台湾の隣国であり、多くの自国民が居住するフィリピンで、大統領の発言が再び中国を刺激した。フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は、インド訪問中に現地メディアのインタビューで、中国が台湾を侵攻し米国と全面戦争に発展した場合、「フィリピンは介入せざるを得ない」と述べた。
フィリピンのテレビ局《ABS-CBN》によると、この発言はインドのニュースサイト《Firstpost》との単独インタビューで行われた。
#MarcosOnFirstpost: In an exclusive interview with Firstpost Managing Editor@Palkisu, Philippine President Ferdinand Marcos Jr. (@bongbongmarcos) weighed in on the rising tensions over Taiwan.
— Firstpost (@firstpost)August 8, 2025
President Marcos said a conflict between China and the United States would inevitably…pic.twitter.com/sqDVVQa5v2
マルコス氏は、台湾との地理的近接性から有事の際に中立を保つことは不可能との見方を示し、「現実的に考えて、台湾を巡る深刻な武力衝突が中米間で起きれば、フィリピンは無関係ではいられない」と述べた。

彼はさらにインドのメディアに対し、「台湾とフィリピンがいかに近いか」を強調した。
「台湾の大都市・高雄は、私の故郷ルソン島のラワグ市から飛行機でわずか40分の距離だ。これほど近い」
マルコス氏は、「発言には極めて慎重を期しているが、フィリピンは自国の領土と主権を守らなければならない」とも語り、万が一衝突が発生すれば、直ちに台湾在住のフィリピン人の退避を開始し、全面的な動員を行う意向を示した。フィリピン外務省によれば、現在台湾には約20万人のフィリピン人が長期滞在している。マルコス氏は、全員の安全な帰還は「極めて困難な課題」と認めた。

こうした発言は北京に伝わり、中国外務省は8日、「地理的な近さや海外在住者の多さは、他国の内政に干渉する理由にはならない」と強調。フィリピンに対し、「一つの中国原則を誠実に実行し、中国の核心的利益に関わる問題で火遊びをしないよう強く求める」と警告した。
さらに、中国外務省はマルコス氏の発言について「国際法やASEAN憲章に違反し、地域の平和と安定を損ない、フィリピン国民の利益も著しく害する」と非難した。
世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版X:@stormmedia_jp