボロネクスポルトが、中国人民解放軍空挺部隊の作戦能力向上を目的に「MECH 208」という自動化指揮・制御システムを開発する内容を含む。さらに、IL-78MK-90A空中給油機、IL-76MD輸送機、BMD-4M空挺戦闘車、BTR-MDM装甲車、2S25型125ミリ自走対戦車砲などの重装備を、密かに販売または提供することも記載されている。
ロシア、中国の台湾侵攻演習を支援
「剣208」協定は2025年4月に正式締結されたとされ、プーチン大統領は中国共産党向けに空挺作戦システムを構築するとともに、中国側が指定する空港へ軍事装備を送るよう指示していた。文書によれば、中露の「台湾海峡侵攻行動」における軍事協力は深い段階に達しており、2017年から準備が進められていたという。
この契約の信憑性は国際的にも注目を集めている。ドイツの安全保障当局の高官筋は、契約が極めて高い機密レベルにあるため、内容の全てを完全に検証することは困難だとの見解を示している。
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