2025年8月13日夜、大阪・関西万博の会場と直結する大阪メトロ中央線が電気系統トラブルで全線運休し、多くの来場者が夢洲駅周辺や会場内に取り残される事態となった。運転見合わせは午後9時30分頃に発生。帰宅ラッシュの時間帯と重なり、駅や会場周辺は大混雑に陥った。代替交通手段も乏しく、会場は一時「陸の孤島」と化した。
日本国際博覧会協会は閉場時間を延長し、退場済みの来場者を再び会場内へ誘導。大屋根リング下や路上で待機する人々の姿が見られ、「もう歩けない」とその場に横になる子どももいた。給水所や自動販売機には長蛇の列ができ、一部の海外パビリオン関係者が自主的に水や菓子を配布した。
午前0時を過ぎると、リュックを枕に眠る人も現れた。群馬県高崎市から訪れた40歳の女性は、7歳と9歳の息子とベンチで夜を明かし「未来の万博に期待して来たのに、災害のよう。子どもがぐったりして心配」と語った。
東ゲートから西ゲートへ徒歩で移動し、バスやタクシー利用を試みる人もいたが、乗り場は深夜まで混雑が解消されず、大阪府八尾市から孫2人と訪れた78歳の男性は「自家用車も近くまで来られず、再開を待つしかない。午前10時からずっとここにいるので孫も疲れている」と肩を落とした。
14日未明までに熱中症や体調不良を訴える人が相次ぎ、救急搬送は33人に及んだ。協会は場内滞留スペースの確保など対応を取ったが、猛暑の中での長時間待機に、安全管理や交通対策の不備を指摘する声が来場者から相次いでいる。
編集:梅木奈実 (関連記事: 2025大阪万博》台湾の“未来”と“感性”を体感!大阪万博・TECH WORLD館の見どころ解説 | 関連記事をもっと読む )
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