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台海解読》米中首脳会談の陰で台湾は犠牲に? 賴政権に「厄介者」回避のブレーキ役 台湾大学政治学部の左正東教授は、賴清徳総統(左)の強硬な対中姿勢に対し、蕭美琴副総統(右)ら高官がブレーキ役となり、台湾が「厄介者」と見なされるのを防いでいると分析する(写真/柯承惠撮影)
米国のトランプ政権が中国との貿易交渉を本格化させる中、台湾問題は不可避に交渉の焦点となっている。台湾大学政治学部の左正東氏は『風傳媒』への分析で、賴清徳総統の対中姿勢が強硬なため、政権内部で「軟化」シグナルを出す動きが見られると指摘した。副総統の蕭美琴氏が「現状維持」を強調し、海峡両岸事務局副主任委員の梁文傑氏も「台湾に中国人かどうかの問題はない」と発言。これらはトランプ政権に「台湾はトラブルメーカーではない」と印象付ける狙いがあるとみられ 当初、賴氏は8月初めにパラグアイ訪問の途上でニューヨークとダラスを経由する予定だった。しかし、 『ブルームバーグ』の28日の報道 によれば、米国側は賴氏の経由が米中交渉やトランプ大統領と習近平国家主席の首脳会談(いわゆる「川習会」)に影響することを懸念。翌29日の『フィナンシャル・タイムズ』 によると、米政府は賴氏に「ニューヨーク立ち寄り不可」を通達したという。
総統府報道官の郭雅慧氏も、現時点で賴氏の海外訪問計画はないと発表した。米国財務長官ベセンテと中国副首相の何立峰が会談し、川習会への布石を打つ中、賴政権は米中交渉で「波風を立てない」姿勢を強めている。
2019年、大阪で握手するトランプ米大統領と習近平中国国家主席。(写真/AP)
民進党の大リコール敗北、「抗中保台」は休戦か 左正東氏は今回の大リコールについて、発起側は「反共保台」「親中議員の排除」を訴え、反罷免側はこれを「虚偽だ」と反論。社会の分断が深まったと指摘する。反罷免票の意味を読み解けば、第一に賴政権への不満、第二に罷免運動そのものが招いた社会分裂への拒否感が背景にあるという。対中政策は今回の投票で主要争点にはならなかった。
『風傳媒』は、民進党と罷免派が頼みにした「反共カード」が過去の選挙では効果的だったものの、今回は通用しなかった可能性を示唆する。
2025年7月26日、市民団体による大規模リコールが不成立となり、国民党の朱立倫主席が立法委員と共に支持者へ感謝を示した場面。(写真/蔡親傑撮影)
左氏も住民が「抗中保台」そのものを否定したわけではなく、むしろ今回の罷免ではその概念が誤用されたと受け止めたと強調。「抗中保台」の全面否定と誤解してはならないと述べた。
さらに左氏は、多くの反対票を投じた住民は民進党の一党支配を望んでおらず、分権とバランスを重視していると分析。国会監督と多党競争を維持することこそが、今回の投票の核心的メッセージだと結論づけている。
賴清徳氏は台独寄りで勢力を維持するか? これに対し、左正東氏は、蔡氏と賴氏の状況は明確に異なると分析する。蔡政権は2019年まで比較的柔軟で、中国本土との再協議に希望を残していた。蔡氏は九二共識を公に支持してはいなかったが、少なくとも明確に否定はしていなかった。一方で賴氏は現在、極めて強硬な立場を取っているという。
2025年7月26日、蔡英文前総統が台北市大安区の建安小学校で投票する様子。(写真/蔡親傑撮影)
左 氏は、台湾が2018年までは両岸関係の新たなモデルを模索していたが、中国が同年に一方的にM503航路を設定したことで緊張が高まったと振り返る。それでも全面対立には至らなかったが、2019年に習近平国家主席が「台湾同胞への告示」40周年記念談話を発表したことで状況は一変。蔡政権は「国安五法」の改正など強硬策を進め、同年の香港「反送中」運動も加わり、両岸関係は急速に悪化した。
左氏は、賴政権は既に極めて強硬な姿勢をとっていると指摘する。例えば、中国を「境外敵対勢力」と定義し、台湾人団体旅行の訪中を禁止している点などだ。そのため「これ以上どう強硬化するのかは不明」であり、今回の大罷免結果も対中政策を争点としていないため、賴氏がわざわざ軟化させる必要もないと見ている。
2024年5月21日、台湾大学政治学部の左正東教授が「賴蕭新政府発足後の両岸関係」シンポジウムに出席した場面(写真/蔡親傑撮影)
また、賴氏が支持を取り戻すには、内政対応、とくに国会や野党への対処がカギになると付け加えた。
蕭美琴氏の「現状維持」発言はブレーキ役か? 『風傳媒』は、副総統の蕭美琴氏が「現状維持」を強調し、海峡両岸事務局副主任委員の梁文傑氏が「台湾には中国人かどうかの問題はなく、中華文化を共有している」と述べた背景についても左氏に見解を求めた。賴清徳氏の強硬姿勢と他の高官の発言に矛盾があるのかという問いである。
左氏は、これらの動きはトランプ政権が中国本土と交渉する中で、台湾問題が避けて通れないテーマになっている現実を反映していると分析する。賴政権が米国から「トラブルメーカー」と見なされないよう、蕭氏や梁氏の発言はブレーキの役割を果たしているとした。ただし、これが本当の不一致を意味するかは本人たちにしかわからず、単に役割分担の違いにすぎない可能性もあると述べた。
蕭美琴副総統がノルウェー公共放送のインタビューに応じる様子(写真/総統府公式サイト提供)
最後に左氏は、今後注目すべきは中米交渉の過程で台湾問題がどのように扱われるかだと強調する。賴政権は予防策を講じる必要があり、万が一不利な結果となれば対応策が問われる。一方で有利な結果が出た場合には、どのように台湾の利益に活かすかが鍵となる。一般に中米交渉に台湾が巻き込まれるのは望ましくないが、中米関係が安定すれば台湾海峡情勢にとっては依然としてプラス要素だと結んだ。
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