日米関税交渉は重大な対立に直面し、双方の合意内容に対する認識の隔たりが鮮明となり、国際社会に衝撃を与えている。日本国内では世論が沸騰し、首相石破茂氏は有効な対抗策を打ち出せないという苦しい立場に追い込まれた。加えて、自民党が参議院選挙で敗北したことで、石破内閣の基盤は一層弱まり、日本政界は再編圧力に直面し、今後の行方は不透明である。
こうした重要局面において、衆議院議員の福島伸享氏が8月18日、淡江大学でオンライン演説を行う。演題は「戦国時代到来!!日本の政治はどうなるか?」であり、現在の日本政治の不安定さと分裂に焦点を当て、日米貿易摩擦が長年にわたる対米戦略的信頼を揺るがしているかについても深く論じる予定である。
福島伸享氏は無所属の衆議院議員で、超党派議員連盟「有志の会」に所属し、長年にわたり台湾と日本の交流に注力してきた。「日華議員懇談会」(日華懇)の中核幹部でもあり、外交・内政の双方で豊富な経験を有し、地域安全保障や対米政策に関して独自の見解を持つ。今回「戦国時代」をテーマに掲げ、日本政界における群雄割拠、信頼危機、国際秩序再編がもたらす多面的な課題を提示するとみられる。

日米関税問題は、トランプ政権が8月7日から強行した「対等関税」に端を発する。日本からの輸入品に一律15%の追加関税を課す措置は、当初日本側が想定していた「高関税品目の免除」と大きく食い違った。日本政府は、従来の合意に基づき、自動車および部品の関税を25%から15%に引き下げ、その見返りとして対米投資を約束するとの認識を持っていたが、実現の兆しが見えず、政界からの反発と国内世論の不満が高まっている。
石破茂首相は、正式な協定を結ばなかった理由について「相手(トランプ大統領)は普通の人物ではない」と述べ、書面化がかえって関税引き下げを遅らせる懸念を示した。日本政府の交渉担当である赤澤亮正経済再生担当相は、8月7日に急きょ渡米し、米政権関係者との協議に臨んでいる。共同通信は8日、米ホワイトハウスの匿名高官の話として、日本からの輸入品は欧州連合(EU)と同等の扱いを受け、既存の税率に15%を上乗せすることはないと報じた。

それでも国民の不満は収まらず、政権の交渉姿勢があまりに弱腰ではないかとの批判が高まり、石破内閣の支持率は下落を続け、首相の地位は危機的状況にある。共同通信が7月下旬に実施した最新の世論調査によれば、石破茂内閣の支持率は22.9%と、昨年10月の発足以来最低を記録した。
福島氏の講演を主催する淡江大学日本政経研究修士課程の蔡錫勲教授は《風傳媒》の取材に対し、石破氏が首相辞任を否定しても、党内の退陣圧力は収まっていないと指摘した。特に関税交渉の失敗後は政権基盤の揺らぎが一層深刻化しており、「戦国時代」という表現は、日本政界の権力真空と分裂状況を的確に表しているという。

また、福島氏が講演で台湾のインド太平洋戦略上の役割に踏み込むかどうかも注目されている。日本が外交の多角化を模索し、米国以外のパートナーとの戦略的連携を強化する中、今後のインド太平洋情勢における台日関係の位置づけは、ますます重要性を増す可能性がある。
編集:柄澤南 (関連記事: 日本産牛肉に41%の関税 米「+15%加算」に日本政府が猛抗議 | 関連記事をもっと読む )
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